趣味で蒐集した「きっぷ」を見て考えたこと、とか…
JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
古紙蒐集雑記帖
JR東海 水窪駅発行小和田ゆき片道乗車券
平成5年6月にJR東海飯田線の水窪駅で発行された、小和田ゆきの片道乗車券です。
桃色JRC地紋のB型一般式大人・小児用券で、名古屋印刷場で調製されたものです。
この券は通常発売されていたものではなく、平成5年6月9日に皇太子徳仁親王(皇太子)さまと皇太子徳仁親王妃雅子さま(旧姓・小和田雅子さま)の御結婚を記念して発行されたもので、小和田駅の最寄であった水窪駅からの片道きっぷとして発売されています。
様式的には名古屋印刷場で調製されていた近距離用のB型一般式券の様式となっており、記念きっぷとは思えない造りになっています。
駅名が皇太子徳仁親王妃雅子さまの旧姓と同表記であるとして、恋愛成就にあやかろうとする人々で賑わったようですが、読み方は「おわだ」であるのに対し、駅名の読み方は「こわだ」と異なっています。
小和田駅は駅前に道路が通じていないため自動車では訪問できないことから、秘境駅の一つとして有名になっています。秘境駅ブームによって格付けされた「秘境駅ランキング」では全国3位にランキングされているそうです。
かつては駅周辺に集落が存在していたそうですが、佐久間ダムの完成で集落が水没し、駅周辺の人家が無くなってしまっており、1日平均の乗車人員が6名程度の駅となっています。
このような秘境駅では、わざわざ着駅となる常備券が日常設備されることは無さそうです。
JR西日本 浦安駅発行 普通入場券
昭和63年9月にJR西日本山陰本線浦安駅で発行された、普通入場券です。
白色無地紋のB型大人・小児用券で、大阪印刷場で調製されたものです。
関東の方が「浦安」と言えば、東京ディズニーランド®の最寄駅である東京メトロ東西線の浦安駅が真っ先に思い出されるかもしれませんが、山陰本線の鳥取県内にも浦安駅があります。千葉県にある浦安駅はJRの車両も通るものの東京メトロの駅ですので、JRとしては浦安駅はひとつしかありませんから「(陰)浦安」という表記にはなりません。
そろそろゴールデンウィークを週末に控え、東京メトロの浦安駅は連日の混雑が予想される季節になりました。
のと鉄道 松波駅発行 恋路ゆき片道乗車券 ~その2
前回エントリーでのと鉄道能登線松波駅で発行された恋路ゆきの片道乗車券を御紹介いたしましたが、同駅にはもう1種類、恋路ゆきの片道乗車券の設備がありました。
平成元年10月に前回御紹介の券と同時に購入した、恋路ゆきの片道乗車券です。
こちらは青色のと鉄道自社地紋のA型大人・小児用一般式券となっており、やはり日本交通印刷で調製されたものです。
購入するとき、窓口氏から「青とピンク、どっちが良いですか?」と尋ねられましたが、当然ながら両方購入した次第です。
同社の普通乗車券は券売機券は黄色地紋ですが、軟券類の乗車券は駅名をゴム印で捺印する青色地紋の回数券チックな相互式券が多くあった一方、金額式軟券等には桃色地紋のものもありました。記念きっぷとして発行された硬券乗車券も桃色地紋でしたが、日常的に硬券の乗車券を使用していない同社にとって、これらのA型一般式片道乗車券は「記念券的要素」満載の券であったものと思われます。
のと鉄道 松波駅発行 恋路ゆき片道乗車券
拙ブログ前回および前々回エントリーで国鉄(JR西日本)能登線の恋路ゆき片道乗車券を御紹介いたしましたが、この券は能登線が廃線となり、第3セクターののと鉄道に移管された後も引き続き設備されていましたので御紹介いたしましょう。
平成元年10月にのと鉄道松波駅で発行された、恋路ゆきの片道乗車券です。桃色のと鉄道自社地紋のA型大人・小児用一般式券で、日本交通印刷で調製されたものです。
のと鉄道の普通乗車券はA型一般式券が基本となっていますので、記念要素感は薄れていますが、きちんと常備硬券で設備されていました。
同駅は昭和63年3月にJR西日本能登線の廃止に伴ってのと鉄道能登線として再度移管されておりますが、同社は平成13年4月に部分廃止としてかつて国鉄輪島線であった七尾線穴水駅~輪島駅間が廃止され、次いで平成17年4月には能登線穴水駅~蛸島駅間が廃止されてしまい、穴水駅~蛸島駅間の廃止によって廃駅となってしまっています。
JR西日本 珠洲駅発行 恋路ゆき片道乗車券
前回エントリーで国鉄能登線松波駅で発行された恋路ゆき片道乗車券を御紹介いたしましたが、この券は国鉄が民営化されてJR西日本に移管された後も、継続して発売されていました。
さらには、国鉄時代にも設備されていたかどうか不明ですが、能登線の駅である珠洲駅にも恋路ゆき片道乗車券が設備されていましたので御紹介いたしましょう。
JR能登線珠洲駅で発行された、恋路ゆきの片道乗車券です。桃色JRW地紋のA型一般式大人・小児用券で、大阪印刷場で調製されたものとなっています。
JRとなって能登線はJR西日本に移管されていますが、JR西日本では乗車券類を大阪印刷場と広島印刷場(数年で閉鎖)で行っており、旧金沢鉄道管理局エリアの券は大阪印刷場が担当していましたので、このような様式になっています。
記念用として発売することを意図したものと思われますが、大阪印刷場では近距離乗車券がA型一般式券で設備されることが日常的にありましたので、名古屋印刷場のものと違って違和感はありません。
JR能登線は平成17年にのと鉄道に移管される形となり、同年3月に廃止されています。
松波駅発行 恋路ゆき片道乗車券
昭和59年3月にかつて存在した国鉄能登線の松波駅で発行された、恋路ゆきの片道乗車券です。
桃色こくてつ地紋のA型大人・小児用一般式券で、名古屋印刷場で調製されたものです。
同駅は能登線の急行「能登路」号が停車する有人駅で、島式ホーム1面2線と珠洲方に側線1本のある構造の駅でした。隣の恋路駅がその駅名が縁起がいいとされ、「縁起きっぷブーム」に乗って観光客が乗車券を記念に購入する需要がありましたが、恋路駅は営業当時から無人駅であったために恋路駅で入場券や乗車券の発売ができないことから、同駅では恋路ゆきの乗車券を記念用も兼ねて設備していました。そのため、通常ではB型券となるところ、A型券での設備となっていました。
当時、能登線は金沢鉄道管理局管内に属していたため、乗車券は名古屋印刷場様式で設備されていました。
土佐くろしお鉄道 窪川駅発行 東宿毛・宿毛ゆき片道乗車券
平成23年9月に土佐くろしお鉄道中村・宿毛線の窪川駅で発行された、東宿毛・宿毛ゆきの片道乗車券です。
緑色土佐くろしお鉄道自社地紋のA型一般式大人・小児用券となっています。
窪川駅は同線のJR四国との接続駅であり、この券は中村・宿毛線自社完結の乗車券としては最長距離券となります。
同社は開業時にはかなりの区間用に硬券の設備があり、途中の中村駅には東京都区内ゆき等の長距離の硬券による乗車券もありましたが、合理化によって硬券の発売は縮小されており、この券を購入した当時には欠札となっても硬券での補充は行われておらず、残っているものについてのみ発売している状況でした。
JR北海道 〇簡 石狩沼田駅発行Sきっぷフォー
前回エントリーで留萌線「〇簡」石狩沼田駅で発行されたSきっぷの常備券を御紹介いたしましたが、同駅にはSきっぷフォーについても常備券の設備がありました。
平成27年10月に〇簡」石狩沼田駅で発行された深川~旭川間用のSきっぷフォーです。青色JR北地紋の軟券式常備券で、Sきっぷが補往のような横2券片綴であるのに対し、Sきっぷフォーは縦に4券片綴となっています。
効力はSきっぷの2回分という以外は効力は似ていますが、こちらは回数券タイプなので有効期限内であれば使用方向の制限はないため、深川から旭川へ行きはJR、帰りはバス等JR以外の手段というような使い分けも可能です。
往復利用の場合、「Sきっぷ」と「Sきっぷフォー」2枚分の価格差はわずか100円ですが、「Sきっぷ」の場合、往復利用が前提になっていることと、有効期限が6日間に制限されることがあり、頻繁に利用する場合はSきっぷフォーのほうが有利であると思われます。
裏面です。
1券片を小児2名で利用できる旨が記載されていることと、どちらかと言えば回数券のようなご案内内容になっている点がSきっぷのものとは異なります。
Sきっぷフォーは利用者にとっては大変便利な企画乗車券でしたが、北海道新幹線開業の平成28年3月に発売中止(廃止)されてしまい、現在は設定がありません。この背景には、「Sきっぷフォー」は1枚づつばらして回数券のように使用できることから金券ショップでも常時販売されており、片道利用者でも当たり前に購入できる状況にあったことが一因とされています。
同駅で発売されているSきっぷおよびSきっぷフォーは御紹介の深川~旭川間用の他に深川~札幌間用のものがありますが、価格が高価になるため購入を見合わせています。
※ この記事は写真がエントリーした券のサイズが大きいため、PCによっては画像が見づらいことがあります。申し訳ございません。以下にサムネイルを貼り付けましたので、大きな画像でご覧ください。クリックすると、なまら大きな画像になるかもしれません。
JR北海道 〇簡 石狩沼田駅発行Sきっぷ
平成27年10月に留萌線「〇簡」石狩沼田駅で発行された、深川~旭川間用のSきっぷです。
青色JR北地紋の軟券式常備券となっています。
Sきっぷは乗車券と自由席特急券がセットになった往復タイプの乗車券で、JR北海道では「自由席往復割引きっぷ」と案内されています。
発売箇所はJR北海道の主な駅のみどりの窓口・旅行センター及び主な旅行会社となっており、同駅のような簡易委託駅で発売されている例は、ある程度の需要がある駅に限られているようで、常備券での発見例はあまり多くはないようです。
裏面のご案内文です。
特急および急行列車の自由席に乗車できる旨が記載されていますが、急行列車の運転は無く、事実上特急列車用である位置づけになっています。
区間内の途中下車は出来ませんが、2時間以上の列車遅延が起きた場合、運賃部分を差し引いた「特払額」という急行料金部分について払い戻しをする旨の記載があります。
「(ご案内)」の右側にある「〇自」は自由席を示すものと思われます。
東京メトロ 荻窪駅発行第一種特別補充券
前回エントリーの図補同様、東京メトロが発足した平成16年4月に丸ノ内線「〇地」荻窪駅で発行された、第一種特別補充券です。
青色JPRてつどう地紋のノンカーボン紙となっています。
同社の第一種特別補充券は、図補同様に地紋と社名の部分に変更がありますが、こちらも営団地下鉄(帝都高速度交通営団)のものが普通紙にカーボン紙を挟んで記入するものから、東京メトロに切り替わったタイミングでノンカーボンに券紙が変更されています。
ノンカーボンなので記入する際には乙片と甲片の間にカーボンを挟まずに記入することができますが、同駅ではその認識が無かったようで、東京メトロになってからもカーボン紙を挟んで記入していました。
私は初めて見る券でノンカーボンになったことは知りませんでしたので、目の前でカーボン紙を挟んで書いていても、何の違和感もありませんでした。
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