趣味で蒐集した「きっぷ」を見て考えたこと、とか…
JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
古紙蒐集雑記帖
塚本駅発行 塚本から40円区間ゆき 片道乗車券
1972(昭和47)年7月に、東海道本線塚本駅で発行された、同駅から40円区間ゆきの片道乗車券です。
桃色こくてつ地紋のB型地図式大人専用券で、大阪印刷場で調製されたものです。
関西地区の地図式券は関東地区(東京印刷場)のものより線が太く、力強いイメージがあります。また、着駅の文字も関東地区のものより大きめのフォントが使用されています。
ところで、この券を見ていて、何となく違和感を感じました。
この部分です。福知山線の支線である、通称「尼崎港線」の部分ですが、終着駅の尼崎港駅の先に細い線が延びています。
同駅は1981(昭和56)年3月に旅客営業が廃止され、その後1984(昭和59)年1月に残された貨物営業も廃止されて駅そのものが廃止されてしまっていますので記憶が曖昧ですが、確か、駅構内には機廻し線や側線といったレールが複数あり、駅の先には大手貨主のガラス工場構内への専用線が伸びていたように記憶していますが、「旅客営業線」としての線路は無かったと思います。
作図担当者が、勢い余って線を引いてしまったのでしょうか?
JR東日本 目白駅から170円区間ゆき片道乗車券の乗車変更
2024(令和6)年7月に、JR東日本山手線の目白駅で発行された、同駅からJR東日本会社線170円区間ゆきの片道乗車券です。
画像は集札されてしまったために携帯のカメラで撮影したものになります。
当初は新宿駅まで行くつもりで170円区間の乗車券を購入しましたが、急に予定変更になってしまい、急遽次の高田馬場駅で降りて区間変更を申し出し、西武鉄道新宿線への乗車変更をしたものです。
JR東日本高田馬場駅の改札では、「駅に区変 ロ高田馬場」という区変印と駅名小印が一つになったゴム印が捺印され、JR線の運賃が150円であることを明記するため、「JR150円収受」と記入したうえで、取扱者印を捺印しています。
改札係員氏は、「これで大丈夫だと思いますが・・・」と言いながら、「これを持って西武線の改札口へ行って下さい」と案内されました。
今度は西武線の改札口で、区間変更で◯◯◯駅まで乗車したい旨を申し上げましたところ、西武線の改札係員氏は高田馬場からの運賃を確認し、「高田馬場から260円なので、降りる時に差額の240円をお支払いください」と案内され、改札口を通されました。
西武線の改札口では西武線高田馬場駅の入鋏印が捺印されています。恐らく、JR東日本から西武鉄道への接続駅が複数存在するため、高田馬場駅を経由したことを明確にするために捺印されたものと思われます。
目的駅では、高田馬場駅の改札係員氏から案内されたように、差額の240円を現金で支払い、無事に下車しています。
由利高原鉄道 矢島駅から西目駅ゆき 片道連絡乗車券 ~その2
3回前のエントリーで、開業初期の由利高原鉄道の矢島駅で発行された、JR東日本の西目駅ゆき片道連絡乗車券を御紹介いたしましたが、同区間の乗車券は様式は変更されていますが、現在でも発売されておりましたので御紹介いたしましょう。
2019(令和元)年8月に、由利高原鉄道矢島駅で発行された、羽後本荘駅接続のJR東日本線西目駅ゆきの片道連絡乗車券です。桃色由利高原鉄道自社地紋のA型一般式大人・小児用券で、関東交通印刷で調製されたものと思われます。
再掲いたしますが、開業初期の同区間用の片道連絡乗車券です。開業から30年以上が経過し、同社の乗車券はかなり様変わりしています。
由利高原鉄道 矢島駅から象潟駅ゆき 片道連絡乗車券
前回エントリーで、由利高原鉄道矢島駅で発行された、西目駅ゆきの片道連絡乗車券を御紹介いたしましたが、当日、もう1口座を購入しておりましたので御紹介したいと思います。
1987(昭和62)年9月に由利高原鉄道矢島駅で発行された、羽後本荘駅接続のJR東日本象潟駅ゆきの片道連絡乗車券です。桃色由利高原鉄道自社地紋のB型一般式大人・小児用券で、前回御紹介いたしました西目駅ゆきのものと同じ印刷場で調製されたもののようです。
前回御紹介いたしました西目駅のものを再掲いたします。活字の字体等は全く同一のようですが、券紙の地紋の色が極端に異なっており、同じ事業者の乗車券とは思えない出来映えになっています。
由利高原鉄道 矢島駅から西目駅ゆき 片道連絡乗車券
1987(昭和62)年9月に由利高原鉄道矢島駅で発行された、羽後本荘駅接続、JR東日本西目駅ゆきの片道連絡乗車券です。
御紹介の券は開業初期に設備されたもので、由利高原鉄道自社地紋のB型一般式大人・小児用券で、印刷場は不明ですが、地元の印刷場で調製されたのではないかと思われます。
地紋の色が濃すぎて、文字が大変よみづらいものになっています。
裏面です。券番はナンバーリングで一枚一枚刻印されています。窓口氏にお伺いしたところ、印刷場から納品されたときは券番のない「のっぺらぼう」の状態だったそうです。
JR西日本 森本駅発行 金沢駅ゆき往復乗車券
1987(昭和62)年8月に、JR西日本北陸本線(現・IRいしかわ鉄道IRいしかわ鉄道線)の森本駅で発行された、金沢駅ゆきの往復乗車券です。
桃色こくてつ過渡期地紋のA型往復券で、大阪印刷場で調製されたものです。
経由欄に「鉄道経由」と記載されている比較的珍しいもので、森本駅から金沢駅間には、国鉄時代から名金線という自動車路線が並行しており、国鉄民営化以後もJR西日本に移管されて営業されていたため、経路と区別するための経由表記であったものと思われます。
裏面です。券番と発行駅名の他、「下車前途無効」の文言になっており、自動車線に関する記述はありません。
名金線は名古屋駅から岐阜県、富山県を経由して金沢駅に至る本線と枝分かれする支線で形成された自動車路線で、国鉄民営化に伴ってJR西日本とJR東海に移管されています。
その後、JR東海に移管された部分についてはジェイアール東海バスに継承され、JR西日本に移管された部分も、御紹介の券が発行された7ヶ月半後の1988(昭和63)年4月に西日本ジェイアールバスに継承されています。
しかし、2002(平成14)年にはジェイアール東海バスが名金線を含む不採算路線から撤退することになって廃止され、岐阜乗合自動車が一部区間の代替運行を開始するようになっています。
西日本ジェイアールバスは砂子谷停留所~小又西口停留所間の支線である土山線を廃止していますが、現在でも運行されています。
御紹介の券は往路と復路共に鉄道経由の往復乗車券になっていますが、国鉄時代やJR西日本が自動車線を西日本ジェイアールバスに継承する前であれば、往路が鉄道、復路は自動車といった一周の乗車券も発行可能であったことでしょう。
JR東日本 沢井駅発行 120円区間ゆき片道乗車券
1991(平成3)年1月に、JR東日本青梅線の沢井駅で発行された、同駅から120円区間ゆきの片道乗車券です。
桃色JRE地紋のA型金額式千切り軟券で、東京印刷場で調製されたものです。
御紹介の券が発行された日は水曜日でしたが、管理駅である青梅駅の職員が出張し、乗車券の発売をしていました。おそらく、不正乗車対策として臨時窓口が開かれていたものと思われます。
入鋏は予めされておりますが、鋏痕からして、管理駅である青梅駅のものが使用されていたようです。
同駅は国鉄時代の昭和46年頃には無人化されており、この券の発売当時には、使用されてはいませんでしたが、前身である青梅鉄道時代からの駅舎が存在していました。
また、券売機は設置されておらず、乗車したら車掌から乗車券を購入するスタイルになっていました。その後、平成10年代には券売機が設置され、券売機で乗車券を購入して乗車するスタイルに改められていますが、御紹介の券が発行されてからちょうど27年目の2018(平成30)年1月30日に券売機は撤去され、簡易型IC乗車券改札機と乗車証明書発行機のみが設置されるようになっています。
東武鉄道 新髙徳から小児90円区間ゆき 片道乗車券
1986(昭和61)年8月に、東武鉄道鬼怒川線の新髙徳駅で発行された、同駅から90円区間ゆきの小児専用券です。
黄褐色TRCとぶてつ地紋のB型金額式小児専用券で、足利印刷で調製されたものです。
小児専用券は大人専用券と様式的には同一ですが、「小」の赤影文字が入ったことと、金額の下に発売額発売額が表記されている点が、大人専用券と異なります。
再掲いたしますが、同駅の大人専用券になります。
大人専用券の場合は「新髙徳から」と「東武線90円区間ゆき」の2行だけなので「(東武鉄道)」の社名が独立した行になって3行になっていますが、小児専用券については「小児50」の発売額を入れるために1行増えるため、「新髙徳から」の表記を中程に寄せ、その前に社名を入れて3行にまとめられています。
裏面です。券番の他、「発売当日限り有効 下車前途無効」の文言と発行駅名があり、表面に社名の無い普通入場券は社名が裏面でしたが、乗車券については社名の表記は裏面にありません。
なお、東武鉄道では、路線図等の案内において同駅を「新高徳」と案内していますが、乗車券類には「新髙徳」と表記されています。ただし、裏面の発行駅名についてはと「新高徳」記載されています。
拡大してみました。
この件につきましては、御訪問者様のわからんが様からもコメントがありましたが、なぜそうなっているのか、どちらが正しいのか、良くわかりません・・・
東武鉄道 新髙徳駅から90円区間ゆき 片道乗車券
1986(昭和61)年8月に、東武鉄道鬼怒川線の新髙徳駅で発行された、同駅から90円区間ゆきの片道乗車券です。
黄褐色TRCとぶてつ地紋のB型金額式大人専用券で、足利印刷で調製されたものです。
同社では、硬券の普通入場券の他、硬券乗車券についても、金額式券については大人専用券と小児専用券の2種類が設備されていました。高額券になりますと一般式券が主流になり、そちらは大人・小児用券になっていました。
ただし、硬券末期になりますと、高額券についても金額式券が新たに登場し、こちらは大人・小児用券として設備されていました。
東武鉄道 新髙徳駅発行 普通入場券(小児用)
前回エントリーで、
> 同社の普通入場券は大人専用券と小児専用券の2種が設定されていて、
> 硬券の普通入場券を取り扱っている駅であれば、必ず双方が設備されていました。
と申し上げました通り、同駅にも大人専用の普通入場券の他、小児専用の普通入場券も設備されていました。
大人券と同じ、1986(昭和61)年8月に、東武鉄道鬼怒川線の新髙徳駅で発行された、小児専用の普通入場券です。
白色無地紋のB型小児専用券で、こちらも足利印刷で調製されています。
同社では、昭和50年代末期まで、普通入場券は白色無地紋券で発行されていましたが、この頃より黄褐色の地紋が印刷された様式に変更されています。理由は定かではありませんが、券売機の普及によって硬券の需要が減ってきた時期でもありましたので、券紙を統一する目的があったのかも知れません。
ただし、一斉に地紋のある券に切替えられたのではなく、在庫分は売り切ってから地紋のある券に切替えられていきましたので、同駅のように、需要が少ない小児専用券の無地紋券が残ってしまい、大人専用券が地紋のある券で、小児専用券が無地紋という駅が散見されました。
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