趣味で蒐集した「きっぷ」を見て考えたこと、とか…
JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
古紙蒐集雑記帖
久しぶりにMVで遊んでみよう
JR東日本のMV端末(指定券券売機)には時刻表検索モードでの乗車券および急行券類の発券をする機能がありますが、それを利用して遊んでみました。
ホリデー快速河口湖号に座席指定車両があることから、同列車を時刻表検索し、富士急行線発の乗車券を発行することができるかの実験です。
富士急行線の一番最短は都留市駅ですが、一つ先ですが、敢えて文字数の多い都留文科大学前から、JRの1駅目となる四方津駅までの乗車券として発券してみました。
結果、何ということなく発券できました。
経由は富士急行線からJR中央本線に接続する大月・中央東線となっています。
乗車券であれば指定券と違い、実乗しなくても他の利用者へ迷惑がかからないので、そこそこ面白い実験です。
次に考えられるのは、社線完結の乗車券が発券できるかですが、実験してみましたところ、発券エラーとなりました。どうやら、社線完結での発券は不可で、JR線との連絡乗車券としなければならないようです。
いすみ鐵道 (社)大原駅硬券入場券
拙ブログ2011.1.12エントリーの「いすみ鐵道 大多喜駅硬券入場券」にて同駅の硬券入場券を御紹介いたしましたが、先日訪問いたしましたところ、大原駅にも硬券入場券が設備されているのに気づきました。どうやら、昨年の12月10日から発売されていたそうです。
大人・小児用券です。
国鉄東京印刷場様式のB型赤横一条券で、大多喜駅のものと様式は同一です。関東交通印刷調製と思われます。
大多喜のものと違いJR大原駅と区別している意味で「〇社 大原駅」となっているところに同社(というか、社長…)特有のマニア感が漂います。
一昔前の私鉄の乗車券類には、国鉄との接続駅で発行されているものには「〇社」もしくは「(社)」の表記が付いていたものですが、券売機が主流になってきている現在、あまり「冠」のある表記のある硬券入場券を見かけなくなってきています。
こちらは小児用券です。
こちらも大多喜駅のものと様式は同じですが、大人・小児用同様に、「〇社」の表記が付けられています。
船橋法典駅発行 臨発用硬券乗車券
見本券ですが、船橋法典駅での臨発用硬券乗車券です。
東京印刷場調製の国鉄地紋桃色B型券で、大人・小児用の金額式券となっています。
同駅は直営駅ですので、発行箇所名のヘッドに「〇委」等の記号表示がありませんが、「円区間」の右上に「〇ム」の表示があります。
「〇ム」表示は本来は無人駅という意味から出てきたから「無人駅のム」ということを聞きますが、実際には乗越精算を行う際に打ち切り計算ではなく、差額精算をする関係上で使われているようです。臨発窓口ですから発売口座数に制約があるため、付けられていたかもしれません。
違っているかも知れませんが、武蔵野線の一部の駅では、〇ム表示の券を発売していた駅があったような記憶もあります。
尤も、原券100km以下ですので乗越精算をしても差額精算となるわけですが、各種割引乗車券への乗車変更など、取扱い方法が違う場合があるためのものでしょう。
中距離用には地図式券も存在しておりました。
こちらにも〇ム表示があり、地図式券の中でも特異な存在です。〇ム表示の地図式券の例は他にもありましたが、あまり多くなかったような気がしますし、直営駅のものとなるとかなり少数派と思われます。
JR東日本 第1種車内補充券
直江津車掌区乗務員発行の第1種車内補充券です。
発行日が10月28日としか記入されていませんが、JR発足時の国鉄地紋暫定券であることから、昭和62年10月28日であると推測されます。
発行された列車は3011Mでしょうか、大変特徴のある字で記入されており、少々分かりづらい券面です。収受区間も発駅が浮間舟渡であることは分かりますが、着駅がよくわかりません。ただ、収受金額が1,380円であることは間違いないようです。
当時は揺れる車内で車掌さんもしくは乗客専務さんが足を踏ん張らせて、運賃早見表で運賃を調べ、車内補充券の束を手に持って書いて発行していましたが、現在は携帯端末のタッチパネルを突いて乗車券類の発券をしており、車内精算業務もだいぶ省力化された感があります。
手書きの時代は、車掌さんは運賃計算はもちろんのこと、各種の規則の知識も必要ですから、その苦労たるや、大変なものであったと想像できます。
しかしこの券、あまりの特徴的な文字で、解読に苦労します。このような券を旅客から渡された着駅の集札掛の駅員さんは、果たして券の内容を瞬時に読み取れたのでしょうか?
意外と、なんだか分からず、「ま、いっか…」という具合にしてしまったりして…(笑)
伊豆急行 普通列車用グリーン券
昭和56年2月に伊豆急行線伊豆急下田駅で発行された、社線用の普通列車用グリーン券です。
現在は伊豆急行線内の普通列車にグリーン車の設備はありませんが、当時、伊豆急行線の普通列車は100系と呼ばれる自社車両の他に東海道・伊東線から乗入れてくる国鉄113系電車が使用されており、編成の中程にはグリーン車が連結されていました。
そのため、グリーン車に乗車するためには、乗車券の他にグリーン券を別途購入する必要がありました。
券は伊豆急行自社新地紋のA型券で、同社の乗車券同様、岡山にあるシンコー印刷調製のものと思われます。
乗車駅および発行箇所名は記入式となっており、恐らく各駅同じ券が設備されていたものと思われます。
他の駅で購入したことはないのですが、主要駅で、且つ需要の多い伊豆急下田駅のものでさえ発行箇所名が記入式であることから、発駅および発行箇所名が印刷されているものの設備例はなかったかもしれません。
裏面です。
乗車する列車に1回限り有効である旨の注意書きがあります。
伊豆急行 車内補充券
前回エントリーの伊豆箱根鉄道車内補充券の記事の中で伊豆急行の補充券について少々触れましたが、今回はその券を御紹介いたしましょう。
伊豆急行の車内補充券です。
これは当時存在していた伊豆急線内の普通列車のグリーン車に乗車する際に車掌さんからグリーン券を買い求めたものです。
黄色の伊豆急自社新地紋の駅名式券で、発行箇所名は伊豆高原乗務区乗務員となっています。
当時特に確認はしませんでしたが、自社線内用としてこの券が使用されていることから、自社線完結用の補充券の設備はなかったかもしれません。
券面には伊豆急行線内の他、JR線の駅が広く記載されています。
JR6社との連絡運輸を実施しているだけあって記載範囲がかなり広く、大阪市内以遠は神戸市内・広島市内・北九州市内・福岡市内までの欄があります。さすがにスペースの都合もあるでしょうからそこそこ需要のある駅に絞られているのでしょうが、私鉄の補充券でここまで広範囲なものは大変珍しい存在であると思われます。
大変秀逸な券ではありましたが、残念ながら現在は携帯端末になってしまい、旧来の補充券は使用されておりません。
伊豆箱根鉄道 駿豆線用車内補充券(JR連絡用)
伊豆箱根鉄道駿豆線には、前回エントリさせていただきました社内切符の他、JR連絡用の券もあります。かつては普通列車内でも車掌さんが社内切符と双方を持って車内精算をしていましたが、ワンマン化されてしまった現在でも、社内切符同様、踊り子号の車掌さんが携帯していますので、踊り子号車内で購入することが可能です。
三島駅を起点として、東京方面は東京山手線内および伊東線と横須賀線、大宮・我孫子・千葉まで、静岡方面は東海道線大阪市内までと御殿場線および身延線主要駅が記載されています。
その他、記載のない駅までの乗車券として発行する場合には、記事欄へ「〇〇まで」と記載することで対応するものと思われます。
伊豆箱根鉄道は現在でも比較的広範囲に連絡運輸をおこなっていますが、現在でももっと広範囲にJR6社と連絡運輸を行っている伊豆急行の車内補充券に比べると記載されている駅名は雑駁で、本当に需要のある駅だけに絞られています。(現在は設備廃止されています。)
この券の特徴として、踊り子号車内で発売することを考慮してなのか、自由席特急券を所持しない旅客に対して自由席特急券を発売することができるよう、B特急券の欄も作られています。
また、連絡運輸の範囲であれば必要となる、三島駅から東海道新幹線経由の乗車券も発売できるように「〇幹経由」の欄も設けられています。しかし、新幹線自由席特急券の委託発売契約は平成初期に終了しているため、発売不可の新幹線自由席特急券の欄は記載されていません。
裏面です。
ご案内文が印刷されています。これは汎用のものではなく、連絡運輸対象区間に的を絞った内容となっており、同社オリジナルの文面であると思われます。
伊豆箱根鉄道 駿豆線用車内補充券(社内切符)
伊豆箱根鉄道駿豆線用の車内補充券です。
駿豆線内完結の区間用に使用されるもので、同社独特な表現である「社内切符」という名称になっています。
水色自社地紋の券で、駅名式となっています。
駿豆線は普通列車についてはワンマン化が実施されており、通常は列車内での車補による運賃精算は行われておりませんが、JRから直通する特急踊り子号は車掌乗務となっておりますので購入することが可能です。
三島駅から修善寺駅までの全駅が記載されておりますが、修善寺駅の下に「田町経由沼津」という欄があります。
これは伊豆箱根鉄道グループである伊豆箱根バスの路線であり、鉄道からバスへの連絡乗車券ということになります。伊豆箱根バスは伊豆箱根鉄道100%出資の子会社で、平成18年までは伊豆箱根鉄道のバス部門であった関係から、このような取扱いがあるものと思われます。
ただし、現在もこの区間の取扱いがあるのか、車掌氏に確認することを失念してしまいましたので、発売の可否は不明です。
いすみ鐵道 2011.11.11記念乗車券
いすみ鐵道で発行された、2011.11.11記念乗車券です。
同社の看板車両であるキハ52の写真の台紙に、大多喜~上総中野間の硬券乗車券を1往復分つけたものとなっています。
台紙裏面です。
右下に券番があります。
こういうものを「トリプルワン」と言うかはさておき、キハ52が大きく取り上げられており、少々「2011.11.11記念」という本題からずれた感も否めません。
1枚目についている、大多喜駅から上総中野駅ゆき乗車券です。
B型国鉄地紋の一般式券で、関東交通印刷調製と思われます。かつての国鉄東京印刷場調製の一般式券によく似ていますが、「下車前途無効」が特活になっている点と、小児断片の数字が大人運賃そのままの390となっている点が異なります。
同社はいろいろな意味で鉄道マニアの視点からのものづくりをしているところもあり、細かな違いに気づかなかったのではなく、敢えて無用なトラブルを避けるために東京印刷場の様式そのものにしなかった可能性も考えられます。
2枚目についている券は上総中野駅から大多喜駅ゆき乗車券です。
様式的には1枚目と同一ですが、発行箇所名は無人駅ではありますが、上総中野駅となっています。
双方の券の裏側です。
記念乗車券特有の「呪文」の類は一切ない、大変好ましい様式です。
ただし、実使用を考慮して、運賃箱へ投入した際に裏返しになっても良いように、発駅と着駅が印刷されています。
ところでこの記念乗車券、2011.11.11記念ということですが、ダッチングもしくはダッチング風の日付が一切入れてありませんので、乗車券だけ見ると何の記念の乗車券なのか全くわからない、という大変不思議な一品です。
恐らく、実使用の際にダッチングで日付を入れられるようになっているのでしょう、きっと…
小さな旅 ホリデー・パス 南東北フリーエリア
戴き物ですが、本年の正月に、会津若松駅のマルス端末で発行された企画乗車券で、「小さな旅ホリデー・パス 南東北フリーエリア」という券です。
仙台を中心とした南東北エリアを1日自由に乗車できるフリーパスで、有効区間は地図で記載されています。
この手のフリーパスは各地で発売されていますが、初めてこの券を見たとき、地図の書き方に大変興味を抱きました。
通常、マルスで発行されるフリーパス等の企画乗車券の場合、主要駅は〇印で表示され、その横に駅名が記載され、晩年まで東京印刷場調製の地図式券に見られたような方法となっています。
しかしこの券の場合、主要駅の中でも特に大きな駅は楕円に囲まれたような方法で記されています。
このような地図の表記方法は、昭和40年代前半に仙台地区で見られた、仙台印刷場調製の地図式乗車券を彷彿させる表記方法になっています。
この券をデザインした担当者は、かつて仙台地区に存在していた地図式券を意識して作成されたのでしょうか?
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