天王寺駅発行 福島ゆきC型準常備往復乗車券

昭和53年12月に天王寺駅で発行された、大阪環状線福島ゆきの準常備往復乗車券です。


   


青色こくてつ地紋のC型準常備大人専用券で、大阪印刷場で調製されたものです。

どのような経緯でこのような券が設備されていたのかは定かではありませんが、都市部において比較的近年まで見られたC型準常備券として、乗車券蒐集家の中では有名な券です。


往路用は着駅準常備式・復路用は発駅準常備式となっており、着(発)駅は芦原橋・大正・福島駅の3駅しかありません。あまり鋏の器用な出札氏ではなかったので曲がっていますが、発券の際になるべく報告片を小さく切って頂くようにお願いし、何とか断線を残すことができました。

右端に「40」と「0」の数字がありますが、大正駅と福島駅の金額が同額であることから「大正ゆき」として切り取られても200円のままなので差額が「0」であることから福島の横に「0」と印字され、「芦原橋ゆき」として発売すると160円で発売することから200円より40円収入が少なくなるわけで、窓口での売上精算時に差額の40円を差し引いて計上することがしやすいように「40」と印字されています。


着駅の福島駅は、東北本線の福島駅である「(北)福島」駅と区別するために「(環)福島」駅とか「(環状)福島」駅と線名符号を付けるようになっていますが、近距離乗車券の場合には特段混乱は招かないという理由から線名符号を省略することが出来るため、この券では省略されています。

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東京都交通局 江戸橋駅発行地図式券

昭和46年5月に東京都交通局(都営地下鉄)江戸橋(現・日本橋)駅で発行された、40円区間ゆきの片道乗車券です。


   


黄色東京都交通局高速鉄道用局地紋のB型大人専用地図式券です。
都営地下鉄の地図式券は、「都営地下鉄」と大きく書かれているのが特徴で、「発売当日限り有効」の文言は表面にあるものの、図示いたしませんが、「下車前途無効」の文言は裏面に印刷されています。


都営地下鉄では、営団地下鉄(現・東京メトロ)の日本橋駅に対して江戸橋駅として開業し、日本橋駅とは地下通路で結ばれた連絡駅となっていたものの、長年「別名の駅」として営業されていました。しかし、平成元年3月、旅客案内上ネックとなっていることから、日本橋駅に改称されています。

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日立運輸東京モノレール モノレール浜松町駅発行羽田ゆき往復乗車券      

昭和52年7月に日立運輸東京モノレール(現・東京モノレール)モノレール浜松町駅で発行された、羽田ゆきの往復乗車券です。


   


緑色PJRてつどう地紋のA型往復券で、山口証券印刷で調製されたものと思われます。
左側の復路用券が薄緑色で塗られており、白色逆転地紋とはなっていないようです。


昭和39年の開業時の東京モノレールは大和観光という会社を前身とする名古屋鉄道が共同で出資した会社であったようですが、開業した翌年には名古屋鉄道が経営から撤退し、昭和42年に日立製作所のグループ会社である日立運輸(現・日立物流)と合併して日立運輸東京モノレールとなって日立グループの会社となります。昭和56年には再び東京モノレールという会社となり、平成14年に株式の70%がJR東日本に譲渡され、現在はJR東日本系列の会社となっています。

乗車券に表示されている社名の「日立運輸東京モノレール」は、JR東日本が経営に参加する前の昭和42年から56年の間の社名で、当時発行されて乗車券類はこのような長い社名が印刷されていました。


東京モノレールでは、現在も往復乗車券を券売機で購入することはできますが、羽田空港国際線ビル駅、羽田空港第1ビル駅、羽田空港第2ビル駅発着となるものは10日間有効で、その他の区間発着となるものは2日間有効という発売方法が採られています。

これは、羽田空港発着の往復券のみ有効期間を2日間から10日間に延長することにより、羽田空港の航空機利用者が帰路用として予め往復乗車券を購入する機会を与え、競合する京浜急行電鉄に旅客を奪われないようにする対策ではないかと思われます。

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JR西日本 鶴橋駅発行290円区間ゆき乗車券

平成4年8月に大阪環状線鶴橋駅で発行された、290円区間ゆきの片道乗車券です。


   


桃色JRW地紋のB型大人・小児用金額式券です。この券はホーム上にある、近鉄が管理する中間改札口で発売されていますので「〇社」の表記があります。

前回エントリーの桜井駅の券同様、発駅の右側に「〇社」の表記があり、福井駅の券のような発行箇所名の前の「〇社」表記はなく、「81」という窓口番号が記載されています。


今回御紹介の鶴橋駅や桜井駅、福井駅などで発行されている「〇社」扱いの金額式硬券乗車券の「〇社」印刷表記の違いですが、国鉄時代から大阪印刷場が担当していた大阪地区用と、国鉄時代は名古屋印刷場が担当していた旧金沢鉄道管理局管内用とで分けていたのかも知れません。

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JR西日本 桜井駅発行140円区間ゆき乗車券

平成元年11月に桜井線桜井駅で発行された、140円区間ゆきの片道乗車券です。


   


桃色JRW地紋のB型金額式大人・小児用券で、大阪印刷場で調製されたものです。


桜井駅はJR西日本と近畿日本鉄道(近鉄)の共同使用駅で、当時は南口にJR西日本の駅舎、北口に近鉄の駅舎があって構内で双方の乗換ができ、乗換口には近鉄が管理する中間改札(というか、精算所のようなもの)が設けられており、ここでJRの近距離乗車券の発売が行われていたと記憶しています。


様式はJR西日本の大阪印刷場で調製された金額式券ですが、近鉄に委託発売されておりましたため、発駅の右側に「〇社」の符号が付けられていましたが、発行箇所名は桜井駅発行となっており、「〇社 桜井駅」にはなっていませんでした。

拙ブログ8月20日エントリーの「JR西日本 福井駅発行140円区間ゆき乗車券」でご紹介いたしました京福電鉄が発売した乗車券では発駅の右側に「〇社」の表記が無く、逆に発行箇所名が「〇社 福井駅発行」となっており、同じJR西日本大阪印刷場で調製された様式であるにも拘わらず、このように「〇社」の表記方法が違うのことに、なんらかの理由があったのかもしれません。

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JR北海道 旭川駅発行 旭川,深川お徳用往復割引きっぷ

昭和63年7月に旭川駅で発行された、旭川,深川お徳用往復割引きっぷです。


   


青色JR北地紋のD型券で、札幌印刷場で調製されたものと思われます。

自由席特急券もしくは急行券がセットされた往復乗車券で、急行列車がなくなった現在、自由席往復割引きっぷ(Sきっぷ)1,540円がこの後継商品になっているものと考えられます。


   


裏面です。

乗車変更や途中下車が出来ないことと、指定席への変更もできないという制限があることが記載されています。


現在ではこのような企画乗車券はマルス端末や券売機で発券されることが一般的となっていますが、この当時は硬券での設備が存在し、駅窓口で券箱を覗き込むと、このような券を見つけることができました。

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帝都高速度交通営団 高田馬場から120円区間ゆき乗車券

昭和61年2月に帝都高速度交通営団(営団地下鉄・現、東京メトロ)高田馬場駅で発行された、120円区間ゆきの硬券乗車券です。


   


黄緑色JPRてつどう地紋のB型大人・小児用金額式券で、山口証券印刷系の帝都交通印刷で調製されたものと思われます。


高田馬場駅は国鉄山手線と西武鉄道新宿線が乗り入れている駅で、営団地下鉄東西線の駅の中では混雑度上位の駅でしたので、多客時には券売機に長蛇の列ができてしまうことから、硬券による臨発が行われることがありました。

この日は隣の早稲田駅にある大学の入試がありましたため、券売機の混雑に対応するための臨発が行われています。


ちょうど自分が高3の入試の時にこの臨発にぶつかったのですが、朝の緊張した雰囲気の中、このようなものに出くわしてしまうと券売機ではなく臨発のほうに並んでしまい、実乗用のほかにコレクション用も1枚購入してしまうのは悲しい性であります。

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JR東日本 辰野駅発行新宿ゆき急行券

昭和62年8月に辰野駅で発行された、新宿ゆきの急行券です。


   


桃色こくてつ暫定地紋のA型券で、東京印刷場で調整されたものです。

国鉄時代の急行券はキロ程の記載されたものが主流でしたが、この券が発行された頃になると急行列車が縮小されて区間が限られてきていたためか、乗車区間が指定された様式のものが多く見受けられたように思います。


この券は辰野駅で新宿ゆきの急行アルプス号用として発行されたものですが、急行アルプスは国鉄末期の昭和61年に昼行列車が特急に格上げされた形で全廃されており、夜行急行として残された183・189系による列車になってからのものです。


国鉄末期には相次いで急行列車が特急や「新特急」への格上げを理由に廃止されており、JRとなってからの硬券による急行券はなかなかお目にかかれないものとなってしまっていました。

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小田急電鉄 モノレール向ヶ丘遊園駅発行向ヶ丘遊園正門ゆき往復乗車券

昭和60年2月に小田急電鉄モノレール向ヶ丘遊園駅で発行された、向ヶ丘遊園正門ゆきの往復乗車券です。


   


桃色PJRてつどう地紋の千切り券で、当時関東で良く見かけた半硬券となっています。


モノレール向ヶ丘遊園駅は小田急電鉄がかつて運行していた向ヶ丘遊園モノレール線の向ヶ丘遊園駅でした。小田原線の向ヶ丘遊園駅とは若干離れたところにあったため「モノレール向ヶ丘遊園駅」と記載されていましたが、小田原線の駅と同一駅として扱われていたようです。
しかし、モノレール線の出札窓口は小田原線とは別にありましたため、乗車券の発行箇所名にはモノレール線を指すものと思われる「〇モ」の符号が付けられており、収入管理は別々に行われていたものと思われます。


向ヶ丘遊園のモノレールは「ロッキード式」という方式で、コンクリート軌道の上にある鉄のレールが1本あり、電車はゴムタイヤではなく鉄車輪で走行していました。ロッキード式モノレールは小田急のほかに姫路市企業局交通事業部でしか実用化されず、姫路市営モノレールも昭和54年に廃止されています。

使用された車両は500系と呼ばれ、ロッキード式の試作車として川崎航空機工業岐阜製作所で昭和37年に製作されたものを譲り受けたものでした。
向ヶ丘遊園のモノレールは小田急線の1路線ではあったものの車両が1編成しかなかったため、遊園地の閑散期に定期点検による運休が設定されており、通勤通学客の利用もありましたが、遊園地の乗り物的な要素の強い路線でした。

姫路市営モノレールの廃止後も「唯一のロッキード式モノレール」として運転されていましたが、平成12年12月の定期点検中に台車部分の亀裂が発見され、希少性から修繕に4億円という莫大な費用がかかることが判明し、そのまま廃止されてしまっています。

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根室駅発行 東根室ゆき乗車券

昭和57年8月に根室駅で発行された、東根室ゆき片道乗車券です。


   


桃色こくてつ地紋のB型大人・小児用一般式券で、札幌印刷場で調製されたものです。

この券は学生時代の夏休みに初めて北海道に行ったときのもので、実際に乗車したものです。
当時の国鉄は着札管理が大変厳しくなっていましたが、物好きそうな旅行者に見えたのでしょうか、記念に戴きたい旨を申し出ると、二つ返事でOKという感じでした。

ゆき」の文字が太くて特徴的で、小児断線が真ん中で途切れている当時の札幌印刷場独自の様式と、菅沼式ダッチングとの組み合わせは絶妙です。
昭和60年代になると「ゆき」の文字は細いものになって小児断線も斜め1本線に変わり、国鉄末期の券は様相が異なります。

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