趣味で蒐集した「きっぷ」を見て考えたこと、とか…
JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
古紙蒐集雑記帖
JR九州 ◯自 博多から150円区間ゆき 片道乗車券
日付が見づらいですが、1989(平成元)年8月にJR九州自動車事業部(JR九州バス)の、◯自 博多駅(博多バスターミナル)で発行された150円区間ゆきの片道乗車券です。
桃色JRK地紋のB型金額式大人専用券で、門司印刷場で調製されたものです。
裏面です。券番の他に、料金機内で裏返しに着地してしまった場合の対策として、運賃額である「150」の文字が大きく印刷されています。
この頃はまだ各地のバス券売所(案内所)では硬券乗車券を発売しているところが多く、実際にはそのようなことはありませんでしたが、管理人のコレクター仲間の間では「意外とバスの方が遅くまで硬券残るんじゃない?」などという話をしていたこともありました。
この券が発行された時のJR九州バスは、国鉄民営化の際にJR九州の自動車事業部として承継されていましたが、2001(平成13)年に自動車事業部がJR九州の子会社化されてジェイアール九州バスとなり、現在はJR九州バスに商号変更されています。
JRバス関東 館山駅発行 小塚大師ゆき片道乗車券
2015(平成27)年の1月にJRバス関東館山支店管内の ◯自 館山駅(館山駅高速バスきっぷうりば)で発行された、館山駅から小塚大師ゆきの往復乗車券です。
桃色JRB地紋のD型大人専用券で、関東交通印刷で調製されたものと思われます。
スタイル的には一般的な硬券式の往復乗車券のような感じですが、往路用と復路用の双方に「発売当日限り有効 下車前途無効」の文言と発行箇所名、片道運賃の記載があり、かなり独特な様式になっています。
裏面です。裏面をみると分かるように、表面には往路用と復路用の間に切取用の波線が入れられていますが、券紙には切り取り用の点線は入れられておらず、実使用の際に往路用を乗務員が回収するために切り取ることは難しいです。
この券は関東厄除三大師随一の霊場である、館山市内にある小塚大師さまの開創1200年記念大祭のため、ジェイアールバス関東では臨時バスの運行をした際に「小塚大師の開創1200年記念乗車券」として発売されたもので、通常発売の乗車券ではありません。
もともと、小塚大師さまへ参拝に交通機関で行くには、JR内房線の館山駅でジェイアールバス関東南房州本線のバスに乗換えて25分のところにあります犬石停留所から徒歩30分という道のりで、交通の便は良くありませんが、毎年1月21日の「初大師」の日のみ、小塚大師直通の臨時バスが運行されています。
ジェイアールバス関東 〇簡 草津温泉駅発行 殺生河原ゆき片道乗車券
平成4年9月にジェイアールバス関東「〇簡」草津温泉駅で発行された、殺生河原ゆきの片道乗車券です。
青色JRE地紋の軟券式券です。
この券が設備された当時はちょうど硬券が廃止されて軟券に設備移行されていた頃であったと記憶していますが、同駅は平成3年7月頃のことであったと思います。
硬券から軟券化された際には硬券の様式を踏襲した常備軟券が設備されたものが殆どでしたが、この券は風変わりなクーポン券様式で設備されています。
この様式は草津管内では他にも使用されていたものを見かけたことがありますが、西武観光バスや草軽交通バスなどの他事業者が共同運行している路線で使用され、右側の券片が「乗継券」や「通過票」となっており、他事業者のバスに乗車したときはそれらの券片が回収され、事業者間の運賃決済のために使用されているものであったかと記憶しています。
しかしこの券の場合、通過票のようなものはなく、右側にある空白の券片は全く意味のないものになってしまっています。
参考までに、以前御紹介したかと思いますが、同駅で発行されていた白根火山ゆきの相互式券です。
この様式で充分かと思いますが、かつて同路線が湯田中駅まで運行されていた頃のまま、何らかの理由でクーポン式となってしまった可能性があります。
この路線は志賀草津高原線として今でも運行されておりますが、かつては湯田中駅まで運行されていたためにこのような路線名になっています。平成2年頃に白根火山駅~湯田中駅間が部分廃止され、現在では草津温泉駅~殺生河原停留場~白根火山駅の路線として現存しています。
ただし、白根火山噴火警戒レベルの引き上げにより、今は当面の間運行を見合わせているようです。
ジェイアールバス東北「〇自」青森駅発行 バス指定券
前回エントリーでJR東日本時代の「〇自」青森駅で発行されたバス指定券を御紹介いたしましたので、購入箇所は違いますが、それから約6年後の平成5年10月に購入したバス指定券がありましたので御紹介いたしましょう。
平成5年10月に十和田南営業所で発行された、「とわだこ」号のバス指定券です。桃色JRB地紋のA型千切り軟券となっています。
様式としては前回エントリーの硬券のバス指定券と似ていますが、裏面にあったご案内文が表面に移動し、図示いたしませんが、裏面は券番のみとなっています。
とわだこ号は十和田南線盛岡駅から十和田湖間を走る季節運行の高速バスで、JRバスの他に岩手県北自動車と秋北バス・岩手県交通の共同運行となっていましたが、平成14年に秋北バスが撤退し、平成18年にJRバスと岩手県交通が撤退したため、現在では岩手県北自動車のみでの運行となっているようです。
この券を購入した十和田南営業所は花輪線十和田南駅にありましたが、平成15年に十和田南線が廃止された時に同時に廃止されてしまっています。
JR東日本「〇自」青森駅発行 バス指定券
昭和62年9月にJR東日本「〇自」青森駅で発行されたバス指定券です。
若草色こくてつ地紋の過渡期のA型大人専用券で、東京印刷場で調製されたものです。
当時、青森駅前にあった案内所のような出札窓口で購入しました。
この頃はまだ現在のような待合所のようなものではなく、掘建て小屋のような窓口だったような気がします。
裏面です。
この券はあくまでも指定券ですので、別途乗車券が必要である旨の記載があります。
「みずうみ」号は青森駅から十和田湖駅(共に自動車駅)を結ぶ便で、蔦温泉や谷地温泉・酸ヶ湯温泉・城ヶ倉温泉および三内丸山遺跡などを経由していたと記憶していますが、記憶が曖昧なのではっきりしませんが、もしかすると現在とはルートが異なっているかもしれません。
同線は現在ではジェイアールバス東北というJR東日本から分社化した会社となっていますが、当時は国鉄分割民営化によって国鉄東北地方自動車部が東日本旅客鉄道(JR東日本)東北自動車部となり、「JR東日本バス」と呼ばれる、JR東日本直営のバス部門でした。そのため、JR東日本を示す「ロ東」の符号が左上にあります。
西日本ジェイアールバス 〇自金沢駅発行 武蔵ヶ辻から香林坊ゆき片道乗車券
平成28年9月に、西日本ジェイアールバス 〇自金沢駅で発行された、名金線武蔵ヶ辻から香林坊ゆきの片道乗車券です。武蔵ヶ辻から香林坊ゆきの片道乗車券です。
青色JRW地紋の補片(補充片道乗車券)で、発駅も記入する必要のある「記補片」です。
様式としては国鉄時代から継承されたままで、鉄道用の補片が使用されています。
本家のJR西日本管内では、様式は残っているかも知れませんが、基本的に乗車券は補片の他に出札補充券で事足りてしまうので、様式としては絶滅危惧種であると思われます。
裏面です。
ご案内文は国鉄民営化直後の補充券に記載されているような内容ですが、現在では鉄道線との普通旅客の連絡運輸は廃止されてしまっているため、意味を成すものではなくなってしまっています。
ジェイアールバス関東 〇簡草津温泉駅発行 白根火山ゆき片道乗車券2態
平成3年7月に〇簡草津温泉駅で発行された、白根火山ゆきの片道乗車券です。
桃色JRE地紋のB型相互式大人・小児用券で、東京印刷場で調製されたものです。
同区間の乗車券は2006年12月4日拙ブログエントリーの「JRバス草津温泉駅の鉄道連絡乗車券」で御紹介させていただいておりましたが、様式の異なる券が出て参りましたので再度御紹介いたしました。
以前御紹介させていただいた様式の券です。
こちらは青色JRE地紋のA型相互式大人・小児用券で、千切り軟券となっています。
当時、草津温泉駅は出札業務を受託している草津温泉バスターミナルの受託先がジェイアールバス関東ではなくJR東日本であったことから、同駅はJR東日本の簡易委託駅となっており、券面左上には「ロ東」の符号と「〇ム」表示、発行箇所の左側には「〇簡」の記号が記載されていました。
上の硬券が平成3年7月発行で下の千切り軟券が平成4年7月発行であることから、この1年間の間に硬券が廃止されて軟券化されたことが推測されます。
JRバス浅間白根火山線の普通乗車券の有効日数は2日間となるため、これらの乗車券は「発売日共2日間有効」が正当ですが、硬券時代の券は「発売当日限り有効」となっており、恐らくミス券であると思われます。
本来であれば「発売日共2日間有効」であっても桃色地紋のB型券であったものが、軟券化された後の千切り常備軟券では青色地紋券となっています。
これは2日間有効となることから青色地紋となったものと思われますが、JR東日本には青色地紋の常備軟券の相互式片道乗車券というものは他に例がありませんので、かなり特殊な様式の券であったものと言えます。
中国ジェイアールバス 〇自 出雲市駅発行 神立橋ゆき片道乗車券
前回エントリーに続き、中国ジェイアールバス関連の券をもう一つ御紹介いたしましょう。
昭和63年9月に中国ジェイアールバス 〇自 出雲市駅で発行された神立橋(かんだちばし)ゆき片道乗車券です。桃色こくてつ暫定地紋のB型一般式大人・小児用券で、広島印刷場で調製されたものです。
着停留所の神立橋停留所は、出雲市駅から一畑電車の線路を渡って斐伊川に当たったところで、初乗り最遠区間となります。
まだJR民営化直後の時代の券で国鉄時代の地紋が使用されており、この券には広島印刷場で調製されたバス乗車券に表記される、鉄道線の乗車券と区別するための「JRバス経由」の文言がありません。
こちらは前回エントリーの、〇自 広島駅で発行された券です。経由欄に「JRバス経由」の文言があります。広島印刷場で調製されたバス乗車券には、国鉄時代から「国鉄バス経由」という文言が入っていましたので、この券は民営化準備の繁忙による表記漏れミスの疑いがあります。
中国ジェイアールバス はこの券が発券された年の3月に、国鉄分割民営化によって国鉄中国地方自動車局から承継されたJR西日本中国自動車事業部からバス事業を引き継いで発足したバス会社で、この券は、JR西日本中国自動車事業部時代の残券であると思われます。
同社はその後、平成12年に組織改正を行い、島根県を担当していた出雲営業所を島根支店に変更しましたが、平成15年には島根県内の路線バス事業から撤退し、同区間の路線バスは一畑バスが運行しているようです。
中国ジェイアールバス 〇自 広島駅発行 広島センターゆき片道乗車券
平成元年10月に、中国ジェイアールバス〇自 広島(幹)駅で発行された、広島センターゆきの片道乗車券です。
桃色JRW地紋のB型一般式大人・小児用券で、広島印刷場で調製されたものです。
発行箇所である「〇自 広島(幹)駅」はJR広島駅の新幹線口にある中国ジェイアールバスワロートラベル広島店の前身となるものと思われます。
国鉄時代より存在した窓口で、鉄道の指定券類を購入すると、マルス端末が設備されていなかったため、出札補充券での発売となっていた記憶があります。
着駅の広島センターは市内の中心部の本通にあるバスターミナルで、正式には「広島バスセンター」というところです。
裏面です。料金機対応として金額のみが印刷されており、発駅の表記はありません。
中国ジェイアールバスは日本国有鉄道中国地方自動車部を前身とするバス会社で、岡山県・広島県・山口県の3県で一般路線バスを運行し、島根県・山口県を含む5県をを拠点として各地に高速路線バスを運行しています。
一般路線バスは路線の統廃合・他社移管を進め、広島・東広島・山口・周防の3支店1支所の管内に集約されてしまっているようです。大規模な再編によって、島根県から全面撤退、岡山県もスクールバス1系統のみとなり、実態として一般路線系統からは撤退してしまっています。
西日本ジェイアールバス 「〇自」金沢駅発行 武蔵ヶ辻から香林坊ゆき片道乗車券
平成28年9月に、西日本ジェイアールバス「〇自」金沢駅で発行された、香林坊ゆきの片道乗車券です。
若草色JRB地紋のノンカーボン式出札補充券で発売されています。今回発券されたような一般路線バス路線の他、高速バスなどに使用できるようになっています。
「〇自」金沢駅はJR金沢駅構内にある自動車駅で、同社ホームページでは金沢バスチケットセンターと案内されています。
この券は途中の武蔵ヶ辻停留所から香林坊停留所までの区間用として発券していただきました。同区間はJRバス名金線の途中区間ですが、金沢駅と金沢市街地のお買いものスポット間については100円で乗車できるため、大人用乗車券ですが、運賃は100円となっています。
裏面です。
ご案内文が印刷されています。文面はバスに特化している内容となっています。
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