JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
10年以上前に御紹介した券も再度御紹介しようかと思います。
古紙蒐集雑記帖
富士急行 鉄道乗務区乗務員発行 車内補充券(連絡線用)
前回エントリーで、富士急行の鉄道乗務区乗務員が発行した、自社線完結用の車内補充券を御紹介いたしましたので、今回は連絡線用の車内補充券を御紹介いたしましょう。
2008(平成20)年3月に富士急行の鉄道乗務区乗務員が発行した、連絡線用の車内補充券です。
青色PJRてつだう地紋の地図式補充券(図補)で、自社線完結用同様に概算鋏でせん孔して発券されるものです。
同社では、自社線完結の乗車券を発券する際には前回エントリーの自社線完結用の図補を使用しますが、連絡線用の乗車券を発券する際にはこちらの図補が使用されていました。
自社線からの連絡乗車券としての他、御紹介もののように、自社線の乗車券を所持している乗客にも対応出来るよう、JR東日本線との接続駅である大月駅発限定で、JR東日本線のみの乗車券として発行することが可能です。
自社線の地図は一番下に印刷され、上には同社からの普通旅客の連絡運輸区間がすべて網羅されています。
裏面です。ご案内文の他、概算額収受の精算に対応することが出来るよう、精算額の記入欄が設けられています。
富士急行 鉄道乗務区乗務員発行 車内補充券(自社線用)
前回エントリーで富士山麓電気鉄道(富士急行)の端末式の車内乗車券を御紹介いたしました。
今回は、端末式券が登場する前に使用されていました、車内補充券を御紹介いたしましょう。
2008(平成20)年3月に鉄道乗務員区乗務員によって発行された、地図式補充券(図補)で、自社線内完結の乗車券用として使用されていたものです。青色PJRてつだう地紋の図補で、概算鋏によってせん孔して発券されます。
御紹介の券は富士吉田駅が富士山駅に改称されてからのもので、一番末期の様式になります。
裏面です。ご案内文が印刷されています。
富士山麓電気鉄道 乗務員区発行 車内乗車券
2022(令和4)年4月に、富士山麓電気鉄道乗務員区乗務員によって発行された車内乗車券です。
桃色PJRてつだう地紋のレシート式券になっています。
様式は分社化前のままになっていて、親会社である「富士急行」の表記になっています。
同社では大月駅・都留文科大学前駅・下吉田駅・富士山駅・富士急ハイランド駅・河口湖駅の各駅に時間限定で駅員配置のうえで出改札業務が行われていますが、その他の駅については無人駅であったり、駅員配置駅であっても窓口営業を休止したりしています。
ただし、全列車に車掌が乗務しており、車内での運賃精算業務が行われています。
同社で発券される乗車券は、専用のタブレット端末を使用して発券されるもので、車掌はタブレット端末を携帯し、別途、ベルトに付けた携帯用プリンターで発券します。
発売できる範囲はJR東日本との連絡運輸区間まで網羅しており、発売額の下に、富士急行線の運賃とJR東日本線の運賃の明細が印字されます。御紹介の券のように、富士急行線完結の場合は、JR東日本線の運賃は「0円」と表示されます。
同社では以前は地図式の図補が使用されていましたが、現在は端末発券の様式に変更されているようです。当時、発行された車掌氏によりますと、従来の補充券も乗務区には残されているようですが、端末が出てからは補充券は持たなくなったということでした。
裏面です。自動改札機を通ることが出来ない旨の注意書きが記載されています。
横浜高速鉄道 元町・中華街駅から東横線渋谷駅ゆき 片道連絡乗車券
2013(平成25)年3月に、横浜高速鉄道みなとみらい線の元町・中華街駅で発行された、横浜駅接続の東急東横線渋谷駅ゆきの片道連絡乗車券です。
若草色PJRてつどう地紋のノンカーボン式第1種特別補充券で発行されています。
同駅では本来、東横線の渋谷駅までは券売機での発売になりますが、駅の改札口で同年3月15日で終了する東横線渋谷駅(地上駅)の無効印を蒐集したいことを申し上げましたところ、「それなら」と特別補充券で発売して頂けました。
同社の特別補充券は紙質が薄く、裏が透けて見えるような感じの券で、レイアウトは小田急電鉄のものによく似ています。
裏面です。ご案内文が印刷されています。
この時に東横線渋谷駅で捺して貰った無効印です。通常の「(東横)渋谷」駅の無効印と、ハチ公図柄の「さよなら東横渋谷駅」のイラストが一体型になったゴム印で、地上駅の営業終了前の数日間、改札口に置かれていたものです。
無効印が2つ並んでいるような体裁なので、大きさ的にかなりの大きさになりますので、通常の券売機券に捺すと、ちょっと目一杯な感じがします。
東京急行電鉄 雪が谷大塚乗務区乗務員発行 車内補充券
購入年は失念してしまいましたが、管理人が会社業務の近距離出張の時に購入したので、平成2年から3年くらいの間であったと思います。
東京急行電鉄(現・東急電鉄)池上線の車内で購入した、雪が谷大塚乗務区乗務員発行の車内補充券です。
桃色PJRてつどう地紋の図補で、概算鋏でせん孔して発券するタイプになります。
当時何回か業務で同区間を利用していたのですが、あるとき車掌さんが他のお客様の乗車券の車内精算をしているのを見て、「次の機会」に挑戦したものです。
まだ自分は社会人になったばかりのころで、上司に同行での乗車でしたので、上司の話を聞いている「フリ」をして精算しているのを見つめていたものです。通勤電車の車内で車掌さんが概算鋏を使って車内補充券にパチパチ鋏を入れている姿は、きっぷ蒐集家としてはたまらないものでした。そして、やっと一人で行動することになったとき、わざと本来は110円である区間なのに最短の90円の乗車券を購入し、車内で20円を精算して購入したものです。
いまでは首都圏の大手私鉄各線では、東武鉄道を除いて車内精算はしていないようです。おそらくIC乗車券の発達と省力化といったところが理由でしょう。
京王電鉄 吉祥寺駅発行 新宿経由 吉祥寺駅ゆき 片道乗車券
2012(平成24)年5月に、京王電鉄井の頭線の吉祥寺駅で発行された、新宿駅接続のJR吉祥寺駅ゆきの片道連絡乗車券です。
鼠色KEIO自社地紋のノンカーボン式特別補充券での発行になります。
乗車経路は京王吉祥寺~(京王井の頭線)~明大前~(京王本線)~新宿~(JR中央線)~JR吉祥寺という一周の経路になります。
同社では新宿駅・吉祥寺駅・分倍河原駅・渋谷駅の各駅(高尾駅は廃止)でJR線との連絡運輸が行われていますが、接続駅毎に連絡対象駅(社線側の運賃設定駅)が定められており、すべての同社駅でJRの4駅での連絡運輸が行われている訳ではありません。
例えば井の頭線の管内発では神泉駅~東松原間各駅に限られるため、吉祥寺駅では発売できません。ただし、JR線側からですと、例えば山手線の恵比寿駅で渋谷駅接続の東松原駅までの連絡乗車券を購入して乗り越してしまえば、吉祥寺駅までの乗車は可能かと思われますが、特段意味はありません。
御紹介の券は、吉祥寺駅から当時は連絡運輸が取り扱われていました新宿駅を経由してJR吉祥寺駅までの乗車券になりますが、吉祥寺駅の券売機にはJR連絡乗車券口座に渋谷駅はあるものの新宿駅の設定が無いため、窓口での購入ということになりました。
裏面のご案内文です。京王の特別補充券は、かなり以前のご案内文が使用されています。
現在では連絡乗車券そのものの発売範囲が小さくなっており、駅によっては乗継割引設定区間など、連絡乗車券を発売しなければならない区間に限られている場合が多く、実際に新宿駅接続の連絡乗車券についても京王本線の初台駅~笹塚駅間の各駅に限られてしまっていることから、このような連絡乗車券の発売はなくなっています。
西武鉄道 武蔵境駅発行 新小金井駅ゆき片道乗車券
JR東日本との改札分離後の2006(平成18)年に、西武鉄道多摩川線の武蔵境駅で発行された、新小金井駅ゆきの片道乗車券です。
若草色せいぶてつどう自社地紋の特別補充券で発行されています。
同社では現在は特別補充券の発行はかなり厳格になっているようですが、当時はまださほど厳しくは無く、窓口が混んでいなければ改札が分離した記念ムードで発券して頂くことが可能でした。
御紹介の様式は自社地紋券としては末期の様式で、事由欄に片道券・往復券・特急券の文字が予め印刷され、また、指定欄に特急列車名が印刷されているなど、独自の様式になっています。
裏面です。同社の特別補充券はJRの東京近郊区間に限定された内容のご案内文になっています。
日立運輸東京モノレール 乗務区発行車内補充券
発行年月の記載がありませんが、1973(昭和48)年4月に、日立運輸東京モノレール(現・東京モノレール)の乗務区乗務員が発行した車内補充券です。
若草色TMKとうきょうモノレール自社地紋の駅名式券で、概算鋏でせん孔して発券する様式です。
当時は羽田整備場(現・整備場)駅が朝夕以外は無人駅であったことから、同駅から乗車した旅客へ発売するため、車掌が車内補充券を所持していました。
御紹介の券は羽田整備場駅から羽田駅(廃止駅)までの区間を乗車した際に購入したもので、羽田駅でそのままの状態で貰ってきたものです。
券面は、日付欄や記事欄、領収欄などに大きく場所が割かれており、乗車区間については下の2行だけといった独特な様式で、駅名の表記についても羽田整備場駅が「整備場」、流通センター駅が「流セ」、大井競馬場前駅が「大井」、モノレール浜松町駅が「◯モ浜」と思いっきり省略されています。
裏面です。簡素な「(ご注意)」表記があり、その下に精算欄があります。
同社では車掌がいつ頃まで車内補充券を所持していたかは不明ですが、現在ではワンマン運転が実施されており、車内補充券は日立グループからJR東日本グループに移管される以前に設備廃止になっているものと思われます。
箱根登山鉄道 鋼索線車内券 小児用券
前回エントリーで箱根登山鉄道鋼索線(箱根登山ケーブルカー)の大人用車内券を御紹介いたしましたが、同線には小児用券もございました。
大人用券と同時に購入した小児用券です。白色無地紋の千切り式軟券ですが、大人用と様式は同一ではありますが、ロットは一世代前のもののようで、紙質が若干茶色く、厚みも薄いようです。
再掲いたしますが、大人用券です。紙質や活字が異なっていることが分かります。
裏面です。大人券同様に券番しかありませんが、券番の活字は大人用のものとかなり異なります。
再掲いたしますが、大人用券の裏面です。
箱根登山鉄道は、2024(令和6)年4月付けで同社を存続会社として小田急箱根ホールディングス・箱根登山鉄道・箱根観光船・箱根施設開発の4社を合併し、社名を「小田急箱根」に変更しています。株主は小田急電鉄で、同社の100%子会社になります。合併後のおもな事業は鉄道業・鋼索業・索道業・船舶業・不動産業および温泉・遊園地業になり、箱根登山バスは小田急箱根の100%子会社として存続しています。
小田急箱根ホールディングスは(旧)箱根登山鉄道の名称で設立されましたが、2004(平成16)年に同社の持株会社制への移行に伴って社名が変更され、同社の子会社として設立された(新)箱根登山鉄道が鉄道事業を引き継いでいました。
今回、社名が小田急箱根に変更されたことで、「箱根登山鉄道」の名称は法人名としては無くなったことになります。
箱根登山鉄道 鋼索線車内券
日付がありませんが、平成10年代に箱根登山鉄道鋼索線(箱根登山ケーブルカー。現・小田急箱根鋼索線)の車内で発行された80円区間用車内券です。
白色無地紋の千切り軟券で、発駅を概算鋏で穴開けして発行します。発行日の欄はありません。
箱根登山鉄道鋼索線は、下から箱根登山電車の強羅駅を起点として、公園下駅・公園上駅・中強羅駅・上強羅駅・早雲山駅と、日本の鋼索線のなかでも駅数が6駅あり、中間駅の駅数が多いのが特徴の路線です。単線2編成交走式で、現在では各2両編成の車両が運転され、輸送力の大きさも特徴です。
御紹介の券が発行された時は車両が更新される前で、まだ1両編成の車両になっておりました。
この券は乗務員が持っており、強羅駅と早雲山駅は有人駅ですが、途中駅はすべて無人駅であることから、途中駅から乗車した旅客に対して発売されます。
裏面です。券番が印刷されています。
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