(北海道新聞10/21 14:02)
【伊達】アイヌ民族による17世紀の畑の畝が確認されている伊達市向有珠町のポンマ遺跡で20日、地質学を専門とする北海道開拓記念館の添田雄二学芸員らが発掘調査を始めた。近世アイヌ文化期(17~19世紀)の環境変化と人々の暮らしの解明が狙い。地層の断面をはぎ取り、展示用資料の作成にも取り組む。
同遺跡では、1998年に市教委が発掘調査。1663年の有珠山噴火で火山灰に埋もれた畝や、アイヌ民族の貝塚などが見つかった。同記念館の山田悟郎学芸員が分析、アイヌ民族は畑作を行っていたという研究結果をまとめている。
今回の発掘は24日までの5日間、添田学芸員や市噴火湾文化研究所の青野友哉学芸員ら8人が実施。寒冷化した時期のアイヌ民族の生活や、自然災害の影響などを解明する。
添田学芸員によると、近世アイヌ文化期の道内は現在より平均気温が2~5度低く、寒さに強いヒエが多く栽培された。ポンマ遺跡でもその確認を狙い、花粉や炭化した種子を採取・分析。「ほかに耕作した根菜類も特定できれば」と話す。
また40年の駒ケ岳噴火では火山灰が遺跡に積もったほか、津波による堆積物も1998年調査で確認されている。今回は実際に土を採取し、プランクトンの有無など成分を分析し津波を裏付ける。
この日は仮掘りを行い有珠山噴火の火山灰を確認。調査後は2度の火山灰と畝、津波の砂が残る地層断面を探し、はぎ取り、標本も作る。近世アイヌ文化期の自然災害と人の生活の両面を持つ資料ができれば道内でも珍しく、同記念館や同研究所内に展示する予定だ。(土屋幸宏)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki/195582.html
【伊達】アイヌ民族による17世紀の畑の畝が確認されている伊達市向有珠町のポンマ遺跡で20日、地質学を専門とする北海道開拓記念館の添田雄二学芸員らが発掘調査を始めた。近世アイヌ文化期(17~19世紀)の環境変化と人々の暮らしの解明が狙い。地層の断面をはぎ取り、展示用資料の作成にも取り組む。
同遺跡では、1998年に市教委が発掘調査。1663年の有珠山噴火で火山灰に埋もれた畝や、アイヌ民族の貝塚などが見つかった。同記念館の山田悟郎学芸員が分析、アイヌ民族は畑作を行っていたという研究結果をまとめている。
今回の発掘は24日までの5日間、添田学芸員や市噴火湾文化研究所の青野友哉学芸員ら8人が実施。寒冷化した時期のアイヌ民族の生活や、自然災害の影響などを解明する。
添田学芸員によると、近世アイヌ文化期の道内は現在より平均気温が2~5度低く、寒さに強いヒエが多く栽培された。ポンマ遺跡でもその確認を狙い、花粉や炭化した種子を採取・分析。「ほかに耕作した根菜類も特定できれば」と話す。
また40年の駒ケ岳噴火では火山灰が遺跡に積もったほか、津波による堆積物も1998年調査で確認されている。今回は実際に土を採取し、プランクトンの有無など成分を分析し津波を裏付ける。
この日は仮掘りを行い有珠山噴火の火山灰を確認。調査後は2度の火山灰と畝、津波の砂が残る地層断面を探し、はぎ取り、標本も作る。近世アイヌ文化期の自然災害と人の生活の両面を持つ資料ができれば道内でも珍しく、同記念館や同研究所内に展示する予定だ。(土屋幸宏)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki/195582.html