トシ子さんや。
なんですか?じいさん。
メシはまだかのう?
いやですよーアナタ
さっき食べたじゃないですか。
はて?
そうだったかのぉ
さてばあさんや
なんです?じいさん。
メシはまだかのぉ。
いやですよーアナタ
さっき食べたじゃないですか。
さてばあさんや・・
って何やらせるんじゃい!(笑)
あら
乗るほうがわるいんじゃないですかーーー
ハイハイ
で、トシ子さんや。
なんですか?じいさん。
もうええっちゅうねん(笑)
スイマセン。
最近、質問がないけど?
あら、この前、ネタはたくさん溜まってるって書いてたじゃないですか。
うんたしかにそりゃ事実やけど
やっぱりその場で回答せんとね。
あとからだとライブ感がなくなるがよ。
そうなんですね。
ありますよ、たくさん。
たとえば?
番線ってあるじゃないですか。
あの「番」って
どういう「番」なの?
とか。
セパレートっていうのは
「分ける」とか「分かれている」とかいう意味なのに
型枠に使うセパレーターは「つなぐ」もの。
あれってなぜ?
とか。
ほー
ええ質問やね。
じゃあ番線からいく?
いや
それはあと回しでもいいです。
今イチバン知りたいのは
なんで「りゅうべえ」っていうかってことなんです。
「りゅうべえ」って
あの
「りゅうべえ」のこと?
そうです。
「立」に「米」と書いて
「りゅうべえ(立米)」っていうじゃないですか。
立方メートルのことですよねぇ?
どうして「りゅうべえ」なんですか?
なんか
久兵衛とか源右衛門とか熊五郎とか
時代劇に出てくる名前みたいで
変な感じですよね。
ああ
そんなもんかねえ。
ワシらは慣れちゅうキ、どうとも思わんけどね。
言われてみればたしかに。
最初に聞いたときはみんな違和感があったと思いますよ。
ナルホドね。
でもそれって大事やね。
で
そもそもよ
立方メートルは立米(りゅうべい)
平方メートルは平米(へいべい)
「立」と「平」のちがいはわかるよね。
はい。
立方は立体で平方は平面ですよね。
そうそう、そんな感じ。
問題はそのあとの「米」。
これもぜんぜんむずかしくない。
そもそもメートルを漢字で書くとどんな字か知っちょったらわかる。
え?
もしかして
メートルが「米」っていう漢字なんですか?
うん
まちがいではない。
というか、いちおう正解。
実際、メートルってキーボードに打ち込んで変換すると
「米」っていう漢字が出てくる。
なんで「米」なんですか?
アメリカって「米国」って書くじゃないですか。
アレといっしょなんですか?
あー米国ねえ
そう、基本的に成り立ちはいっしょ。
明治時代にアメリカをあらわす漢字表記は亜墨利加とか亜米利加。
この字面をながめたら
なんとなくどうしてかがわかってくるはず。
当て字ですか?
そういうこと。
そうやって
元の地名をあらわす音に近い漢字を当てはめる方法を
音訳と呼ぶ。
これが昔、外国地名を漢字化するのに採用されたやり方のうち
もっともポピュラーなもんやね
で
メートルよ。
メートルは漢字で書いたら「米突」ながよ。
声に出して呼んでみ。
コメツキ?
バッタか!(笑)
メーツキ?
メーツク?
えーーー
どうしてもメートルとは読めません。
まあ
そこはそれということにせんと前に進まんので
米突=メートル。
わかった?
ええまあ
納得できんけど・・
納得できんでもええの。
なんでもかんでも納得してからじゃないと
というスタイルでは
ものごと前に進めん。
ということで
いつのまにか「突」が省略されて
「米」一字だけでメートルと読むようになったというわけやね。
ちなみに
知識として知っちょったらえいけど
その関連で長さの単位をあらわす漢字には
「米」を偏とするものが多い。
ミリメートルは「粍」
センチメートルは「糎」
キロメートルは「粁」
ね
全部「米」やろ。
へー知らなかった。
意外とものしりなんですね。
「意外と」はよけいじゃ(笑)
で
ここからはワシの推測やけど
立方米、平方米っていう漢字は
いつのころからか立米や平米と略されるようになって
その呼び名も
りっぽうめーとる
とか
へいほうめーとる
では長いので
「りゅうべい(りゅうべえ)」
「へいべい(へえべえ)」
と省略するようになって今に至った。
つまり
もともとはメートルの音訳やったはずの「米」という漢字を
今度は「べい」と音読して使うという
なんやようわからんことになった。
とこういうわけやろね、たぶん。
な~んだ。
説明が長かったわりには
内容はかんたんでしたね。
すまんねえ (-_-;)
いえいえ
今回もタメになりました。
またよろしくお願いします。
はいはい。
いつでもOK。
ていうか・・・
「番線」と「セパレーター」にまだ答えてなかったねえ。
あ、
わたし忙しいんで
これぐらいにしといてあげます。
なんじゃそりゃ。
「しといてあげる」って。
ま、ええか。
またじいさんに付き合ってください。
よろしくお願いします。
と
いつのまにか主客転倒。
すっかりトシ子さんにペースを握られてしまったおじさんなのでした。
(宮内)
参考サイト
『なぜm2を平米、m3を立米というのか』(「悪循環閑話」より)
『米をメートルと読むのはなぜ?』(「アウルプロパティ代表尾藤弘子の不動産情報」より)
『外国地名および国名の漢字表記一覧』(「ウィキペディア」より)
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