JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
10年以上前に御紹介した券も再度御紹介しようかと思います。
古紙蒐集雑記帖
鶴見駅発行 レシート乗車券
昭和61年4月に鶴見駅で発行されたレシートみたいな海芝浦駅ゆき乗車券です。
これは、鶴見線乗換精算口で、目的地駅までの乗車券を所持していない乗客に対して発行された乗車券です。
当時は精算口に自動精算機や精算機能のついた券売機などというものはなく、掛員がレジスターのような機械を打ち込んでレシートのような精算券(出場券)を発券していましたが、やり方は全くそれと同じです。
ただ、出てくるのが精算券ではなく、乗車券として出てくるところが異なっています。
見た感じ本当にレシートみたいな様式で、国鉄全国の駅を見てもあまり例のないものと思われます。
当然ながら紙質は券売機券よりも柔らかく、鶴見駅を除いた全駅が無人である鶴見線の駅出口にある集札箱には、レシート券が丸められて突っ込まれている光景がよく見られました。
まだ硬券が健在な時代、窓口でこの券を交付されるとがっかりしたものでしたが、今となっては結構貴重だったりします。
国鉄御代田駅発行 発駅準常備券
前回、JR東日本御代田駅発行の発駅準常備券を御紹介いたしましたが、今回は国鉄時代の御代田駅で発行された発駅準常備券を御紹介いたしましょう。
新潟印刷場で調製されたもので、JRのものと同じく、発駅は軽井沢駅・中軽井沢駅・小諸駅となっています。
どうやら、前回御紹介いたしましたものと同じ口座のようで、JR化後もそのまま継続して設備されていたようです。
2枚を並べてみますと、JRのものは東京印刷場の調製となっていますので様式に違いがありますが、内容は運賃を除いて同じようです。
どちらも、設備記号が「え」になっておりますが、東京印刷場のものが発行駅名の脇に「(え)」と表記されているのに対し、新潟印刷場のものは着駅名脇に記載されています。「東京山手線内ゆきえ」と読めてしまい、少々わかりづらい表記です。
JR御代田駅発行 発駅準常備券
現在はしなの鉄道になってしまった、信越線御代田駅発行の、東京山手線内ゆき発駅準常備券です。
御代田駅発行の他駅発の東京山手線内ゆき乗車券として設備されたものですが、同駅で東京までの乗車券を購入する旅客に、特急停車駅である軽井沢駅・中軽井沢駅・小諸駅発の乗車券を求める需要がそこそこあったと推察されます。
しかし、御代田駅は大きな駅ではありませんから、これらすべてを個別の口座として設備するほどの需要が見込めなかったのでしょう、無駄な口座を増やさないためにこれらを1口座に纏めてしまったというものです。
着駅が最下段となる着駅準常備券はよく見かけますが、以前、切符コレクターの大先輩から「発駅準常備券を見つけたら躊躇わず買え」と教えられたことがあるくらい、発駅が最下段となる発駅準常備券となるとかなり希少な存在となるようです。
実際、JRになってからの発駅準常備券は、私は他の例を知りません。
今ではマルスやPOS端末でいくらでも他駅発の乗車券を発券することが可能ですから、今後お目にかかれる機会はほぼなさそうです。
東海交通事業城北線 整理券
東海交通事業城北線の整理券です。
通常の整理券のイメージですと、大きく乗車駅名もしくは整理券番号が印字されているものが主流ですが、ここの整理券には乗車駅名の他に、そこからの運賃が印字されています。
この様式ですと、支払うべき運賃が一目瞭然であり、電光式の運賃表を車内に掲示する必要性もなく、個人的にはこんなに合理的な整理券は他にはないように思います。
尤も、駅数が多い路線には向きませんが、同線のように駅数がさほど多くない路線には画期的です。
総武流山電鉄 平和台から110円区間
総武流山電鉄(現・流鉄)平和台駅発行の110円区間両矢印式硬券乗車券です。
同線には各駅に硬券が設備されており、起終点の馬橋駅と流山駅のものは相互式券のみですが、途中駅にはこのような両矢印式の券も存在します。
この券ですが、実は重大な印刷ミスを犯したミス券となっておりますので御紹介いたしましょう。
表面については特に問題はないと思われますが、裏面にミスがあります。
裏面です。
購入した時には運賃改定後で120円に変更された後ですので賃改印が捺されていて見づらいですが、運賃の表記に重大なミスがありました。
運賃表記の部分を拡大しました。
本来であれば110円と印刷されていなければならないのですが、なぜか60円と印刷されてしまっています。
確かに運賃変更には間違いないのですが、賃改印と駅名小印が捺印され、ボールペンで「110」と訂正されています。
はまかぜ 特急券
南武支線川崎新町駅で発行された、はまかぜ号の特急券です。
所用で大阪方面に行くこととなったので、キハ181系気動車による東海道・山陽本線を120キロという高速運転を体験したくて短区間ですが乗車しました。
せっかくの体験乗車だったので、敢えてマルス券ではなく、料補の特急券とするため、確実に料補を入手できる川崎新町駅で指定を取りました。
(キハ181系はまかぜ)
大阪駅から姫路駅までは約1時間の道のりですが、本線区間を全力疾走するキハ181系気動車は、DML30HSCエンジンを全開に回し、エンジン音高らかで印象的でした。
キハ181系気動車は製造されてから40年が経過し、もはや老朽化には勝つことができないようで、後継のキハ189系気動車にその任を譲る日もそう遠くはないようです。
(中)大久保駅発行 金額式乗車券
昭和52年1月に中央本線大久保駅で発行された、金額式硬券乗車券です。
大久保駅は、東京都内にある中央線の駅の他に、兵庫県明石市にある山陽本線と秋田県潟上市にある奥羽本線にも存在し、JR駅としては3駅あります。
そのため、間違いを防止するため、中央本線の大久保駅は「(中)大久保」、山陽本線の大久保駅は「(陽)大久保」、奥羽本線の大久保駅は「(奥)大久保」と、各線名を括弧書きで添えてそれぞれ表記されています。
今回御紹介の中央本線大久保駅の場合、上の例によって発駅名が「(中)大久保」と表記されていますが、発行駅名には線名表示が付いていません。
昭和50年6月に発行された券売機券を見てみますと、括弧書きの表示はなく、ただ「大久保」と表記されています。
本来であれば線名を付記するべきなのでしょうが、券売機券は近距離用が前提なので、615.1㎞離れた山陽本線大久保駅や591.7㎞離れた奥羽本線大久保駅と区別する必要がなく、むしろ、線名が頭についていた方が字数が多くなり、大量の乗車券を捌く改札業務に支障が出てくるために敢えて省略していたのかもしれません。
国鉄バス ブルー号
国鉄ハイウエイバスブルー号の乗車券です。
これは鉄道100年を記念して作成された、硬券見本帳に収録されているものです。
「ブルー号」というのはあまり聞きなれない便名です。
調べてみますと、ブルー号は昭和46年10月に昼行季節便として東京駅~名古屋駅間に設定された便だそうですが、昭和49年4月には運行休止されてしまっているようです。
この記事は、菅沼天虎様のブログ「菅沼天虎の紙屑談義」4月18日エントリーの「国鉄東名ハイウェイバス 東京→名古屋 ブルー号」にトラックバックさせていただきました。
小湊鐵道 第一種車内補充券
JRとの連絡運輸範囲縮小やSuicaの台頭で出番はかなり少なくなっているようで、相当な期間増刷をしていないのか、発行日欄の年号は「昭和」です。
さすがに等級表示まではないですが、裏面の案内文には可部線の中島駅~小河内駅(廃駅)がまだ広島市内に編入されていない記述がありますので、年代が感じられます。
この券はいったいいつの時点で印刷され、以後、旅客に対して何十年間違った案内をし続けてきたんでしょうか?
さようなら中央線201系 H4編成 富士急行河口湖 乗車票
昭和54年8月に営業運転を開始した中央線の201系電車もカウントダウンの時を迎え、本日よりさよなら運転の一環として、びゅう企画商品である「さようなら中央線201系 H4編成 富士急行河口湖」号が運転されました。
201系電車H4編成 (2010.2 荻窪駅にて)
列車は往路三鷹駅4番線を11時32分に出発し、途中の相模湖駅と大月駅でそれぞれ13分のトイレ休憩を経て、13時21分に富士急行線の河口湖駅に到着します。
復路は河口湖駅を16時00分に出発し、往路同様にトイレ休憩を取りながら、三鷹駅4番線に18時56分に到着します。
201系電車は通勤型電車のため車内にトイレの設備がなく、途中でトイレ休憩のための停車をします。通常であればこのような長距離運行の際にトイレ設備のない車両を使用することはありませんが、今回は走行車両指定である特別列車である特殊な事情によるものです。
参加者には、車内で「さよなら中央線201系特製弁当」と記念乗車証が配布されました。
では、この列車に乗車する際に必要なバウチャー類を御紹介しましょう。
まずは会員券です。
これは企画旅行のために発券されるバウチャー類の表紙のようなものです。
次は、上が往路用、下が復路用の○契乗車票です。
○契乗車票は乗車券に相当するものと解釈してよろしいかと思います。
今回の列車は三鷹駅~河口湖駅間ですが、途中の大月駅~河口湖駅間は富士急行線であるため、一葉にJR乗車票の発券が出来ないということで、富士急行線区間についてはバウチャー券として別途船車券が発券されています。
上が往路用、下が復路用の富士急行線内のバウチャー券です。
最後は食事用のバウチャー券です。
車内で配られる弁当の引換券となっており、車内で弁当と引き換えに回収されます。
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