SankeiBiz2017.4.15 05:00
2016年はリオデジャネイロオリンピックが開催され、ブラジルが世界から注目された。ぐるなび総研が発表した同年の「今年の一皿」でも、特別国際賞にブラジルの肉料理であるシュラスコが選定され、その食文化が日本でも知られるようになってきた。交流の歴史が長い両国だが食を通じて一層身近になってきた。
ぐるなび総研は3月16日、駐日ブラジル連邦共和国大使館とぐるなびの3者共同で、サンパウロ「D.O.M.」のオーナーシェフであるアレックス・アタラ氏による特別セミナーを開催した。アタラ氏のレストランは、イギリスの雑誌が選ぶ「世界のベストレストラン50」で常に上位にランクイン。世界のガストロノミー界に大きな影響力を持つ、ブラジル料理に革命を起こすトップシェフである。ぐるなび総研が日本の料理人とのネットワークを生かし、80人の受講者を募集したところ、すぐに定員に到達した。日本料理界を代表するような料理人も数多く足を運んでいた。
当日は、「ブラジルの多彩な食文化、サスティナビリティ」をテーマに、食の持続可能性に向き合ってきた経験が語られた。アタラ氏は、レストランとは別にATA研究所を設立し、食のプロジェクトを実行。広大な国土ゆえ輸送費がかさみ大市場に農畜産物が出荷できない問題を、地方の市場の復活で解消したことなどを発表した。
また、ブラジルの先住民族の食文化、アマゾンの食材を取り入れたコンテンポラリーなブラジル料理の事例をビデオで紹介。講演後には、アタラ氏によって日本料理にインスパイアされたブラジル料理が用意され、受講者に振る舞われた。
アタラ氏の熱のこもった講演に、日本料理界の若手からベテランまでの料理人は熱心に耳を傾け、会場は一体となった。15年の若手料理人コンペティション「RED U-35」でグランプリを獲得した中国料理の篠原裕幸さんは、「アタラさんのような立場でも情熱を持って飽きずに料理を探究する姿勢に感銘を受けました。僕としても環境に気を使いながら自分の世代も次の世代も料理人という仕事が続けられるようにしたい」と語った。
フランス料理「エディション・コウジ シモムラ」の下村浩司さんは、ブラジルの今後にも注目。「アタラ氏の功績を踏まえ、今後、ブラジルのガストロノミーがどう進むか、アマゾンがどうクローズアップされるかに期待しています」とエールを送った。
ブラジルからやって来た世界のトップシェフのセミナーは日本の料理人にも刺激となったようだ。ぐるなびは、料理人の志を高め日本の料理界がますます発展することを願いたい。
http://www.sankeibiz.jp/business/news/170414/bsd1704142154011-n1.htm
2016年はリオデジャネイロオリンピックが開催され、ブラジルが世界から注目された。ぐるなび総研が発表した同年の「今年の一皿」でも、特別国際賞にブラジルの肉料理であるシュラスコが選定され、その食文化が日本でも知られるようになってきた。交流の歴史が長い両国だが食を通じて一層身近になってきた。
ぐるなび総研は3月16日、駐日ブラジル連邦共和国大使館とぐるなびの3者共同で、サンパウロ「D.O.M.」のオーナーシェフであるアレックス・アタラ氏による特別セミナーを開催した。アタラ氏のレストランは、イギリスの雑誌が選ぶ「世界のベストレストラン50」で常に上位にランクイン。世界のガストロノミー界に大きな影響力を持つ、ブラジル料理に革命を起こすトップシェフである。ぐるなび総研が日本の料理人とのネットワークを生かし、80人の受講者を募集したところ、すぐに定員に到達した。日本料理界を代表するような料理人も数多く足を運んでいた。
当日は、「ブラジルの多彩な食文化、サスティナビリティ」をテーマに、食の持続可能性に向き合ってきた経験が語られた。アタラ氏は、レストランとは別にATA研究所を設立し、食のプロジェクトを実行。広大な国土ゆえ輸送費がかさみ大市場に農畜産物が出荷できない問題を、地方の市場の復活で解消したことなどを発表した。
また、ブラジルの先住民族の食文化、アマゾンの食材を取り入れたコンテンポラリーなブラジル料理の事例をビデオで紹介。講演後には、アタラ氏によって日本料理にインスパイアされたブラジル料理が用意され、受講者に振る舞われた。
アタラ氏の熱のこもった講演に、日本料理界の若手からベテランまでの料理人は熱心に耳を傾け、会場は一体となった。15年の若手料理人コンペティション「RED U-35」でグランプリを獲得した中国料理の篠原裕幸さんは、「アタラさんのような立場でも情熱を持って飽きずに料理を探究する姿勢に感銘を受けました。僕としても環境に気を使いながら自分の世代も次の世代も料理人という仕事が続けられるようにしたい」と語った。
フランス料理「エディション・コウジ シモムラ」の下村浩司さんは、ブラジルの今後にも注目。「アタラ氏の功績を踏まえ、今後、ブラジルのガストロノミーがどう進むか、アマゾンがどうクローズアップされるかに期待しています」とエールを送った。
ブラジルからやって来た世界のトップシェフのセミナーは日本の料理人にも刺激となったようだ。ぐるなびは、料理人の志を高め日本の料理界がますます発展することを願いたい。
http://www.sankeibiz.jp/business/news/170414/bsd1704142154011-n1.htm