趣味で蒐集した「きっぷ」を見て考えたこと、とか…
JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
古紙蒐集雑記帖
箱根ロープウェイ 桃源台駅発行 新宿ゆき連絡乗車券
1989(平成元)年1月、箱根ロープウェイ桃源台駅で発行された、新宿(小田急新宿)ゆきの片道連絡乗車券です。
青色JPRてつどう地紋のB型一般式大人・小児用券で、シンコー印刷で調製されたものと思われます。
経由欄には「箱根登山・小田急経由」と記載されており、乗車経路は、桃源台~(箱根ロープウェイ)~早雲山~(箱根登山鉄道鋼索線)~強羅~(箱根登山鉄道鉄道線)~小田原~(小田急電鉄小田原線)~新宿というもので、3線連絡の乗車券ということになります。
有効期間は発売日共2日間となっておりますが、これは当時、箱根登山鉄道の乗車券が近距離であっても有効期間2日間であったことからそのようになっているものと思われます。
裏面です。発行事業者である「(箱根ロープウェイ)」が記載され、その上には途中下車が可能である旨が記載されています。
JR東日本 千葉みなと駅発行 普通入場券
前回エントリーで、1987(平成元)年にJR東日本京葉線の千葉港(現。千葉みなと)駅で発行された普通入場券を御紹介いたしました。通常発売されたものではございませんが、千葉みなと駅となってから発行された普通入場券が手元にございましたので御紹介致しましょう。
2009(平成21)年2月に千葉みなと駅で発行された普通入場券です。白色無地紋のB型大人・小児用券で、入場時刻から2時間以内の制限が記載された様式になります。
これは通常発売では存在しなかった様式で、当時、JR千葉支社管内でSL列車が運転された際に発売された記念入場券のうちの1枚になります。
もし、1992(平成4年)3月に千葉みなと駅が改称された後も硬券の普通入場券が通常発売されていれば、このような感じの券が通常発売されていたかも知れませんね。
JR東日本 千葉港駅発行 普通入場券
1989(平成元)年8月に、JR東日本京葉線の千葉港(現・千葉みなと)駅で発行された普通入場券です。
白色無地紋のB型大人・小児用券で、東京印刷場で調製されたものです。
同駅は国鉄時代の1986(昭和61)年3月、京葉線の千葉港駅として開業した駅で、「ちばこう」駅ではなく、「ちばみなと」駅と読みます。しかし、一般的に「千葉港」は東京湾に位置する国際重要拠点港湾のひとつである「千葉港(ちばこう)」が一般的に知られており、かなりの旅客が「ちばこう」駅と読んだようです。
そのため、国鉄では駅名票や電車の方向幕などの表記を「千葉みなと」と記載して誤読を防止していました。
その後、国鉄が民営化された後、1992(平成4)年3月、同駅は千葉みなと駅に改称され、現在に至っています。
南仙台駅発行 仙台から上野まで 新幹線指定席特急券
1985(昭和60)年6月に、東北本線南仙台駅で発行された、仙台から上野までの新幹線指定席特急券です。
若草色こくてつ地紋のD型大人・小児用券で、東京印刷場で調製されたものです。
様式的には前回エントリーの新潟印刷場で調製された燕駅で発行されたものと同一ですが、印刷場の違いにより、活字や発行駅名の印刷の位置などが異なっています
。
裏面です。
こちらも新潟印刷場のものと同一ですが、新潟印刷場のものには1本目の列車の乗車駅名の印刷がありませんが、東京印刷場のものには乗車駅名が印刷されています。
新潟印刷場のものを再掲いたしました。東京印刷場のものは「仙台」と印刷されていますが、新潟印刷場のものは印刷が無く、罫線のような横黒線も引かれておりません。
燕駅発行 燕三条から上野まで 新幹線指定席特急券
1985(昭和60)年6月に、弥彦線燕駅で発行された、燕三条から上野までの新幹線指定席特急券です。
若草色こくてつ地紋のD型大人・小児用券で、新潟印刷場で調製されたものです。
硬券の新幹線指定席特急券は改札口を出場しないで複数列車を乗り継ぐことに対応するためでしょうか、1975(昭和50)年3月の新幹線博多開業時の時の様式改定で列車および座席指定欄が裏面に移り、表面は乗車区間などの最小限の情報しかありません。
裏面です。
窓口氏が何を勘違いしてしまったのか乗車日を書き損じていますが、駅名小印を捺印して訂正してあります。
当時の燕駅は新潟交通電車線との接続駅でしたが「みどりの窓口」は置かれておらず、指定券類の発券はマルス端末のある燕三条駅に電話で問い合わせの上行われていました。
その後、民営化後の1990(平成2)年12月にみどりの窓口が開設され、硬券での指定券類の発券は行われなくなっています。
JR東日本 三厩から180円区間ゆき 片道乗車券
1987(昭和62)年9月に、JR東日本津軽線の終着駅である三厩駅で発行された、三厩から180円区間ゆきの片道乗車券です。
桃色JRE地紋のB型金額式大人・小児用券で、東京印刷場で調製されたものです。
同駅は利用者数は1日平均20~25人程度の規模ではありますが、昨年(2019年)4月までは信号扱いの運転業務の関係で駅長配置の直営駅となっていましたが、現在はCTC化によって運転業務が終了したため、6月1日付けにて無人化されてしまっています。
同駅名の「厩」という漢字は御紹介の券にあります文字(厂(がんだれ)に白・匕・旡)が正しいようですが、PCなどでの字体では「厩」という字に変換され、似たような文字ですと「廐」という「广(まだれ)」の文字しか出てこないようです。
また、当時の三厩駅は「みうまや」駅と読まれていましたが、平成初期に「みんまや」駅と読み方が変わったようです。
管理人は昨年久しぶりに同駅を訪問したのですが、駅名の読み方が変わったことを知らなかったものですから、指定券発売機の五十音検索画面で「みうまや」と入力してしまい、「三厩」のキーを検索することが出来ず、面喰ってしまいました。
特別展 天空ノ鉄道物語 展示された乗車券
前回エントリーで「特別展 天空ノ鉄道物語」の来場者に配られる硬券を御紹介いたしました。
今回はここで展示されていました乗車券類の解説の内容について御紹介致しましょう。
1997(平成9)年7月に「〇交」新潟支店で発行された、新津から米原までの「急行きたぐに」号の急行券・B寝台券の一葉券です。乗車券のトップバッターとして展示されています。なぜこの券であったのかは謎ですが、昭和61年は1986年の間違いであり、この先の展示内容に興味(?)が湧きます。
展示2番目は補片2枚です。
上は国鉄民営化後のJR東日本五泉駅で発行された青色こくてつ過渡期暫定地紋の券で、下は同じくJR東日本新津駅で発行された青色JRE地紋の券になります。
こちらの説明も内容に音大があり、『国鉄時代の「62.-5.1」発行』となっており、国鉄が民営化されてJRが開業したのは昭和62年4月1日、という根本的な内容が間違ってしまっています。
展示3枚目は1989(平成元)年1月に新津駅改札で発行された改札補充券と、恐らく同じ頃と思われますが1月に新潟車掌区乗務員が発行した車内補充券です。
「無人駅から乗車した際に車内で発行」とありますが、改札補充券は車内で発行しませんし、車内補充券が発行されるのは無人駅から乗車した際に限られることはありません。
このように、内容には些か疑問が残る展示ではありますが、内容的には広く浅く展示されており、入場料2,500円は決して安い金額ではありませんが、充分に楽しめる内容になっています。
特別展 天空ノ鉄道物語 来場記念硬券
2019年12月3日(火)から本年(2020年)3月22日(日)まで、六本木ヒルズ森タワー52階で開催されています、「特別展 天空ノ鉄道物語」で来場者に配布される「なつかしの硬券」です。
桃色天空ノ鉄道物語オリジナル地紋のA型一般式大人・小児用券で関東交通印刷で調製されたものと思われます。発駅は六本木、着駅は天空駅で、六本木ヒルズが経由となっています。
入場ゲートのカウンターで入場券が渡されますが、その際に硬券が入手できます。
配布された時には日付の刻印はありませんが、入場するとすぐにダッチングマシーンが用意されており、来場者が自分で日付を刻印するようになっています。
地紋の拡大です。「天鉄」と描かれた円に「TENTETSU・てんてつ」の文字があります。
裏面です。券番や循環番号の他、主催や協賛・協力企業名が記載されています。
裏面の拡大です。
展示内容は公式ホームページをご覧いただければと思います。
ガチの鉄ヲタ諸君が満足できるような専門的なものではなく、あくまでも家族連れやカップルなどが楽しめるような内容になっておりますが、中に入ると結構楽しめます。
硬券や入場券や乗車券などの展示もありますが、これも専門的なものではなく、展示物の説明に「??」という箇所もあります。
JR東日本 仙台駅から陸前山王接続(臨)東北博覧会前駅ゆき 小児用片道連絡乗車券
前回エントリーで、JR東日本の仙台駅で発行された仙台駅から陸前山王接続(臨)東北博覧会前駅ゆきの大人専用片道連絡乗車券を御紹介いたしました。実は、大人用の他に小児用の券もございましたので御紹介致しましょう。
大人用のものと同じく、1987(昭和62)年9月にJR東日本東北本線仙台駅で発行された、仙台駅から陸前山王接続(臨)東北博覧会前駅ゆきの小児専用片道連絡乗車券です。こちらも桃色こくてつ過渡期暫定地紋のA型矢印式券となっております。
大人用同様、本口座はマルス端末に収容されることなく硬券で常備されており、当時はネットなどで硬券の発売情報などを確認することは一般的ではない時代であり、確か「東北博覧会前までの乗車券は窓口でお求めください」という張り紙が窓口にあったために存在に気づいたと記憶しています。
仙台駅から(臨)東北博覧会前駅ゆきの乗車券が「往路用」とするならば、逆行路である(臨)東北博覧会前駅からの乗車券が「復路用」となります。
再掲いたしますが、(臨)東北博覧会前駅からの乗車券は陸前山王駅からのJR東日本会社線の記載が金額式となり、小児断片がある点が異なっておりますが、これは、仙台臨海鉄道内の着駅が(臨)東北博覧会前駅ひとつであるのに対し、JR線内の着駅が複数存在することから、同じ運賃の口座を纏めるために金額式となったものと推測されます。
JR東日本 仙台駅から陸前山王接続(臨)東北博覧会前駅ゆき 片道連絡乗車券
前回および前々回エントリーで仙台臨海鉄道関連の乗車券を御紹介いたしました。
以前御紹介したと記憶しておりますが、ここで改めて、JR東日本側で発売した、仙台臨海鉄道への連絡乗車券を御紹介致しましょう。
1987(昭和62)年9月にJR東日本東北本線の仙台駅で発売された、陸前山王駅接続の(臨)東北博覧会前駅ゆき片道連絡乗車券です。
桃色こくてつ過渡期暫定地紋のA型矢印式大人専用券で、東京印刷場で調製されたものです。東京印刷場で調製された硬券の様式の中で、このような様式の券は通常ではありませんので、今回の口座のため、特殊な様式が採用されたものと思われます。
当時、仙台駅の出札窓口はマルス端末が設備されて硬券乗車券の通常発売は行われていなかったと記憶しておりますが、仙台臨海鉄道への連絡乗車券はマルス端末に収納されていなかったようで、硬券での発売が行われていました。
大人専用券となっていますが、これは小児断片による売上精算事務の煩雑さを避けるためではないかと推測されます。
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