長岡駅発行 ◯企 新潟・長岡Sきっぷ

1982(昭和57)年6月に、信越本線長岡駅で発行された、「新潟・長岡Sきっぷ」という企画乗車券です。


   

若草色こくてつ地紋のA型券で、新潟印刷場で調製されたものです。

「Sきっぷ」は乗車券と自由席特急券が一緒になった片道用の企画乗車券で、往復用が「Qきっぷ」になります。

御紹介の券は長岡駅から新潟駅までの乗車券と、在来線の自由席特急券が一緒になったもので、1000円で発売されていました。
当時の同区間の運賃は、営業キロが63.3kmで、乗車券が870円で、100kmまでの自由席特急券が1000円でしたから、自由席特急券を購入しただけで乗車できる金額となり、かなり破格なものでした。
上越新幹線が同年11月に開業していますので、この券が発売されていた頃は在来線の特急列車が最速であり、また、「とき」号をはじめとした各種特急列車が運転されており、長岡~新潟間という都市間輸送の利用者にとって、それなりの需要があったものと思われます。


   

裏面です。特段ご案内のようなものはなく、新潟印刷場特有の5ケタ券番のみになっています。

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藤沢駅発行 ◯企 平塚七夕まつり記念往復乗車券

いまから41年前の1982(昭和57)年7月7日に、東海道本線藤沢駅で発行された、平塚七夕まつり記念往復乗車券という企画乗車券です。


   

当時は一般的であった、左側に記念図柄、右側に乗車券というオーソドックスな様式です。


   

裏面です。

御紹介の企画乗車券は、平塚駅周辺で行われている平塚七夕まつり(現在は湘南ひらつか七夕まつり)期間中に発売されていたもので、平塚駅出改札の混雑を緩和させるため、平塚駅で出場する際は改札掛に見せるだけ、平塚駅での復路の乗車券購入の必要のない往復乗車券として企画されたものです。その他にも、往復分の運賃収入を確保したいという発行駅側の理由や、帰路に路線バスやマイカーなどを利用されてしまうことを防ぐための増収策という大人の事情もあったと思われます。


   

乗車券部分を拡大しました。青色こくてつ地紋、横赤一条のA型券スタイルで、矢印式の前売り券になっており、発行日付は 57-7-7 になっていますが、イベント期間中の7月11日(2023年は9日)まで、このままの日付で発売されています。
「57-7.11までの間に1回限り有効」とありますので、7日に往路分を使用し、現地で宿泊して翌8日以降11日までの間に帰路分を使用しても問題はないものと解釈します。

同区間の営業キロは12.7kmで、当時の国鉄運賃が180円でしたので、180円x2回分で360円であり、割引の要素はない企画乗車券であることになります。


   

乗車券部分の裏面です。途中下車および区間変更はできない旨と、平塚駅では係員に見せるだけである旨が記載されています。

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帯広駅発行 〇企 札幌市内までのQきっぷ

廃札券ですが、帯広駅発行分の札幌市内までのQきっぷです。


   

青色こくてつ地紋のD型大人・小児用券で、札幌印刷場で調製されたものと思われます。
右側の券片が往路用の[ゆき]券で、左側の券片が復路用の[かえり]券になります。題字には[ゆき]券もしくは[かえり]券を示す表示と企画乗車券である旨を示す「〇企」の符号、そしてJR「(北)」という符号と「Qきっぷ」の名称になります。
アンダーラインの下には乗車券と自由席特急券である旨の表記があり、その下には乗車区間、有効日数、運賃・料金、発行箇所名と続きます。

Qきっぷは地方の都市間の乗車券と自由席特急券をセットにした往復タイプの企画乗車券です。QきっぷのQは「Quick」のQから取られたものと聞いたことがありますが、真偽のほどは解りません。自由席特急券がセットになっていますが、まだ急行列車が走っていた国鉄時代には、区間が同じであれば急行(普通急行)列車の自由席も利用できたと記憶しています。当然その分料金は安くなるのですが、急行を利用したからと言って差額が返還されるわけではありません。


   

裏面です。
管理人のあいまいな記憶では、Qきっぷでは特急列車の自由席のみ利用できるものと思っていましたが、この券を見る限りでは、
「◎指定席(普通車)をご利用の場合は、指定券の交付を受けてください。」
とあります。
表面には「自由席特急券」と記載されているにもかかわらず、裏面には「指定席(普通車)をご利用の場合は・・・」とは、どのようなシチュエーションの時だったのでしょうか?

Blueliner様より、この券の「(北)」という符号は、JR北海道の発売区分を表すものではなく「北海道Qきっぷ」の略記であるというコメントを戴きましたので、修正と追記を致しました。
Qきっぷは本来自由席利用のものでしたが、昭和56~57年頃から、北海道と九州のものは指定席利用可となり、「Qきっぷ併用」の赤スタンプが捺された指ノミ券が交付されるようになったとのことです。

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周遊券表紙 国鉄発行分と旅行会社発行分の相違

しばらくの間、国鉄周遊券に付けられていた表紙を御紹介いたしてまいりました。連載期間が長くなってしまっておりますので、今回で一旦終了にしたいと思いますので、もう少々お付き合いください。ワイド周遊券の他にもミニ周遊券用などまだまだ種類はたくさんありますが、ワイド周遊券だけを観察しても、国鉄の駅で発行されたものと旅行会社で発行されたものとでは、少々様式が異なっていたようです。


   

再掲になりますが、国鉄の窓口で発行された道南周遊券の表紙です。右下に「日本国有鉄道」という名前が入れてあります。


   

こちらは近畿日本ツーリストで発行された道南周遊券の表紙です。右下には近畿日本ツーリストの名前があります。


   

道南周遊券ではありませんが、日本交通公社で発行されたものであれば、このようになります。


   

国鉄の駅で発行された、道南周遊券の表紙裏にあるご案内文です。
ここでは、⑸ の項目において、「詳細は、もよりの国鉄線の駅、日本交通公社、日本旅行又は近畿日本ツーリストの各営業所でお尋ねください。」とあります。


   

近畿日本ツーリストで発行された、道南周遊券の表紙裏にあるご案内文です。
ここでは⑹ の項目において、「詳細は、もよりの国鉄線の駅又は当社の各営業所でお尋ねください。」とあり、日本交通公社や日本旅行の窓口については言及していません。また、国鉄で発行されたものには無い内容として、⑸ の項目において、「この周遊券をご利用のお客様には、当社のサービスとして10万円の交通障害保険をおかけしてありますので、裏表紙の内側にご氏名等を御記入ください。」とあります。


   

近畿日本ツーリストで発行された、道南周遊券の裏表紙裏にある、交通障害保険関連の記入欄になります。


   

ちなみに、国鉄で発行されたものについては特段の記載はなく、「ご旅行メモ」という空欄になっています。

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国鉄 九州北周遊券の表紙

永らく続いた周遊券の表紙シリーズですが、これでネタが尽きてしまいますので。もう少しお付き合いください。
今回は九州北周遊券を御紹介致しましょう。


   

九州北周遊券は福岡県・大分県・熊本県・長崎県といった、九州北部を周遊エリアとする周遊券です。北海道の周遊券でご紹介いたしました、道南周遊券の九州版になります。


   

見開いた状態です。
九州周遊券のように縦に長い周遊エリアではありませんので、観光案内略図は横書きになっています。


    ⇒ クリック、クリック。

日豊本線から九大線を経由して鹿児島本線に至る、九州北部の路線が自由周遊エリアになります。

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国鉄 九州周遊券の表紙

続いております周遊券の表紙シリーズになりますが、今回ご紹介いたしますのは九州周遊券になります。


   

九州周遊券は九州地方全体が自由周遊エリアになっており、北海道周遊券の九州版といった形になります。


   

見開いたところです。ピンク色の表紙になっており、これは現在のJR九州のコーポレートカラーである赤に通ずるものがあります。


    ⇒ クリックして大きくしてみてください。

九州という地形が縦に長い形をしているからでしょうか、九州周遊券の観光案内略図は縦長になっています。やはり、現在となっては廃線になってしまった線区が数多く掲載されています。

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国鉄 山陰周遊券の表紙

続いております周遊券の表紙シリーズですが、今回は山陰周遊券になります。


   

若草色の表紙となっており、前回御紹介いたしました信州周遊券とよく似ています。


   

見開いたところです。山陰周遊券のエリアは横に長く、路線はあまり多くありませんが、枝葉が多数伸びているような恰好になっています。


    ⇒ クリックして大きくしましょう。

観光案内略図を見ると当時の周遊エリアがよくわかりますが、大社線・三江線・倉吉線などといった、現在は廃止されてしまっている路線がかなりあります。

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国鉄 信州周遊券の表紙

国鉄で発売された信州周遊券の表紙です。


   

信州周遊券は首都圏から一番近いワイド系の周遊券で、自由乗降エリアは比較的狭いのが特徴です。


   

見開いたところです。
周遊エリアは国鉄時代の長野鉄道管理局管内といったところで、現在で言えばほぼJR東日本長野支社管内という感じになります。


    ⇒ クリックすると大きく見えます。

観光案内略図を見ても東北周遊券のような複雑さはなく、長方形とそこから分岐する枝葉といった感じで、比較的単純です。長方形の内側は八ヶ岳エリアとなっており、この部分については国鉄バスによる運転がメインになっています。

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国鉄 東北周遊券の表紙

今回ご紹介いたしますのは、東北周遊券の表紙になります。


   

東北周遊券は東北地方全域をカバーするもので、それなりに利用価値のあるものでした。
北海道の周遊券ではアイヌ文化がイラストのテーマになっていましたが、東北周遊券では東北地方に伝わる民芸玩具が描かれています。


   

見開いたところです。


    ⇒ クリックするとやはり大きくなります。

裏面の観光案内略図です。東北地方は横断する路線がごちゃごちゃしており、窮屈な感じです。

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国鉄 道南周遊券の表紙

前回エントリーで北海道周遊券の表紙を御紹介いたしましたので、今回は道南周遊券の表紙を御紹介致しましょう。


   

道南周遊券は北海道周遊券のミニ版で、函館など、道南地域に特化したものになります。北海道はエリアが広いため、函館などを目的としている利用者にとって、北海道全域を周ることのできる周遊券では割高になってしまうことから設けられたものです。


   

見開いた状態です。


    ⇒ クリックすると、きっと大きくなります。

裏表紙には有効なエリアが記載されています。これを見ますと、さすがに札幌は外せませんので、札幌を境とした道南地区が周遊エリアになっていることが判ります。

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