趣味で蒐集した「きっぷ」を見て考えたこと、とか…
JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
古紙蒐集雑記帖
茨城交通 勝田駅発行 殿山ゆき小児用片道乗車券
廃札券ですが、茨城交通(現・ひたちなか海浜鉄道)勝田駅発行の殿山ゆき小児用片道乗車券です。
橙色JPRてつどう地紋のB型一般式小児専用券で、山口証券印刷で調製されたものです。
この券は茨城交通湊線の那珂湊駅で、平成9年頃に廃札券として販売されていたものの中の1枚です。当時、木製の硬券箱が出札事務所に置かれており、廃札券を購入する客が自ら券箱に刺さっている券を引き出して購入するという方法が採られていました。今考えてみれば、一般の旅客を出札事務所に招き入れて、券箱から自分で券を抜き取らせるという販売方法はかなり斬新なものであったような気がします。
さて、御紹介の券ですが、現在でも勝田から殿山までの大人運賃が380円なので、小児運賃は半額の190円かと思われますが、何を由来としているのかわかりませんが、この券の運賃は750円と印刷されています。明らかに運賃部分が誤りのミス券となります。
別に明日が4月1日のエイプリルフールなので、よくきっぷ系ブログで見かけるような拵えた「ウソネタ券」ではありません。
廃札券として販売するなら問題ないですが、この口座の券は、実際に乗車券として使用されてしまっていたのでしょうか?
東武鉄道 下今市駅発行 野岩鉄道会津高原ゆき連絡乗車券
昭和62年10月に東武鉄道下今市駅で発行された、新藤原接続野岩鉄道会津高原ゆきの連絡片道乗車券です。
灰色東武鉄道自社地紋のB型一般式大人・小児用券で、足利印刷で調製されたものと思われます。
当時の下今市駅では野岩鉄道方面の乗車券を硬券で発売しており、今となってはこのような硬券乗車券も見かけなくなってしまっています。
着駅である「会津高原」の前に「△Y」という検札痕がありますが、今はどうなのかわかりませんが、当時の野岩鉄道では車掌が頻繁に巡回しており、旅客案内を兼ねて検札が行われており、これはその時の鋏痕です。
比布駅発行 普通入場券
昭和55年7月に宗谷本線比布(ぴっぷ)駅で発行された普通入場券です。
白色無地紋のB型大人・小児用券で、札幌印刷場で調製されたものです。
比布駅は宗谷本線が「天塩線」として開通した明治31年に開業した駅で、鉄道弘済会の売店(KIOSK)のある中規模の駅でしたが、国鉄合理化の一環で昭和59年に無人化されて簡易委託駅となり、JR化後の平成22年に完全な無人駅となってしまっています。
今の若い方は御存じないかと思いますが、昭和55年頃でしょうか、ピップ株式会社(当時はピップフジモト株式会社)のピップエレキバンのCMで一躍有名になった駅です。
CMの内容は、比布駅の駅名板の前で故人であるピップフジモト会長と女優の樹木希林さんが演じるもので、樹木希林さんが「何か来ないうちにおっしゃったらどうですか」と会長に話しかけ、会長が「ピップ」と言おうとした途端、キハ56系気動車による急行「宗谷」と思われる通過列車に遮られるというものでした。
YouTubeに当時のCMがアップされていましたので、「なつかしい」と思う方も「どんなCMだろう」と思う方もココをクリックして見てみてください。
その後平成27年になって、なんと地元比布町役場がこのCMのパロディの観光CMを作っているんです。こんどはココもクリックして見てみてください。こんな動画を作ってしまう、町役場の広報担当の方、すごいユーモアですね。
町では他にもたくさん制作されているようで、鉄道の話題だけじゃないんですが、一つづつ見ていくと結構はまります。
「わっかるかなぁ、わかんねぇだろうなぁ」。
JR東日本 料補発行の新札幌から札幌ゆき普通急行券
前回エントリーでJR東海品川駅で料補により発行された新札幌から札幌までの普通急行券を御紹介いたしましたので、今回はJR東日本の駅で発行されたものを御紹介いたしましょう。
ただし、管理人は首都圏在住の身で、青森まで足を延ばすことが予算的・時間的に不可能でありましたため、首都圏の駅で購入いたしました。
まずは東京駅で発行された普通急行券です。
緑色JRE地紋の料金補充券で発行されています。前回エントリーのJR東海品川駅で発行されたものと基本的には同じ記載内容となっており、同区間用の普通急行券であることはわかります。
それでは、若干特徴的な記載で発行されたものを御紹介いたしましょう。特徴的ではありますが、記載された内容に要件は満たしていますので、斜線が多少無くても許容範囲と言えるのではないかと思います。
こちらは新宿駅で発行されたものです。記事欄に「3/21はまなす利用 ダイヤ改正により自由席発行」と記載されています。「ダイヤ改正により自由席発行」という言い回しは独特ですが、「ままなす」の列車名が記載されているところに好感が持てます。
最後は中央線荻窪駅で発行されたものです。一つくらいと思い、1区間先の千歳からの乗車分で購入しました。記事欄は「自由席乗車」と至ってシンプルですが、指定1欄に乗車区間と乗車日・列車名である「はまなす」・発時刻が記載されています。
急行はまなす号は3月20日青森発の列車を以って自由席車の連結が終了したことに伴ってマルスシステムに運用規制をかけていましたため、同列車の北海道区間のみを自由席に乗車する普通急行券はすべて料補で発行されていますので、他にも特徴的な内容で発券されたものが存在するのではないかと思われます。
JR東海 品川駅発行 新札幌から札幌ゆき普通急行券
平成28年3月にJR東海品川駅で発行された、新札幌から札幌ゆきの急普通急行券です。
緑色JRC地紋の特別補充券(料金専用)で発売されています。
この券は北海道新幹線開業によって惜しまれながら廃止されたJR最後の定期客車列車かつ定期普通急行列車であった急行はまなす号の下り最終自由席区間について発売されたものです。
急行はまなす号は最終列車の座席車は全車指定席車の運転であったため、青森を21日に発車する下り最終列車乗車分の普通急行券は指定席券と一緒でなければ発売されませんでしたが、乗車区間によっては普通急行券単発でも21日乗車分として正規に発券されていました。
夜行列車であるためにわかりづらいですが、下り列車は青森発3月21日の深夜ですので札幌着は翌22日の朝となります。運転時刻は青森を21日の21:18に発車し、函館に翌22日00:44に到着します。函館で機関車をED79からDD51に付け替えた後、01:23に出発し、この券の乗車駅である新札幌に05:55に到着し、06:07に終着駅である札幌に到着します。
この券は3月21日新札幌駅乗車分ですので、前日20日に青森を発車した最終の1本前の列車となりますため、自由席車両を連結した最後の列車であったことになります。普通急行列車は自由席がメインですから、本来の定期普通急行列車の姿としての最後の列車であったわけです。
JRでは、この列車に日を跨いだ21日にJR北海道区間から乗車する自由席用の普通急行券については、誤発売防止のためにマルス運用に規制をかけ、発売する際には料金専用特別補充券(料補)での発売を行う旨の通達を出していました。実際にマルス端末で当該普通急行券を発券しようとすると発券不可で弾かれてしまいました。
そのため、「なぜ」と思われるような単純な発券内容の券ですが、あえて料補で発行されています。
JR北海道 〇簡 石狩沼田駅発行 留萌ゆき片道乗車券
平成27年10月に石狩沼田駅で発行された、留萌ゆきの片道乗車券です。
桃色JR北地紋の大型常備軟券で、矢印式の大人・小児用券となっています。経由欄がありますが、留萌までの経路は留萌本線のみのため、横棒を引いて記載が省略されています。
かつての石狩沼田駅は留萌本線の他に札沼線の終着駅となっていましたが、昭和47年に札沼線の同駅~新十津川駅間が廃止されると同駅に発着する鉄道線は留萌本線(当時は留萠本線)だけとなり、昭和59年に窓口業務が無人化されて簡易委託駅になっています。
しかしその後、JR化後の昭和63年に再度直営駅に戻されますが、平成10年には2度目の無人化となり、地元自治体である沼田町に簡易委託化され、現在に至っています。
鉄道省 會津若松驛発行 東京市内ゆき片道乗車券
昭和17年10月に磐越西線会津若松駅で発行された、東京市内(現・東京都区内)ゆきの片道乗車券です。
桃色GJRてつだうしゃう地紋のA型一般式大人・小児用券です。3等券のために桃色となっており、郡山駅の途中下車印が捺印されています。
発駅の会津若松駅の「會」や「通用發賣日共3日」、「4圓50錢」、「下車前途無效」などの旧字体が散りばめられています。
裏面です。
裏面には着駅である「東京市内」がどの区間内なのかが分かるよう東京市内の路線図が書かれており、「下圖(図)省線内の一驛(駅)行」と記載されています。
この路線図を見ると、京葉線などの新規開業路線を除き、現在の東京都区内のエリアと変わりないことがわかります。
大山観光電鉄 現行乗車券類のいろいろ(~その2)
前回に引き続き、大山観光電鉄の現行乗車券を見てみましょう。
今回は阿夫利神社駅発行分です。
大山寺ゆきの大人用片道乗車券です。
大山ケーブルゆきの大人用片道乗車券です。
大山寺までの小児用往復乗車券です。
大山ケーブルまでの大人用往復乗車券です。
同駅ではこのような特殊な券も入手できました。
大山ケーブルゆきの割引乗車券で、大人用の片道乗車券になります。正規運賃の約1割引きになります。
その他、回数乗車券の着札を頂くことができました。
緑色の券で「片道回数乗車券」と記載されています。日付印は発行日ではなく、有効期限の日付になっています。発行印もしくは入鋏印のような印を使用して有効期限を表示する例はあまりないように感じます。
そもそも、ケーブルカーの回数乗車券というものはあまり見かけませんですが、複数人で使用する場合や、山頂や中腹の神社や商店に勤めているような方々が使用しているものと思われます。
以上、手元にある券を御紹介いたしましたが、乗車券としての秀逸さは無いものの、いろいろな色の乗車券は集めてみると楽しいものです。
大山観光電鉄 現行乗車券類のいろいろ(~その1)
拙ブログ3月9日エントリーの「大山観光電鉄 大山ケーブルから阿夫利神社ゆき片道乗車券」で現行のカラフルな乗車券を御紹介いたしましたが、他にも色々な色の乗車券がありますので、この機会に御紹介いたしましょう。
最初に断っておきますが、私は「コンプリート派」ではありませんので、すべての券種が揃っているわけではありません。
それでは、まずは大山ケーブル駅発行分です。
交換駅である大山寺ゆきの大人用片道乗車券です。
前回御紹介いたしましたが、大山寺ゆきの小児用片道乗車券です。
こちらも前回御紹介いたしましたが、阿夫利神社ゆきの大人用片道乗車券です。
大山寺までの大人用往復乗車券です。
前回も御紹介いたしましたが、阿夫利神社までの大人用往復乗車券です。
見た限り、同社では各区間ごとに色を分けているようですが、同じ区間であれば大人用と小児用の券の色は同じ色を使用しているようです。
では次回、阿夫利神社駅のものを見てみましょう。
新十津川駅発行 普通入場券
昭和57年3月に発行された硬券の普通入場券です。
白色無地紋のB型大人・小児用券で、札幌印刷場で調製されたものです。
新十津川駅は昭和6年に札沼北線(石狩沼田~新十津川間)の開業によって設置された駅で、開業当初は中徳富(なかとっぷ)駅として開業しています。その後部分延伸によって途中駅となり、昭和10年には札沼南線とつながり、札沼線は桑園~石狩沼田間の路線になります。しかし、戦時中に石狩月形~石狩追分間が不要不急路線として廃止されると、同駅は一旦廃止されてしまっています。
戦後になると廃止区間が再開され、同駅は昭和28年に新十津川(しんとつがわ)駅として再開されましたが、昭和47年に新十津川~石狩沼田間が廃止され、再び終着駅となって現在に至っています。ただし、開業時には「北線」側の終着でしたが、再開時には「南線」側の終着駅となります。
同駅から石狩沼田間が廃止された際には国鉄バスの石狩線に引き継がれて接続駅となっていましたが、昭和61年には無人駅となり、平成20年には国鉄バスから継承されたジェイアール北海道バスの石狩線も廃止されてしまい、1日3本程度の列車が折り返す盲腸駅となり、本年3月のダイヤ改正では、1日1本に減便される予定になっています。
ちなみに、新十津川駅は平成9年に新十津川(しんとつかわ)駅に読み方が改称されています。
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