朝日新聞 2014年11月20日03時00分 溝口太郎
ニュージーランド北島にある原住民ワイタハ族の聖地で行われた祭典に10月、鶴岡市羽黒町で宿坊を営む羽黒山伏の星野文紘さん(68)が招かれ、同じ山伏でデザイナーの三浦雄大さん(34)と2人で、修験道の護摩の火をたいて住民の繁栄を祈った。交流後、2人は「自然に平和や繁栄を祈る思いは世界に通じる」と語った。
2人が参加したのは、ニュージーランド最古の原住民とされるワイタハ族が、50年に一度、気象や水を占うため続けてきた「ウォーター・ギャザリング」という祭典。
開催地のワイタンギは、1840年に原住民と英国が植民地化の条約を交わした地。祭典は植民地化以降は限られた人の中だけでひっそり続けられてきたが、自然の英知や教えを子孫に伝え、世界と共有しようと、今年初めて北米やオーストラリア、ネパールなど世界各国の先住民や祭司らが招かれた。出羽三山を訪れたワイタハ族の長老と交流のあった星野さんも、その1人として招かれたという。
護摩をたいたのは、祭り初日の10月15日午前5時。現地の木の枝を集めて高さ2メートルの箱形に積み上げ、日本から運んだ結界の注連(しめ)を張った。ワイタハ族や世界の先住民ら200人が見守る中、朝焼けの空を染めるように炎が上がったという。
帰国した三浦さんは「抑圧された歴史を振り返ったのか、よみがえった炎を見て大勢の人が涙を流していた。平和や繁栄を祈る思いを共有できて本当にうれしかった」。星野さんは「水や炎、自然は人間が生きていく命の源。次は庄内に世界の先住民を招いてサミットを開きたいと強く思った」と話した。
http://www.asahi.com/articles/ASGCC5WV1GCCUZHB00L.html
ニュージーランド北島にある原住民ワイタハ族の聖地で行われた祭典に10月、鶴岡市羽黒町で宿坊を営む羽黒山伏の星野文紘さん(68)が招かれ、同じ山伏でデザイナーの三浦雄大さん(34)と2人で、修験道の護摩の火をたいて住民の繁栄を祈った。交流後、2人は「自然に平和や繁栄を祈る思いは世界に通じる」と語った。
2人が参加したのは、ニュージーランド最古の原住民とされるワイタハ族が、50年に一度、気象や水を占うため続けてきた「ウォーター・ギャザリング」という祭典。
開催地のワイタンギは、1840年に原住民と英国が植民地化の条約を交わした地。祭典は植民地化以降は限られた人の中だけでひっそり続けられてきたが、自然の英知や教えを子孫に伝え、世界と共有しようと、今年初めて北米やオーストラリア、ネパールなど世界各国の先住民や祭司らが招かれた。出羽三山を訪れたワイタハ族の長老と交流のあった星野さんも、その1人として招かれたという。
護摩をたいたのは、祭り初日の10月15日午前5時。現地の木の枝を集めて高さ2メートルの箱形に積み上げ、日本から運んだ結界の注連(しめ)を張った。ワイタハ族や世界の先住民ら200人が見守る中、朝焼けの空を染めるように炎が上がったという。
帰国した三浦さんは「抑圧された歴史を振り返ったのか、よみがえった炎を見て大勢の人が涙を流していた。平和や繁栄を祈る思いを共有できて本当にうれしかった」。星野さんは「水や炎、自然は人間が生きていく命の源。次は庄内に世界の先住民を招いてサミットを開きたいと強く思った」と話した。
http://www.asahi.com/articles/ASGCC5WV1GCCUZHB00L.html