千葉局・東京西局管内簡易委託用金額式乗車券

国鉄時代、東京印刷場担当エリアにある千葉鉄道管理局と東京西鉄道管理局管内にある簡易委託駅には、特別な様式の硬券乗車券が設備されていました。



千葉鉄道管理局(千葉局)管内の簡易委託駅は行川アイランド・那古船形・江見・下総橘の4駅で、東京西鉄道管理局(東京西局)管内の簡易委託駅は穴山の1駅のみでした。



では、千葉局・西局管内簡易委託用の金額式乗車券を御紹介いたしましょう。



   



昭和57年9月に千葉局管内の那古船形駅で発行された、簡易委託用の金額式券です。


受託者との精算の関係でしょうか、大人用および小児用となっており、大人・小児用はありません。


桃色国鉄地紋のB型金額式券で、直営駅にある大人用券とよく似ていますが、「国鉄線」の文字の横に「〇ム」表示がある点に特徴があります。
また、発行箇所名の前には簡易委託を示す「〇簡」の表示があり、「駅」の表記がありません。



   



同じく簡易委託用券で、昭和59年4月に、唯一東京西局管内にある穴山駅発行のものです。


こちらも千葉局管内のものと同じく、大人用および小児用となっており、大人・小児用はありません。そして、発行箇所名の前には簡易委託を示す「〇簡」の表示があり、やはり「駅」の表記がありません。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

富士急行 特殊(特別)補充券

昭和57年7月に富士急行都留市駅で、国鉄総武線下総中山駅ゆきの連絡乗車券として発行された特別補充券です。

 


   

 


大人1名・小児27名という複数人分として発券されており、記事欄に1名当たりの運賃が記載されています。

 

緑色PJRてつだう地紋で、様式はごく一般的なものです。

 


   

 


こちらは昭和55年5月に禾生駅で再収受証明として発券されたもので、都留市駅のものより古い様式です。

 

   

 


ヘッドの社名欄を見ますと「富士山麓電氣鉄道」と旧社名の表記の上に「富士急行株式会社」のゴム印を捺印したものとなっており、同社が富士山麓電氣鉄道を名乗っていた昭和初期から昭和35年5月までの間に設備されたものと考えられます。
しかし、使用されている活字が比較的新しいことから、富士急行に社名変更される末期の昭和30年代になってから設備されたものと思われます。

 


現在、同社の乗車券類は券売機および出札端末によって行われており、手書きの特殊(特別)補充券の設備は廃止されてしまっていると聞いております。

 

コメント ( 1 ) | Trackback ( 0 )

青森駅発行 日本海1号B寝台券

昭和57年7月に青森駅で発行された、寝台特急日本海1号のB寝台券です。



   



仙台印刷場調製の、国鉄緑地紋のD型硬券となっております。



乗車区間は大阪駅から青森駅までの同列車全区間に亘るもので、乗車日の約1ヶ月前に購入された前売券です。
お盆期間中に大阪から帰省する旅客が使用したものかもしれません。



この券が発券された昭和57年の青森駅にはマルス端末が当然ながら設備されておりましたが、青函連絡船の乗継等の関係もあり、当時は夜間マルス端末が休止している時間帯でも駅は営業していたため、この時間帯にも寝台券を発売する必要があったことから、このような硬券によるB寝台券が設備されていたと考えられます。



あくまでも常時日中発売するためのものではないために発売枚数があまり多くないことから、列車名・乗車区間・発車時刻は記入式となっており、どのような列車や区間にも対応できるようになっています。



発駅名の「大阪」のゴム印は、字体から察するに、縦型マルスの印字棒を使用して捺印されたと思われます。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

新京成電鉄 券売機券の「通用」表現

新京成電鉄松戸駅で発行された券売機券です。



   



桃色PJR地紋のA型券で、新型券売機にて発券された金額式券です。
他社の券売機券とほぼ共通のフォーマットで、最近増えてきた、発駅名のローマ字表記のあるものです。



同社の券売機券は少々変わっており、通常であれば「発売当日限り有効」と表記されるところ、同社の券は「発売当日限り通用」となっています。


一時代前の券には「有効」ではなく「通用」という表現が全国各地で見られ、「通用発売当日限り」という表現は一般的でしたが、「発売当日限り通用」という表現は同社独特のものであると思われます。



   



こちらは同じ新京成電鉄の乗車券でありますが、京成津田沼駅は京成電鉄管理の駅となっており、券売機も京成電鉄のものに同居しています。


京成電鉄のフォーマットに準じており、一般的な「発売当日限り有効」の表現になっています。



その他、松戸駅乗換精算改札口にあるJR管理の券売機も、「発売当日限り有効」の表現になっています。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

東京都交通局 図補

このたび、じゅん様のブログ「きっぷ展示館」と相互リンクを貼らせて頂きました。
このブログはなかなか手に入らないような面白い券をたくさん紹介されており、いつも興味深く拝見させて頂いています。今後ともよろしくお願いいたします。


さて、「きっぷ展示館」1月20日エントリーの「東京都交通局(都営地下鉄)浅草駅」にて都営地下鉄の特別補充券が紹介されていますが、じゅん様が入手できなかったと仰せの図補が手元にありましたので、リンク記念に御紹介させていただきます。


   


都営地下鉄の某駅で発行された、東京メトロ副都心線開業後に設備された、現行様式の図補です。


黄色い東京都交通局高速鉄道用の独自地紋で、ノンカーボン式となっています。発行箇所名は記入式で、ゴム印を捺印することにより表記されています。


都営地下鉄では、特別補充券は各駅に設備されているようですが、図補については東京メトロとの乗換駅のみに設備されているようです。ただし、各駅の改札口(精算所)には改札端末が設備されており、図補の出番はほぼ無いようです。
また、コレクターの「趣味発券」には大変厳しく、正当な理由がない発券は難しいようです。



   

 

図補ではありませんが、以前営団地下鉄(現・東京メトロ)との乗換駅に設備されていた、駅名式補充券です。

これは昭和50年代後半に新宿三丁目駅で購入したもので、実際に営団地下鉄からの区間変更として乗車したときのものです。

図補同様に黄色い東京都交通局高速鉄道用の独自地紋となっていますが、当時の券紙はノンカーボンとはなっていません。

現在もこの様式が存在するかわかりませんが、新しい図版の駅名式補充券は未見ですので、現在は様式廃止となっている可能性があります。


この券を見ますとわかりますが、東京都交通局の補充券の券番表記には特徴があり、「甲冊 № 〇〇〇〇」となっており、「冊」という字があるものの、冊番の表記のようなものがありません。現行の図補や特別補充券も、この表記方法で付番されています。



この記事は、じゅん様のブログ「きっぷ展示館」1月20エントリーの、「東京都交通局(都営地下鉄)浅草駅」にトラックバックさせていただきました。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )

西武鉄道 国鉄連絡用往復乗車券

昭和57年10月に西武鉄道一橋学園駅で発行された、吉祥寺駅ゆきの連絡往復乗車券です。



   



一橋学園駅は西武鉄道多摩湖線の駅で、国鉄中央本線との接続駅である国分寺駅から1駅目にあります。経路は一橋学園~(西武多摩湖線)~国分寺~(中央東線)~吉祥寺という一般的なルートとなっています。



券は青色西武鉄道自社地紋のA型硬券で、山口証券印刷にて調製されたものと思われます。右側の「往路」券は白地に青色の地紋ですが、左側の「復路」券は反転地紋ではありませんが、青色地に地紋が印刷されています。



西武鉄道には国鉄への連絡片道乗車券は多数ありますが、常備の連絡往復乗車券はあまり多くはなかったものと思われ、他駅の設備例は未見です。


それでも同駅の名前の由来でもある一橋大学の学生さんが頻繁に利用するのでしょうか、需要のある駅への往復用として設備されたものと思われます。しかし、この券を購入した時には他に四ツ谷駅ゆきの口座も確認しておりますが、いずれも運賃改定印が捺印されており、それほど往復乗車券の発売実績は芳しくなかったものと思われます。


そのほかに新宿駅ゆきがあれば需要がそこそこあったのかもしれませんが、西武新宿駅を擁しているからなのでしょうか、新宿駅への国鉄連絡往復乗車券の設備はなかったように記憶しております。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )

静岡車掌区発行 車急式急行券

JR東海、静岡車掌区発行の車急式急行券です。



   



この券が発行されたのは急行東海号でした。


急行東海号は東京~名古屋間の準急列車として誕生しましたが、昭和41年に東京~静岡間の急行列車に格上げされ、その後平成8年に特急列車に再度格上げされましたが、利用客の減少により、平成19年には廃止されてしまっています。



この券を発行した静岡車掌区は、現在は静岡運転所の乗務員部門と合併して静岡運輸区となっています。



券は赤色JRC地紋で、東京駅から静岡駅までの東海号停車駅が記載されております。新橋駅は上りの2・4号が停車し、函南駅は下り1号・上り4号が、新蒲原駅は下り1号・上り2号が、蒲原駅は下り3号・上り4号が停車していました。


すると、この券には蒲原駅だけ記載がありませんが、静岡車掌区が受け持っていた列車は1号と2号であったため、双方が停車しない蒲原駅の記載は省略されたものと思われます。
(確か、3号と4号は浜松車掌区であったのではないかと記憶しています。違っていたらスミマセン。)



また、JR東日本管轄である東京駅~熱海駅間は細い明朝体で記載され、自社管轄である函南駅から先については太いゴシック体となっています。


記載方法を分ける意味があるのかわかりませんが、ここまでしたのには売上精算時の料金配分等、何らかの理由があってのことと思われます。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

相模鉄道 車発機発行車内補充券

ICカードの普及により首都圏の大手私鉄では乗客専務による車内での乗越等の精算業務を廃止している会社が殆どですが、相模鉄道では現在も乗越や連絡乗車券の発売等のため、車内での精算業務が行われています。



    



乗客専務より車内で発行された、140円区間ゆきの社線完結乗車券です。車発機はタッチペンで必要事項をタッチしていくタイプのものですが、発券される券はPJR青地紋の券紙となっており、自動改札機対応となっています。



意外にも金額式券となっており、車発機の券としては異例な様式です。「車発001発行」という表記が車発機で発行されたことを物語っています。また、「発行当日限り有効」となっており、なぜ「発売」でないのか、理由は不明です。



車発機が登場した当初のJR東日本でも自動改札機対応の券を発行していた時期がありましたが、現在は廃止されており、自動改札機対応のA型車発機発行券の残存例としては首都圏唯一のものかもしれません。



    



こちらは同じ機械で連絡乗車券として発券して頂いたものです。
やはり金額式券となっていますが、こちらには原券を表示する欄があり、社線完結のものより精算券らしくなっています。



「原定」は「原券が定期券」ということなのかもしれませんが、「乗領」という言葉の意味がよくわかりません。

コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )

深川駅発行 身障者割引用常備券

深川駅で発行された、白石・札幌・手稲間ゆきの身障者割引用の常備片道乗車券です。



   



札幌印刷場調製のこくてつ青色地紋A型券で、一般式となっております。


通常の一般式券に、「」の赤影文字が入っており、小児用として発売することもあることから、小児断片のある大人・小児用となっています。そして、小児断片にも「」の赤影文字が入っております。



私は手帳所持者ではありませんので残念ながらこの乗車券を購入することができませんが、手帳を持った知り合いに「北海道みやげ」として購入してもらいました。



   



裏面です。


学割の専用券のように証明書番号を記入する欄が設けてあり、こちらの場合は「身証第  号」と書かれています。



身障者用券は利用者が小学生であれば小児用として発売することもあるため、影文字がありながら小児断片もついているという点でかなり特殊な券です。


全国各地の駅でも、身障者用の常備券を設備していた駅はそれほど多くなく、私鉄では富山地方鉄道の電鉄富山駅に設備例がありますが、国鉄での例は殆どなかったと思われます。


深川駅では、札幌への需要がそこそこあったために、敢えて設備されていたものと思われます。

コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )

津軽鉄道の通券

きっぷではありませんが、数年前の日比谷のイベントで入手した、津軽鉄道の通券です。



        

        

 

通券とは通票閉塞式とされている区間において、同一方向に続行列車を発車させる場合に、通票の代用として先発する列車に持たせる書類です。

前者が区間および発行駅を記入するもので、後者が区間と発行駅が予め印刷されているものです。

それぞれ平成81129日と平成1079日に使用されており、後者の方が後に使用されております。津軽鉄道ブースの係員さんに尋ねたところ、区間が印刷されている方が新しい様式だということでした。



通票閉塞式の区間では、通票(タブレット)がその区間を走行するための通行手形の代わりになり、通票を持っている列車しかその区間を走行することはできません。しかし、同じ方向に2本、3本と続行列車を走らせる必要がある場合、最初の列車が通票を持って行ってしまっては、次の列車に必要な通票がありません(通票はその区間に1個しか存在しないからです)ので走行することができません。

通券はそのような時に使用される重要な書類になります。

 


票券閉塞を行うのに必要なものは、1つの閉塞区間に1つの通票、区間の両端駅にそれぞれ1つの通券箱(合計2つ)と通券、閉塞する駅間に専用の電話線1本、そして閉塞票を用意します。閉塞票は、閉塞したときは表面、閉塞を解除した時には裏面を向けて閉塞の状態を記録します。列車閉塞区間にあり、もしくは、列車閉塞区間になしと記載します。

 


通券は通券箱という専用の箱に収められており、続行運転をする際、駅長(運転取扱者)はまず、閉塞することを次の駅に連絡して、次に通券箱に通票(タブレットの玉)を収めて鍵を開け、その箱から通券を取り出します。通券には運転区間・運転年月日・運転列車番号・通票所持列車番号・赤色で通票の穴の形を記入するようになっており、駅長(運転取扱者)は記載事項を漏れなく記入のうえ、捺印をします。

 

発行された通券は、その日のその列車にしか使用することしか出来ません。また、使用した通券は、他の列車に使用することはできません。

 


通券を持った列車が到着すると受け取った駅の駅長(運転取扱者)は通券に×印を付けた上で捺印して無効にして保管し、通券を発行した駅に電話をして閉塞を解除します。その知らせを受けた発行駅は、最後の列車に通票を持たせて発車の合図をします。

 

 

票券はきっぷではありませんが、列車を安全運行させるためのものとして大変重要なものでありますが、通票閉塞式で運転される区間の消滅と共に消えていく、絶滅危惧種的なものです。今回、大変珍しいものですので、こちらも「古紙」ということで御紹介させていただきました。

 

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 前ページ