JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
10年以上前に御紹介した券も再度御紹介しようかと思います。
古紙蒐集雑記帖
京成電鉄 博物館動物園駅発行 片道乗車券
京成電鉄は、平成9年に営業休止し、平成16年に廃止した博物館動物園駅を期間限定で一般公開します。(同社ホームページ)
同駅の一般公開はすでに本年11月23日(金祝)から始まり、平成31年2月24日(日)までの期間となっています。
かつて御紹介致したと思いますが、同駅発の100円および110円区間ゆきの片道乗車券を御紹介致しましょう。
100円区間ゆき(上)と110円区間ゆき(下)の片道乗車券です。
100円区間ゆきは青色JPRてつどう地紋の千切り金額式大人専用半硬券が、110円区間ゆきはJPRてつどう地紋のB型金額式大人・小児用券が使用されていました。ともに山口証券印刷で調製されたものと思われます。
裏面です。100円区間ゆき(上)と110円区間ゆき(下)です。
千切り式券にや小児断片が無いためか券番が片側にしかない様式となっていました。
一般公開は来年の2月までとなっていますので、乗車券の発売はありませんが、年末年始のお休み中に訪問されるのも宜しいかもしれません。
本年も拙ブログ「古紙蒐集雑記帖」に御訪問くださいまして、ありがとうございました。本年の更新は今回を以って終了させていただきます。年明けは新年より更新をしたいと思いますので、来年も引き続き拙ブログをよろしくお願いいたします。
それでは皆様、良いお年をお迎えくださいませ。
古紙蒐集雑記帖管理人 isaburou_shinpei
JR東日本 新宿駅発行 スーパーあずさ1号特急券
平成30年11月にJR東日本新宿駅で発行された、八王子から松本までのスーパーあずさ1号特急券です。
青色JRE地紋の感熱式券で、東口みどりの窓口内にあります指定席券売機で発行されたものです。
JR東日本は本年12月14日、平成31(2019)年3月16日からのダイヤ改正を発表しました。
今次のダイヤ改正の目玉として、中央線特急が全面的に刷新されるようです。
たとえば、首都圏と中央線の主要駅を結ぶ特急「あずさ」「かいじ」は、新型車両E353系に統一されます。また、停車駅を見直し、上り松本~新宿間の平均所要時間は現在より4分短縮して2時間37分、下り新宿~松本間は6分短縮して2時間38分と、所要時間が短縮されるようです。
車両の統一と所要時間の短縮を機に、「スーパーあずさ」の名称を廃止して「あずさ」に列車名も統一されますが、一部の臨時列車はひきつづきE257系で運行されるようです。
さらに、新宿~河口湖(富士急行線)間を結ぶ特急「富士回遊」が新たに毎日2往復設定され、上り「富士回遊20号」は河口湖~新宿間を最短1時間49分で結ぶようです。興味深いことに、新宿~大月間は特急「かいじ」と併結して運転されるという、かつての急行「かいじ」「かわぐち」の運行形態が復活します。
また、通勤客向けの列車として新たに特急「はちおうじ」(東京~八王子)及び「おうめ」(東京~青梅)を平日の朝・夜時間帯にE353系で運転が開始され、「中央ライナー」と「青梅ライナー」は廃止されます。ただし、運転時刻は概ね「中央ライナー」と「青梅ライナー」の通りのようです。
これらの特急「あずさ」「かいじ」「富士回遊」「はちおうじ」「おうめ」では普通車全席が指定席となって自由席は廃止され、事前に座席指定が可能となるほか、座席の指定を受けなくても空席を利用できる新たな着席サービスが導入されます。また、「えきねっとチケットレスサービス」が利用できるようになるようです。
ということは、近い将来、「スーパーあずさ」の特急券は見納めとなるということになります。
京浜急行電鉄 鹿児島空港ビルディング発行 羽田空港国内線ターミナルから340円区間ゆき片道乗車券
平成30年10月に鹿児島空港ビルディングで発行された、京浜急行電鉄(京急電鉄)羽田空港国内線ターミナルから340円区間ゆき片道乗車券です。
桃色PJRてつどう地紋のA型金額式券売機券です。
券を見ただけでは分かりにくいですが、右下部分にある「鹿01」という符号が鹿児島空港ビルディングで発行されたという記載になります。スペースがないために省略されているのでしょうか、かなり端折っています。
鹿児島空港ビルディングは鹿児島空港の運営会社で、京急電鉄および東京モノレールの羽田空港からの乗車券の委託発売をしています。発券は券売機のみで、セキュリティーチェックを受けた後の出発ロビーの中程に券売機があります。
当該券売機は最短区間の150円区間ゆきから発行できるのですが、ワンタッチのボタンはなく、いくつかボタンを押すと発券できるところに辿り着けますが、今回はワンタッチで発券できる最短区間である340円区間を選択してみました。ちなみに、主要な着駅は京急蒲田駅です。
同時に発券された領収書です。
こちらは比較的スペースに余裕があるのですが、「鹿発行」と極端に省略されてしまっています。
JR東日本 〇社 東飯能から300円区間ゆき片道乗車券
平成最後の昭和64年1月7日に、JR東日本八高線の東飯能駅で発行された、300円区間ゆきの片道乗車券です。
桃色JRE地紋のB型金額式大人専用券で、東京印刷所で調製されたものです。
当時の東飯能駅はまだJRと西武鉄道の改札は分離されておらず、西武鉄道管理の木造駅舎ひとつしかなく、JRの出改札業務は西武鉄道が受託しておりました。そのため、御紹介の券の発行箇所名は「〇社 東飯能駅」となっています。
この券を購入した昭和64年1月7日の午前6時33分、天皇陛下(昭和天皇)が皇居・吹上御所で崩御されました。昭和天皇の崩御により、憲法と皇室典範に基づいて現在の天皇陛下である皇太子明仁親王が皇位を継承し、即位されました。それから30年が経ち、本日が平成最後の天皇誕生日となってしまいました。
平成の30年間は様々な事故や災害をはじめ、経済バブルなどいろいろな出来事がありました。まだ次の元号は発表されていませんが、この先も平和が続くことを切に希望いたします。
JR九州 市来駅発行 160円区間ゆき片道乗車券
JR九州市来駅の話題をエントリーさせていただいておりますが、もう少しお付き合いください。
以前のエントリーで「同駅では160円区間(神村学園前)ゆきは補充券での発行になる」と申し上げましたが、必ずしもそうではない事例があります。
同駅の出札口と改札口です。改札口には簡易IC乗車券改札機が設備されています。改札口の右側に何か機械が見えます。
機械の正体です。
同駅には簡易式の自動券売機が設備されているのです。
自動券売機では、160円区間ゆきの乗車券を購入することができます。JRKの券売機用券紙で、裏面は白色の磁気情報のない、簡易式用の縦地紋券紙となります。
券売機では、窓口では取扱いのない、普通入場券も購入することができます。
しかし、同駅では窓口にある掲示が気になります。
「お願い」の掲示です。よく、自治体などが受託する簡易委託駅にある「乗車券や定期券は当駅でお買い求めください」という掲示のように見えますが、内容を精査すると、自動券売機があるにも拘わらず、なぜか窓口で乗車券を購入するように呼び掛けているように見受けられます。
その訳は券売機の上に掲示がありました。
「自動券売機ご利用の皆様へ」という掲示物で、こちらは「お願い」ではなく「ご注意」です。
書かれている内容に拠りますと、券売機はJR九州直営のものであり、いちき串木野市が業務委託を受託しているのは窓口での収入業務だけであるというのです。従って、券売機で購入した乗車券を窓口で払戻しする対応ができないばかりでなく、券売機で購入されるといちき串木野市への手数料が入らないというのです。
これで納得しました。
160円区間ゆきの乗車券は券売機で購入できるのに、敢えて窓口で手間の掛かる補充券を使用しても発売して頂ける理由はここにあるのです。また、窓口では発売できない普通入場券が券売機であれば発売できる理由もここにあるのです。
ここには、泥臭い「大人の事情」がありました。
JR九州 市来駅発行 神村学園前までの往復乗車券
前回エントリーで市来駅で発行された神村学園前ゆきの片道乗車券を御紹介いたしましたが、同駅では往復乗車券も購入することができます。
青色JRK地紋の補充往復乗車券(補往)で発行されています。補片とは違い、補往の発行箇所名は市来駅となっており、管理駅の川内駅ではありません。委託駅員氏によりますと、今までの券は川内駅となっていたようですが、最近の新券になってから市来駅に変わったとのことです。
前回エントリーでも申し上げました通り、同駅には神村学園前までの常備券は設備されていませんので、正当要件で往復乗車券も補往での発券となります。往復乗車券については鹿児島中央までの券が常備券で設備されておりますので、発券可能な区間であれば、鹿児島中央以外の区間であれば補往での発券となります。
裏面です。
補片同様、一般的なご案内文になっています。
JR九州 市来駅発行 神村学園前ゆき片道乗車券
前回エントリーで市来駅で発行された210円区間ゆきの片道乗車券を御紹介いたしましたが、同駅からの最短区間駅は210円区間である串木野駅もしくは湯之元駅ではなく、160円区間の神村学園前駅でありますが、160円区間ゆきの片道乗車券は設備されていませんでした。恐らく通学生の定期券需要はあるものの、乗車券の需要は殆ど何のかも知れません。そのため、同区間の乗車券を発売するためには補充券による発売となります。
市来駅で発行された、神村学園前ゆきの片道乗車券です。青色JRK地紋の補充片道乗車券(補片)により発行されています。発行箇所名は管理駅である川内駅となっています。
同区間は常備券が設備されていないため、御紹介の区間での発行は正規要件での発券となります。金額式券は210円区間から5種類程度設備されていますが、発売可能な区間であれ、金額式券の設備のない区間については補充券での発行になるとのことでした。
ちなみに、出札用特別補充券(出補)の設備はありません。
裏面です。
同駅の発売可能な範囲はJR全線ではなく制限がありますが、ご案内文はJRのスタンダードなものとなっており、全国レベルの内容になっています。
JR九州 市来駅発行 210円区間ゆき片道乗車券
年号が記載されていませんが、平成30年10月にJR九州鹿児島本線市来駅で発行された、210円区間ゆきの片道乗車券です。
桃色JRK地紋の千切り式金額式券で、JR九州の発駅をスタンパーで捺印する現行券になります。
同社の金額式軟券にはハイフンの付いた券番がある直営駅用と単純なカッコ書きの券番がある委託駅用の2種類があり、御紹介の様式は後者になります。
同駅は鹿児島県いちき串木野市にある駅で、平成16年4月に一旦無人化されてしまった歴史がありますが、当時の市来町(現・いちき串木野市)が業務委託を受託し、簡易委託駅として再度駅員による乗車券の発売が再開された経緯があります。
小児用券です。
こちらも桃色JRK地紋の簡易委託用金額式千切り券で、様式は大人用券と似ていますが、小児用を示す「●小」の符号と小児料金が追記されています。
三岐鉄道 現行の乗車駅証明
前回、三岐朝明駅で発行された硬券の乗車駅証明を御紹介いたしました。
同駅は現在廃止されてしまっていますが、今でも西野尻駅が無人駅となっており、乗車駅証明が設備されています。しかし、硬券による乗車駅証明は廃止され、軟券になっています。
こちらが現行の乗車駅証明です。軟券と言ってもコピーしたものを切ったもので、名称が「乗車駅証明」から「無札証明」に変更されています。
この券は西野尻駅のものではなく、他の有人駅で発車間際に駆け込む旅客用に設備されていたものですが、様式は同じとのことです。
(駅員氏のご厚意で1枚戴いたもので、実際に正当は理由で使用していないものですので、発行された駅名を伏せさせていただきました。)
三岐鉄道 三岐朝明駅発行乗車駅証明
日付は入っていませんが、昭和59年8月に入手した、三岐鉄道三岐朝明(さんぎあさけ)駅(廃駅)の乗車駅証明です。
桃色三岐鉄道自社地紋のA型券となっています。
この券は三岐朝明駅の乗車駅証明で、当時、三岐鉄道の無人駅である三岐朝明駅および西野尻駅では硬券の乗車駅証明が置かれていました。硬券ホルダーが設備され、旅客が1枚づつ取って電車に乗車します。
「着駅にて運賃、料金はお支払い下さい。」と何かおかしな注意書きがあります。きっと、助詞が「は」ではなく「を」のが誤植でしょう。
裏面です。
「この乗車駅証明書は乗車駅を証明するものです。」と記載されています。要はこれは乗車券ではありませんということです。
同駅は国鉄(現・JR東海)関西本線を跨ぐ、国鉄富田駅寄りの築堤上にあり、三岐線と近鉄連絡線が分岐するところにありましたが、平成元年4月に旅客営業が廃止され、信号場に格下げされています。
現在の三岐鉄道の旅客列車はすべて近鉄富田駅から発車しています。
近鉄富田駅を出るとしばらくの間近鉄名古屋線と並走し、離れていくと次に関西本線を跨ぎます。すると、次に国鉄富田駅につながっている三岐鉄道三岐線の線路と合流し、再び関西本線を跨ぎます。跨いですぐの位置に三岐朝明駅がありました。現在でも三岐朝明信号所として線路が分岐しており、ホームの痕跡が分かります。
Wikipediaに分かりやすい線路図がありましたので転載させていただきました。
今となっては関西本線を2度も跨ぐ不思議な線路配線となっていますが、これは元々三岐鉄道は国鉄富田駅にすべての列車が発着していたのに由来します。昭和40年代中頃に近鉄富田駅に乗り入れる近鉄連絡線が開通すると、貨物列車は国鉄富田駅発着のみですが、旅客列車は双方の富田駅に発着するように分かれます。このとき、無理やり近鉄富田駅に線路を延ばした結果、2度も関西本線を跨ぐ構造が生まれたようです。
次第に、接続列車の本数が少ない国鉄富田駅よりも圧倒的に接続列車が多く便利な近鉄富田駅の方が利用客が多くなっていくのは当たり前のことで、昭和60年代に旅客列車すべてが近鉄富田駅発着に変更となり、国鉄富田駅での旅客扱いは廃止されて現在に至っています。
« 前ページ |