JR東日本 NREの検札印

前回エントリーでNRE発行の普通列車グリーン券を御紹介いたしましたが、今回は、事前にグリーン券を所持している旅客に対し、検札時に捺印する検札印を御紹介いたしましょう。


   


乗車前に事前購入した、横浜から東京までの普通列車グリーン券です。JR東日本管内の駅で、料金専用特別補充券(料補)で発券していただきました。平日の利用を予定していたため、「平日用」として発行されています。


乗車後、列車が駅を出発すると、アテンダントは手に車内販売の商品を入れた籠を持って車内を巡回し、まだ検札をしていない旅客に対してグリーン券の提示を求め、所持していない旅客に対しては車内料金でグリーン券を発券・発売し、既にグリーン券を所持している旅客に対しては、グリーン券に検札印を捺印します。


   


捺印された検札印です。
JR東日本の車内検札印と様式は同一ですが、下段の所属名が「NRE国府津」となっています。

前回エントリーのNREが携帯端末機で発券したグリーン券もJRでは珍しい存在ですが、NREの名前の入った検札印も珍しい存在です。


首都圏に住んでいるとこれらが珍しいものだという感覚はあまりありませんが、冷静に考えれば珍しい存在であると言えます。




コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

JR東日本 NRE発行の普通列車グリーン券

首都圏を走るJR東日本の一部の中距離列車にはグリーン車が連結されています。一般的にグリーン車には専務車掌(現在ではそのような職はないようですが。)が乗務し、グリーン車旅客に対する検札・案内等が行われていますが、これらの列車には専務車掌の乗務はなく、JR東日本グループであるNRE(日本レストランエンタプライズ)のグリーンアテンダントが乗務し、車内販売の傍ら、グリーン券の検札および車内発売の業務を行っています。


   


総武快速線574F列車車内で発行された、普通列車グリーン券です。橙色JRE地紋の携帯端末で発券されたレシート券で、発行箇所名はNRE千葉となっています。

検札時にアテンダントはグリーン券の発券および区間変更、不使用証の発行をすることができますが、契約の関係であると思われますが、乗車券の発売は行うことができません。


地方の私鉄では鉄道事業者が雇用しているアテンダントが車内補充券を発行する例はありますが、JRで、しかも業務委託している会社から派遣されているアテンダントが、自社名義の車内補充券を発券するという事象は、全国的に見ても珍しいことであると思われます。

コメント ( 6 ) | Trackback ( 0 )

井笠バス 福山から110円区間ゆき乗車券

井笠バス福山営業所(福山駅乗車券発売所)で発行された、福山から110円区間ゆき乗車券です。


   


青色PRCしせつてつだう地紋のB型券です。おそらく岡山県のシンコー印刷にて調製されたものと思われます。

シンコー印刷調製の券は大都市圏ではあまりお目にかかれないものですが、似たようなものとして、下津井電鉄で使用されているRTCてつどうじょうしゃけん地紋やBUSじどうしゃじょうしゃけん地紋となどといったものが岡山近県で使用されており、地紋は違いますが、関東の大手私鉄でも、小田急電鉄や京王帝都電鉄等で使用されていた実績があります。


   


地紋を拡大してみました。大変個性的な地紋ですが、決して井笠鉄道用というわけではなかったものと思われます。


   


裏面です。バスの乗車券であるという性格上、料金機に投入された際に裏返しになっても良いように、裏面にも金額の表記があります。


   


鉄道時代の井笠鉄道乗車券です。やはり、バスの乗車券と同じ地紋です。


井笠バスは岡山県笠岡市に本社のある、昭和46年までナローゲージの鉄道路線を持っていた井笠鉄道のバス部門で、コッペル製のSLや個性溢れる気動車が走る、典型的は軽便鉄道として有名な会社でしたが、この会社を全国的に知らしめたのは、昨年10月のNHK全国ニュースで突然報道された破綻の一報でした。

これは、10月12日の午後に流れた「井笠鉄道 破産申立へ」「10月末日限りで路線廃止」というニュースで、そのあまりに突然な第一報がNHKの全国ニュースとして駆け巡り、衝撃を与えられました。


交通事業者の経営破綻というのは決して珍しいことではありませんが、会社更生法や民事再生法といった再生型の破綻ではなく、会社清算という清算型の破綻という手法が採られており、1年以上前からの路線廃止や事業廃止を予告してではない「突然死」的な清算方法は極めて異例でした。

鉄道事業廃止以降はバス事業を主たる事業として岡山県西部から広島県東部地区の乗合バス事業を中心に行っていましたが、バス事業としては昭和56年3月期に売上高約22億円を計上していたものの、地域人口の減少、自家用車の普及により末期には収支率50%という完全自立不可能な状況に陥ってしまい、平成24年5月から事業廃止に向けて協議を開始したようです。しかし、同年8月には運転資金の欠乏から従業員への給料遅配が発生し、10月12日にバス事業の廃止の発表に至ったのが今回の顛末であったようです。


NHKのスクープ報道の日から残された時間はわずか19日、営業日ベースでは13日しかないというカウントダウン状態で会社の営業が続けられました。10月12日に中国運輸局岡山運輸支局へバス事業の廃止届を提出し、中国バス、北振バス、寄島タクシー等へ代替運行を要請し、10月31日付で全従業員を解雇するというスピード清算でした。


現在、井笠バス路線は両備グループに移管され、両備グループの井笠バスカンパニーとして再生されています。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

しなの鉄道 小諸駅硬券入場券

平成24年10月に、しなの鉄道小諸駅で発行された、硬券入場券です。


   

と言っても、これは通常発売のものではなく、開業15周年を記念して、小諸駅のみで発売されたものです。

しなの鉄道自社地紋のB型券で、日本交通印刷で調製されたものと思われます。


   


発売時にはこのような台紙がついており、記念入場券として観光客からも結構人気があるようです。


   


券の裏面です。あまり良く知りませんが、平成24年10月7日に「しなの鉄道開業15周年記念祭」というイベントが開催されたようで、その記念として発売が開始されたようです。

裏面の記載によりますと、平成25年10月31日まで使用できるようになっていますので、在庫が残っていれば、10月までは発売されていそうです。


この券の面白いと感じたところは、表面の「入場時刻から2時間以内1回限り有効」という文言です。通常入場券の時間制限を課している場合は発売時刻を始点として2時間以内としているものが殆どのように思われますが、この券の場合は入場時刻を始点としているのです。であれば、入場さえしなければ発売日1日はいつまででも有効であり、入場をすれば、そこから2時間でタイムオーバーとなるわけです。

細かいことですが、なんか変わっていませんか?

コメント ( 3 ) | Trackback ( 0 )

JR東日本 小諸駅発行 乙女ゆき乗車券

2回に亘って小諸駅発行の乙女ゆき縁起きっぷを御紹介して参りましたが、では現在はどのようになっているのでしょうか?


現在の小諸駅は長野新幹線の開業で駅業務そのものがしなの鉄道に移管され、縁起きっぷはおろか、乙女ゆきの乗車券そのものがJRから委託されている小海線用の券売機で発売されている程度になってしまっています。

ただ、駅構内にJRの乗車券売札所(旅行センター?)が細々と営業されており、そこにあるマルス端末で乙女ゆきの乗車券を購入することができます。
この窓口は1時間あたり1~2本、1日に22本の小海線列車に対する出札業務がメインですし、近距離乗車券はしなの鉄道出札口横にある券売機で購入できますので、わざわざ売札所へ乗車券を購入しに来る旅客は殆どなく、係員氏も暇そうな感じでした。なお、あくまでも小諸駅はしなの鉄道管理の駅ですので、物理的には発券が可能とのことですが、ここでJRの入場券を発券・購入することはできません。


   


小諸駅売札所内のマルスで発券された、乙女ゆきの片道乗車券です。このような姿になってしまっては、もはや「縁起きっぷ」として認知されないのでしょうか、縁起きっぷ発売のポスターはおろか、「寿」のゴム印が窓口に置かれている雰囲気もありませんでした。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )

小諸駅発行 乙女ゆき乗車券 ~その2

小諸駅の縁起きっぷネタです。


昭和57年5月に発売された、小諸から乙女ゆきの片道乗車券です。


   


前回エントリー
のものと同じ窓口で発行されたものではありますが、これは新潟印刷場時代のもので、新潟印刷場調製の桃色こくてつ地紋のB型一般式券となっています。


    (民間印刷券)


民間印刷のものと比べますと「発売当日限り有効」「下車前途無効」の文言がありませんので、大変さっぱりとした印象を受けます。
民間印刷券は昭和58年の夏ごろから出始めておりましたので、この券もその頃に切り替わったものと思われます。


   


新潟印刷場調製券の裏面です。「発売当日限り有効」「下車前途無効」の文言は裏面に印刷されており、券番は新潟印刷場で採用されていた5ケタの表記になっています。


国鉄合理化で印刷場が整理されてしまっていた時代でも、増収策の救世主と考えられていた縁起きっぷの口座は落されることなく継続されたということでしょうか?

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

小諸駅発行 乙女ゆき乗車券

昭和61年3月に信越本線小諸駅で発行された、小海線乙女駅ゆき片道乗車券です。


   


民間印刷の桃色こくてつ地紋のB型券で、一般式となっています。


乙女駅は小諸駅から2駅目の無人駅で、通常であれば金額式券として発行されるべき区間ですが、「乙女」という着駅が当時の「愛国から幸福ゆき」の縁起きっぷにあやかってか、「縁起きっぷ」として便乗発売(?)されていました。確か、「女の子が美人になりますように」的なノリで窓口に発売告知のポスターが貼られていたような記憶があります。


    


希望すれば「寿」の赤いゴム印を捺してくれました。


赤字の国鉄にとって、当時、縁起きっぷは増収策のための「藁にでもすがる」思いであったのでしょう。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )

東武鉄道 「〇北」栗橋駅発行補充往復乗車券

前回エントリで東武鉄道栗橋駅発行の補片を御紹介いたしましたが、同駅には補往(補充往復乗車券)の設備もありました。


   


補片同様幸手駅までとして発行されたもので、鼠色TRCとぶてつ地紋の軟券となっています。


補往についても発行箇所名に「〇北」の符号は付けられておりませんが、「ゆき」券には発駅の前に符号が付けられています。しかし、「かえり」券については一切符号の表記は無く、あくまでも「東武鉄道の栗橋駅まで」という表記になっています。


   


裏面です。

補片同様地下鉄日比谷線関連の表記のある独特な御案内文ですが、一般的な補往にありがちな「発駅もしくは着駅」という表現ではなく、「ゆき」券部分については着駅、「かえり」券については発駅ベースの表現と微妙に異なっており、独特さにより一層磨きがかかっています。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

東武鉄道 「〇北」栗橋駅発行補充片道乗車券

拙ブログと相互リンクを貼らせていただいております菅沼天虎さまのブログ「菅沼天虎の紙屑談義」3月22日エントリーの「(東武鉄道) 〇北 栗橋から東武線140円区間ゆき」で国鉄管理時代の同駅発行の東武線乗車券が御紹介されていますが、同時代の同駅発行の補充片道乗車券(補片)が手元にありましたので御紹介いたしましょう。


   


昭和54年4月に東武鉄道栗橋駅で、幸手駅までの片道乗車券として発行された補片です。灰色TRCとぶてつ地紋の軟券で、国鉄の補片と同じサイズとなっています。


当時の東武鉄道栗橋駅の出改札業務は国鉄に委託されていましたため、同駅発行の乗車券類には国鉄東京北鉄道管理局を示す「〇北」の符号が付けられておりました。

この券を見る限り、発駅および発行箇所名には「〇北」の符号は付けられておらず、「普通乗車券」の題字右上部分に申し訳程度に表示されています。


   


この券の裏面です。

「東京電環」の表記があるところから、昭和47年以前に設備されていたものである可能性があります。


この券の御案内文は大変特徴的で、「地下鉄線各駅までのものは、地下鉄線内で下車されますと、前途は無効です。」という記載があります。
これは、東武鉄道は路線延長が長く、乗車距離によっては自社完結であっても有効期間が2日に跨って途中下車可能のものが存在するため、直通運転が行われている営団(現・東京メトロ)日比谷線への長距離の連絡乗車券の場合、東武線内では途中下車が可能であっても、営団線内に入ってしまえば出来なくなってしまうという、東武鉄道独特の事情によるものです。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

西武鉄道 西武秩父駅発行 前売用乗車券

突然の存廃問題の浮上した西武鉄道秩父線の西武秩父駅で、平成元年5月に発行された、池袋ゆきの片道乗車券です。


   


緑色西武鉄道自社地紋のB型券で、井口印刷で調製されたと思われる矢印式券です。


現在同社では硬券の乗車券類は記念きっぷを除き廃止されておりますが、硬券健在の当時、片道乗車券は金額式券が主流であり、特急券と同時に発売する乗車券についてはこのような矢印式券が存在しておりました。

この券は発売当日の特急に乗車したために特に記載されておりませんが、特急券の関係で前売として発売された場合、区間の下にある「(急)  月  日から有効」の欄に乗車日を記入することにより、これを「から通」印として使用することができるようになっています。


   


こちらは昭和62年2月に池袋駅で発行された、西武秩父から所沢までの帰路用として発行された乗車券です。1枚目とは違って山口証券印刷調製と思われるもので、雰囲気がかなり異なっています。
この券はから通欄のところに乗車日の記載をすることにより、2月7日に発行された乗車券ですが、11日に使用することができるようになっています。


一般的に、他の事業者ではこのような「から通」欄を予め設けている硬券を発行している例は殆どなく、珍しい例であると思われます。
特に国鉄では「から通」印の管理は厳格であったと聞きますので、この温度の違いは鉄道事業者の考え方によるものと思われます。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 前ページ