土木のしごと - (有)礒部組現場情報

地域のためにはたらき、ふつうの暮らしを支える人たち。(有)礒部組とその仲間たちのたのしくゆかいな面々。日々是土木。

丁を張る(丁張りの意味とその語源) 〜トシ子さんの疑問に答える(その22)

2022年03月28日 | トシ子さんの疑問に答える

 

 

トシ子さんや

 

なんですか?

じいさん

 

メシはまだかのう?

 

いやですよぉアナタ

さっき食べたじゃないですか

 

はて?

そうだったかのぉ

さてばあさんや

 

なんです?

じいさん

 

って

このパターン

前もやりましたよ!

ホントにボケたんですか?

 

いやいや

ちょっとアンタを試してみただけ

どうやら記憶力はわるうないようやな

 

もー

なんですか?

 

このシリーズをはじめたころ

丁張りってなんですか?

ていう質問をしたの

覚えてる?

 

覚えてますよ

こんなもん

ていうのは教えてくれたけど

じゃあどうして丁張りっていうんですか?

って聞いたら

宿題にさせてくれ

って言ってそれっきり

 

おー

よぉ覚えちゅうこと

優秀優秀なかなか優秀

 

で?

わかったんですか?

 

いや

はっきりとはわからん

 

なんですのんソレ

 

はっきりとはわからんが

まあ大体これじゃなかろうか

というまでは見当がついた

 

ハイ

教えてください

 

あのときも言ったと思うけど

丁張り

っていうのは

盛土や切土

それから擁壁(ようへき)や水路などの構造物

などなどのいろんなモノをつくるために目安や基準とする

杭と板でつくった定規みたいなもんやね

遣り形(やりかた)っていう言い方もする

 

あれで

高さや幅や勾配なんかを示すんでしたよね

 

そうそう

こんなやつ

 

 

 

 

イラストは『つちとき』さんより拝借

 

 

 

 

その語源よ

 

そうそう

その語源よ

 

マネすんな

 

マネすんな

 

マネすんな

って言うた方が

マネすんな

 

マネすんな

って言うた方が

マネすんな

 

アホ

 

アホ

 

アホって言うた方がアホじゃ

 

アホって言うた方がアホじゃ

 

もう

アンタと話してたら疲れるわ

 

うれしいくせに

 

いいから

その語源よ

 

あれからすぐ

これかなぁというのを見つけたがやけどね

それがイマイチ裏づけが取れなくてね

その根拠を探したりしよってね

ほんでそのままになってしもうたがよ

 

ハイ

許します

丁張りの由来とは?

 

うん

まず「丁」っていう言葉の意味からいこう

時代劇なんかで「丁か半か」って言ってるのをみたことあると思うけど

あれはサイコロの目が偶数か奇数かっていうこと

つまり「丁」っていうのが偶数やね

他の使い方としては豆腐の数

豆腐は半丁一丁って数えるよね

あと天丼一丁とかラーメン一丁とか

食べ物の一人前を数えるのにも「丁」を使うことがあるよね

最後に銀座八丁目とか有楽町三丁目とか

市街地の区分けにも使うよね

つまり「丁」=「町」や

他にも「丁」という漢字が意味するものはけっこう多いけど

丁張りの「丁」は

どうも最後の○丁目の「丁」らしい

 

ワシ

最近よく落語を聴くやんか

 

ええ

知ってます

物知りのご隠居さんになろうとしてるんでしょ?

 

そんなんちゃうわい

なんちゅうか

「江戸の風」

ちゅうかね

そういう雰囲気にひたると

気分がリラックスするっちゅうかね

落語にはね

もちろんこの場合の落語は古典落語やけど

大工が登場するネタがいっぱいあってね

 

「大工調べ」立川志らく

 

 

そこでよく出てくるのが

「丁場」っていう言葉ながよ

 

ちょーば

ですか?

 

そう丁場

 

チョベリバ

みたいな?

 

 

 

 

(笑)

アンタもそんなに若くないね

もちろんチョベリバではない

ちょーば

 

大工が自分の仕事場のことを

丁場

っていうシーンがよくあるわけよ

この丁場っていうのは

今では独立して使われることはほとんどないけど

建設用語として残ってないかというとそうでもなくて

野丁場

とか

出会い丁場

とか

れっきとした現役用語でもあるわけ

そうそう

お化け丁場

っていうのもあるね

 

え?

「お化け丁場」ですか?

 

うん

宮沢賢治の作品に『化物丁場』っていうのもある

 

 

 

 

あと

採石場や石切場のことも

昔から丁場って呼ばれてたみたいで

むかし石を切り出していたところへ行くと

ナントカ丁場っていう名前が残ってるのが

全国各地にあるみたい

 

 

大阪城石丁場跡(小豆島石丁場跡)国指定史跡

小豆島町ホームページ』より

 

 

 

つまり

丁場っていうのは

今でいう工事現場のことやね

 

丁場=現場か・・

 

そう

それはマチガイない

 

でね

アンタに質問されて調べていくうちに

すぐ

「これかなぁ」

っていうのを見つけたって言うたやろ

それがココ

→『Yahoo知恵袋 土木工事で言うちょうはりってその語源は何なんですか?

 

そこにはね

こんなことが書かれちゅうがよ

 

江戸時代、町場(町奉行の管轄地)や庭場(寺社奉行の管轄地)に対して埋立地や造成地を野丁場と呼んだこと。

それはどこの管轄にも属さない場所で、まだ丁の区分け(一丁目とか二丁目とか)がないこと。

そこに「丁」の区分けの線を「張る」。

これが丁張りの語源のひとつとして考えられる。

 

う~ん

わたしにはなんかよくわかりません

 

そうやろ?

ワシもなんかぼんやりとして・・

だからコレって言うことができんかった

 

けどね

やっぱりそこらあたりじゃないかと思うわけ

まず

丁っていうのは区分けのことやろ

そして

丁場っていうのは工事現場のことよね

つまり

工事をするために区分けされた場所のことを丁場っていう

家を建てるとき

イチバン最初に大工さんが板で四角に区切るのを見たことないか?

 

あります

うちの家を建てるときもそうしました

 

そうか

それやったら話が早い

イメージとするとこんなんやね

 

 

画像は『オリーブホーム』さんより拝借

 

 

これが家の基礎のカタチ

 

他の人からすれば

ここにこれぐらいの家ができますよっていうことがこの板で一目瞭然となって

大工さんたちにとっては

この中が自分の丁場なんだっていうことになる

つまり

「丁」の区分けを「張る」

これが丁張りの元祖でマチガイないんじゃないかと思うわけ

 

それが徐々に土木の世界へも広まって

いろんなモノをつくったり

いろんな作業をしたりするときの

目安となって基準となる杭と板でできたものを

「丁張り」って呼ぶのが一般的になった。

これがワシの結論やね。

 

ハイ

じゃあわたしもその結論に一票!

 

ありがとう

たまにはワシに賛同してくれることもあるがやね

 

あら

いつもですよ

素直にきいてます

 

う、うん

ま、ええわ

 

あらやだ

なんか含みのあるその言い方

 

いえいえ

そんなもん

まったくございません

貴女のおかげで日々勉強させてもらってます

 

うん

わかればよろしい

 

なんでやねん

もうええわ(笑)

 

 

 

 

以上、今回の『トシ子さんの疑問に答える』は「丁張り」についてでした。

参考にさせてもらったサイトは次のとおりです。

 

丁とは ーコトバンク

丁場(ちょうば)

Yahoo知恵袋 土木工事で言うちょうはりってその語源は何なんですか?

法面には法丁張!元ゼネコンマンが解説!

 

 

 

↑↑ 採用情報

 

 

↑↑ インスタグラム ーisobegumi

 

 

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