JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
10年以上前に御紹介した券も再度御紹介しようかと思います。
古紙蒐集雑記帖
JR東海 岐阜駅発行 大垣までの往復乗車券
1988(昭和63)年10月に、JR東海東海道本線の岐阜駅で発行された、大垣までの往復乗車券です。
青色JRC地紋のA型大人・小児用往復乗車券で、名古屋印刷場で調製されたものです。
表面の記載事項は、発駅や着駅、有効日数、運賃、発行駅名と、札幌印刷場を除いた旧国鉄時代からの様式を引き継いだものになっています。
裏面です。券番の他、下車前途無効の文言があります。
大垣市は岐阜県内では岐阜市に次いで2番目の人口規模の街になります。常備の往復乗車券が設備されるほど、岐阜~大垣間の需要が多かったのでしょう。
現在では券売機の他にIC乗車券が一般化し、近距離往復乗車券の出番はかなり少なくなってきたものと思われます。
東京臨海高速鉄道 東京テレポートから330円区間ゆき片道乗車券
前回エントリーで東京臨海鉄道が開業した頃の乗車券をご紹介いたしましたので、今回は現在発行されている乗車券をご紹介いたしましょう。
2018(平成30)年8月に東京臨海高速りんかい線の東京テレポート駅で発行された、330円区間ゆきの片道乗車券です。
青色TWR東京臨海高速鉄道自社地紋の金額式券売機券で、券紙の地紋は開業時から変わりません。
様式も券売機のバージョンアップによって日付が西暦表示になっておりますが、現在のJR東日本の券売機券と似ており、この点についても開業時のままになります。
再掲になりますが、開業時の乗車券です。開業時は路線名が「臨海副都心線」という名称であったために「臨海副都心線○○○円区間」となっておりましたが、路線名が「りんかい線」に改称されたころから、「りんかい線○○○円区間」という表記に変更されています。
ゆりかもめの場合は会社名が改称されたために左上の社名表記が変更になっていましたが、東京臨海高速は社名の変更は行われていないため、開業時と同じ社名が記載されています。
東京臨海高速鉄道 国際展示場から180円区間ゆき片道乗車券
前回エントリーでゆりかもめ関連の乗車券をご紹介いたしました。東京の臨海エリアにはもう一つ、第三セクターが運営している「りんかい線」関連の乗車券をご紹介いたしましょう。
1996(平成8)年5月に東京臨海高速鉄道臨海副都心線の国際展示場駅で発行された、180円区間ゆきの片道乗車券です。
青色TWR東京臨海高速自社地紋の金額式券売機券になります。
東京臨海高速鉄道臨海副都心線はご紹介の券が発行された年の3月に新木場駅~東京テレポート駅間が部分開業し、途中駅は東雲駅と国際展示場駅のみでした。
その後、2000(平成12)年には「りんかい線」の愛称ができ、同時に路線名を臨海副都心線からりんかい線に改称しています。
ご紹介の券は線名が「りんかい線」となる前のもので、臨海副都心線の表記があります。
東京臨海高速鉄道株式会社は、東京都が90パーセントを出資する第三セクターで、他に周辺自治体や銀行・損保・JR東日本などが出資しています。
ご紹介の券は一般的な券売機券で、JR東日本が出資している関係からか、同社の券売機券とよく似た様式になっています。ただし、ここではご紹介いたしませんが、特別補充券については東京都交通局の様式に酷似しており、どのような経緯でそのようになったのか、興味深い部分があります。
ゆりかもめ 芝浦ふ頭から250円区間ゆき片道乗車券
前回エントリーでゆりかもめの前身である東京臨海新交通の乗車券をご紹介いたしましたので、今回は同社がゆりかもめとなった現在の乗車券をご紹介いたしましょう。
2015(平成27)年7月にゆりかもめ東京臨海新交通臨海線の芝浦ふ頭駅で発行された、250円区間ゆきの片道乗車券です。
社名部分が「(ゆりかもめ)」となっていますが、青色ゆりかもめ自社地紋は東京臨海新交通時代から引き続き同じものが使用されている金額式券売機券です。ただし、印刷の都合からかもしれませんが、社名が改称された1997(平成10)年ころから地紋の青色が若干薄い色になっています。
再掲いたしますが、東京臨海新交通時代のものと基本的に様式に変化はないものの、券売機の代替によって字体に変化があり、日付の西暦表示、発駅名のローマ字表記、発売時刻の印字等、部分的に変化があることがわかります。
東京臨海新交通 新橋から180円区間ゆき片道乗車券
1995(平成7)年12月に東京臨海新交通(現・ゆりかもめ)東京臨海新交通臨海線の新橋駅で発行された、180円区間ゆきの片道乗車券です。
青色東京臨海新交通自社地紋の金額式券売機券となっています。図示いたしませんが、裏面は自動改札対応の黒色磁気体が塗られています。
東京臨海新交通株式会社は東京都が出資する第三セクターの会社で、新橋~有明間の鉄道事業および軌道事業である臨海線を運営する会社として1988(昭和63)年に設立されています。そして1995(平成7)年に「新交通ゆりかもめ」の愛称で路線を開業しましたが、路線名がすぐそばを走る「りんかい線」に似ていてわかりづらいことから「臨海線」と呼ばれることはほとんどなく、愛称名である「ゆりかもめ」と呼ばれることが一般的であったことから、1998(平成10)年に社名を「株式会社ゆりかもめ」に改称しています。ただし、路線名は現在でも「東京臨海新交通臨海線」のままになっています。
社名が変更となってからも券紙に使用されている地紋に変更はありませんが、現在発行されている乗車券は、左上の社名が「(東京臨海新交通)」から現在の社名である「(ゆりかもめ)」に変更されています。
その他、券売機のバージョンアップにより、発行時刻やローマ字表記などの印字が追加されています。
(信) 高田駅発行 東京都区内ゆき 片道乗車券
1985(昭和60)年4月に信越本線高田駅で発行された、東京都区内ゆきの片道乗車券です。同駅は現在、北陸新幹線の長野駅~金沢駅間の開業に伴って並行在来線として経営分離され、えちごトキめき鉄道妙高はねうまラインの駅になっています。
青色こくてつ地紋のA型一般式大人・小児用券で、民間印刷場で調製されたものです。
経由欄には「宮内、渋川、熊谷経由」とスッキリと書かれていますが、高田~(信越本線)~直江津~(信越本線)~宮内~(上越線)~高崎~(高崎線)~大宮~(東北本線)~東京都区内という営業キロ344.3kmの乗車経路になります。
発駅表記には「(信)」と記載されていますが、これは同駅が信越本線に所属する駅という意味であり、国鉄には他に奈良県の和歌山線の高田(たかだ)駅と、長崎県の長崎本線にある高田(こうだ)駅という同じ表記の駅名があるため、どの駅かを明確にするために表記されていたものです。
裏面です。確か、この券が発行される9日前に国鉄では運賃改定を行っていたと思いますので、運賃改定印が捺印されていないことから改定後の新券ではないかと思われ、券番が0040ということはだいたい4枚/日程度の発売実績であったと推測されます。
東京都区内ゆきの発売実績としては些か少ないような気もしますが、軽井沢経由であれば営業キロ289.1kmで55.2km短縮され、しかも乗り換え無しで行けることから軽井沢経由の方が一般的で需要があると思われますので、直江津経由での発売実績は少なかったものと思われます。
国鉄末期、出札機器による印発化が行われると硬券の需要は減ってきており、需要減によるコスト削減のため、新潟および仙台印刷場の硬券印刷業務は民間印刷場に外注されるようになり、民間印刷券が誕生し、印刷場は外注管理もしていたようです。
そのような流れからと思われますが、国鉄では、1983(昭和58)年4月に「印刷場」の名称を「乗車券管理センター」に改称しています。ただし、拙ブログではいちいち区別して表現するのも煩雑なため、乗車券管理センターとなった時代についても印刷場と表現しています。
JR四国 窪川駅発行 高知ゆき片道乗車券・急行券 連綴券
1990(平成2)年7月にJR四国土讃線の窪川駅で発行された、高知ゆきの片道乗車券と高知ゆき対応の100キロまでの急行券を1枚にまとめた連綴券です。
青色JRS地紋に赤縦一条が入ったA型大人・小児用連綴券で、民間印刷場で調製されたものと思われます。
特急や急行などの優等列車に乗車するには乗車券の他に急行券などの料金券の購入が必要となりますが、優等列車の利用が多い区間の場合、いちいち2枚の券を発券しなければならない手間と、1枚にまとめることでの印刷コストを考え、このような連綴券が誕生したと言われています。
裏面です。券番の他、発行駅名が乗車券部分と急行券部分の双方に入っています。
以前、コレクターの先輩から、四国では国鉄時代より特急や急行などの列車車内で、終着駅近くに近づくと特急券や急行券などの料金券を車掌が回収する習慣があり、車内で半分に捥いで、右手で旅客に乗車券を返還しやすいよう、四国の連綴券だけは乗車券と料金券の順番が逆なんだと聞いたことがあります。
この習慣は、高松駅に到着する際、宇高連絡船への乗り換えが時間内にスムースに行われるように始まったということで、JR四国となった現在でも、特急列車が終着駅に近づくと車掌が特急券の回収をする光景が見られます。
確かに他の印刷場で調製された連綴券は左側が乗車券で右側に料金券が付いていますので、本当にそのような考え方があったのかもしれません。
東京都交通局 電車通学定期乗車券
前回エントリーで京都市交通局で発行された京都市電の通勤定期券をご紹介いたしましたので、今回は東京都交通局で発行された、東京都電の通学定期券をご紹介いたしましょう。
1954(昭和29)年9月通用の東京都交通局の電車用定期券です。橙色東京都交通局自局地紋の縦型様式の券で、通用月が予め印刷されており、毎月券面の印刷の色が違っていたようです。
通用月が大きく記載されているところに使用者の記名欄があり、使用者の年齢を男性は右側、女性は左側に記入するようになっています。
乗車区間は神田駅から東大前(現・都営バス東大正門停留所)の区間で、こちらも京都市交通局のものと同様、路線図に赤ペンで乗車経路が記載されており、神田駅から須田町・万世橋・神田松住町(現在の外神田二丁目付近)・本郷三丁目を経由するように指定されています。
裏面です。使用上の注意が上半分にあり、下半分は万一落としたとき用に、住所や氏名を記入する欄があります。
発行場所欄にある「松坂」という印は、発行者の取扱者印のようです。
京都市交通局 電車通勤定期券
親戚が使用していた頂き物ですが、1962(昭和37)年11月に通用の京都市交通局電車通勤定期券です。
橙色京都市交通局自局地紋の通勤定期券になります。ここで言う「電車」は地下鉄ではなく、かつて京都市内を走っていた京都市電になります。
利用区間は清水道(きよみずみち)~河原町丸太町(河丸、かわらまちまるたまち)間で、赤線で引かれて表示されている通り、熊野神社前(熊野、くまのじんじゃまえ)を経由して乗車するようになっています。
東京都交通局の都電の定期券も路線図に赤線で乗車経路を引くようになっており、考え方は同じであったようです。
券面に捺されています「○壬」の印は壬生車庫(現・市営バスみぶ操車場)で発行されたことを示す印であると思われます。
京都市交通局の自局地紋の拡大です。現在でも現役かどうか不明ですが、局紋を囲んで「きようとしこうつうきよく」と書かれた帯があります。囲み帯はまんまるではなく細長く、地紋としては特徴的です。
裏面です。右側には縦書きで御注意事項として使用上の注意が記載され、左側には万一落とした際にわかるよう、住所や勤務先を記入するようになっています。
南部縦貫鉄道 七戸から野辺地ゆき 片道乗車券
1987(昭和62)年9月に南部縦貫鉄道の七戸駅で発行された、野辺地駅ゆきの片道乗車券です。
青色TTDてつどう地紋のB型一般式大人・小児用券で、日本交通印刷で調製されたものです。前回エントリーでご紹介いたしました普通入場券と同時に購入したもので、実際に乗車しています。
裏面です。券番の他、社名は裏面に記載されています。
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