note 2020/11/18 15:43 小檜山青 Sei KOBIYAMA

トップ画像はサハリン州の海。
犬橇で旅をする杉元一行。彼らは悪天候、急に崩れた吹雪に阻まれてしまうのでした。
北海道犬と樺太犬
ここでは犬のリュウのことでも。リュウが逸れた道に行こうとしたと杉元たちは判断してしまいます。
リュウは北海道犬です。リュウは北海道犬ではなくアイヌ犬ではないかという指摘を以前受けましたが、犬種登録の際にアイヌが飼育していた猟犬が「北海道犬」にされた経緯があります。
他の犬は樺太犬。この犬種は極地探検でも用いられ、映画『南極物語』タロとジロが有名です。しかし、現在では絶滅したとされています。
日本の在来犬は、秋田犬ほど有名でもなければ、ほぼ絶滅しているという悲しい状況があります。
明治以降の西洋犬ブーム到来。
和犬の価値が低下し、治安維持、疫病予防観点からも、殺処分されることに。
第二次世界大戦時の殺処分。
動物保全への認識不足。
こうした状況が重なり、各地にいた在来種が絶滅してしまったのです。日本各地に、その土地由来の犬がかつてはいたものの、消えていってしまいました。西洋犬種は原産国までたどれるものの、和犬はそうはいかない。西郷隆盛が愛した薩摩犬ですら、絶滅したのではないかとされていました。ただ、交雑していたり、ひっそりと生き延びていたりするので、絶滅と確定できない部分もあるので、なかなか難しいものはある。
リュウと一緒に犬橇を引く仲間たちも消えていったというのは、悲しいことなのです。
日本犬(全国の地犬)が絶滅寸前の理由をご存知? 知られざる和犬の歴史 https://bushoojapan.com/jphistory/food-jp/2020/11/08/110250 #武将ジャパン @bushoojapanより
アジア由来の犬のことは、ちょっと気になっておりまして。というのも、中国の時代劇でも割と西洋犬が平然と出てくる。『コウラン伝』もそうでしたね。
これは中国でも散々「ちがう! その時代にいない!」というツッコミは入るらしい。「こまけぇこたぁいいんだよ」とも言われるそうですが。
犬というのも、なまじ犬種をいろいろといじりましたからねえ。パグなんて鼻つぶしすぎて、今は虐待だから見直しがされている。今後、アジア由来の犬もきっといろいろと動きがあると思うのです。私はとても気になっているところなのです!
それにしても本作は、動物描写がかわいらしいですね。
マタギの知恵で生きる
遭難した杉元一行を救うのが、谷垣の知恵です。焚き火を土に埋める。カネ餅を食べさせる。「け(食べろ)」という東北人らしい勧め方がよいものです。
杉元も感心しています。
この場面もいろいろ考えてしまった……こういうマタギや江戸以前由来の知恵を、なまじ日本は重視していなかったのではないかと思えるのです。
マタギが凄ぇ! 熊も鹿も仕留める山の猟師たち~ゴールデンカムイでも大活躍 https://bushoojapan.com/jphistory/food-jp/2020/10/29/114358 #武将ジャパン @bushoojapanより
例えば忍術。忍術ぅ? 何いってんだ? となるかもしれませんが、かれらの知恵は合理性がある。水を飲んで食料取らないと長時間活動できないという、基礎中の基礎を忍者は使っていた。
けれども、明治のアスリートはどうか? 彼らは体重を減らすために水を飲まないようなことをしてしまう。そんなことをして長距離走ができるわけもない。金栗四三がストックホルム五輪で失踪した背景にも、こうした事情があります。
忍者の忍術(知恵)は科学的にも認められる?『麒麟がくる』の菊丸も実践 https://bushoojapan.com/bushoo/ken/2020/04/06/146040 #武将ジャパン @bushoojapanより
マラソン競技中に失踪した金栗四三、ペトレ家に救助され都市伝説となる https://bushoojapan.com/jphistory/kingendai/2018/12/18/118549 #武将ジャパン @bushoojapanより
マタギの知恵は、調べてみればみるほど、合理性がちゃんとある。山の女神相手に全裸披露するような迷信はさておき、生き残るための知恵は実に合理的で、知れば知るほど奥深いものがある。実際、幕末のマタギ部隊は戊辰戦争でも活躍している。ああいう賢い人々を、野蛮だのなんだの軽んじていたことは何なのか? 文明の驕りたかぶりじゃないかと思ってしまうのです。
これはアイヌのこともそう。アイヌの知恵を知れば知るほど、生き残るための知恵がきっちりと反映されているとわかる。アシリパの知恵はいちいち合理的ではありませんか?
ルーツをたどると、アイヌとマタギは似ている。風習や信仰にも類似点が見つかる。本州に残ったアイヌがマタギの先祖であるという説もある。それには納得感があります。本州に暮らしているアイヌは、『もののけ姫』のアシタカ、『衛府の七忍』の雪鬼こと六花(りっか) がおります。弓の形状がアイヌと同じです。
そういうことを、「土人の陋習」だの「迷信」だの、まとめて片付けてきた。そういう文明の驕りがどうしたって気になる。
これはひいてな日本の近代史にも悪い影響を落としたんじゃないか? 『ゴールデンカムイ』から思い出すのはそんなところです。マタギのいた東北。アイヌのいた北海道。こういう東日本をなんだかんだと見下し、藩閥政治や軍隊から追い出しやがって……ここまで書くと、たかが漫画に何熱くなってんだ、ってなるかもしれないけど。
でも、本作の登場人物が金塊に託して一発逆転を狙う背景には、そういう不平等への怒りがありますから。本作は登場人物の出身地が東に偏っている。そこは見ていかないと!
そんな中、杉元は寅次と出征した日露戦争のことを思い出しています。ロシア兵を殺しまくったあの時代。思えば日本は、明治維新以来、数十年おきに戦争を繰り返していました。従軍経験のある男性が少なくなった、そういう現代がいかに例外的であることか。戦争で殺傷経験がある男性が多い時代もあったのです。
そんな杉元は、梅ではなくアシリパを思い出している。アニメ版は梅のことが目立たなくなっております。のみならず、杉元の意識がアシリパに寄り添いつつあるということでもあるのでしょう。
灯台だ!
そのころ、月島と鯉登は建物をめざし、屋内に入りました。ここも鯉登らしさが出ているのですが、いちいち牛がいるとか、状況を口に出して月島に確認する。そこがちょっと子どもっぽい。そんな二人はロシア人男性に声をかけられ、階上へ向かいます。そこにあったのは灯台でした。
鯉登は灯台レンズの前をここでやたらとウロウロして、落ち着きのなさを発揮し、月島にたしなめられます。彼なりに、動き回っていないと考えが整理できないのだとは思います。鶴の字を書いたりしていますが、遊んでいるのではなくて彼なりにいろいろ考えてはいる。ただ、周囲からすると子どもっぽく見えてしまうのですが。そうそう、今回の「ゴールデン動画劇場」では鯉登が、灯台を拭く月島の手の動きをぬぼーっと見ています。ウケ狙いでもなんでもなく、彼はこういう天然ドジっ子だからさ。実は『鬼滅の刃』の冨岡義勇と同類なんですよ。シリアスかギャグか、テンションの高さは違うけど。
アニメだとちょっとわかりにくいのですが、鯉登ってまっさらな凪のような無表情になることが多いのです。
『鬼滅の刃』冨岡義勇との付き合い方~コミュ障で片付けず本質を見てみよう https://bushoojapan.com/jphistory/kingendai/2020/10/28/151624 #武将ジャパン @bushoojapanより
その灯台の瞬く灯りを見て、杉元たちはやっと光を目指して動き出します。そして灯台に到着するのでした。
味方が死にかけたのに、「どうした、大丈夫か!」でもなく、紅茶を飲んでスーシュカを食べている鯉登。ティーカップの持ち方も礼儀正しい。エノノカがソーサーにたまったお茶をすすっていますが、これも正しいマナーです。イギリス式のお茶会を知っているあたりは、海軍提督の息子らしい。当時の海軍は、なんでもかんでもイギリスから学んでおりました。
ペチカの上で温まる仲間を「ふふ……虫みたい」と言うあたりも、なんだかよくわからない。鯉登は髪が長い、主語が“私”、笑い方が“ふふ”と、中性的な要素が多いのです。薩摩隼人なのに。
このあと、ヘンケが燃やした橇を作り直し、出発できる状態になります。谷垣はリュウがかえって正しい道を行こうとしていたはずだと指摘します。犬のことを大事に思うあたりが、これまたマタギらしい。マタギと秋田犬の関係は特別です。
ここで鯉登が金槌を触ってしまい、くっつけるということをやらかす。月島にまた助けを求めている。なんか落ち着きなく触っていてのことでしょう。月島が金属と体温の温度差のせいでくっついたのだ、小便を使えばよいと告げると、杉元がかけようとします。ここで鯉登が逃げていく。彼なりに温度差由来なら、そこを解決すればいいとあたたまるものを探しに行ったのです。アニメではカットされていますが、台所で無事にはがしています。鯉登はアホのようで、失敗の理由がわかると問題解決をはかるだけの機転はあるのです。
このあと、一行は真っ赤なボルシチを囲んでいます。ロシアでは汁物をボルシチと呼ぶので、ビーツ以外で味付けした緑や白のボルシチもあるそうです。ビーツが一番有名なので、赤いイメージで間違いはないのですが。ペリメニというロシアの餃子のようなおかずも見えます。
夫妻はいつも二人だけなのでうれしいと言う。ここで鯉登が娘らしき写真を見つける。ものを見つける能力もちゃんとあるんですよ。
ここで灯台守の娘の話へ。脱走ロシア兵と駆け落ちするように、スヴェトラーナという一人娘がいなくなってしまったそうです。政府も軍も探してくれない。夫妻は日露戦争時、日本軍に灯台をひきわたしてしまった。北に灯台ができて不要になっても、娘を待ってここにいる。そんな悲しい話です。みな真剣なまなざしになり、エノノカは感極まって泣いてしまう。
この話を、島に住む娘と駆け落ちする約束をしていた一兵士として、月島はどう思い聞いているのか? 駆け落ちが成功していたら、いご草ちゃんのご両親はこの夫妻のようになっていたかもしれない。
そのスヴェトラーナの捜索を約束し、写真立てに杉元のものを入れて、一行は出発するのでした。
そんな回想シーンで見える樺太の海は穏やかな色です。海流の影響もあり、ロシアからすればこの島は温暖。夏場はちょっとしたリゾート地にすらなり得る。日本人からすれば「稲作もできない酷寒の地」であっても、ロシア人からすれば「貴重な不凍港、温暖なリゾート」になるということです。
樺太は実におもしろい要素が揃っています。
メコオヤシの話
樺太アイヌの村で、杉元たちはエノノカからメコオヤシの話を聞きます。メコオヤシとはオオヤマネコのこと。ここで鯉登は、尾形百之助のことではないかと言い出します。山猫とは、芸者を示す隠語。芸者は芸を売るだけで、客と性行為はしないという建前がある。それなのに子を宿すということは、ランクが低いものとされると。
尾形の両親にどんな交流なり事情があったかなんて、どうでもいい。ともかくそういう卑しい山猫の子だ。そう第七師団の一部が言っていたくだらない軽口なのだそうです。杉元も、月島も、尾形本人ではどうしようもない出生由来の言葉によい印象を抱いていない様子。
それなのに、鯉登はあの性格だから嫌い、私も大嫌いと言い切る。尾形もだけど、あんたも性格悪いんじゃないの? 嫌いなものは嫌いと言い切るなんて、幼稚でダメな性格なのでは? そう突っ込みたくはなる。鯉登は子どもっぽくて、そこがボンボンという後天性のようで、それだけとは思えないところもあるのです。鯉登は好き嫌いがはっきりしていて、口が悪く、自分の塩対応のせいでややこしいことになるまで気が回らないタイプとみた。
樺太で明らかになってきたところですが、鯉登ってあれだけサーカスでキャアキャア言われても、反応していないのです。あれだけチヤホヤされたら浮かれてもおかしくないのに、そういうところがない。美形で華があるけれど、第一印象のそんなイメージを覆されて、そんなに友達がいないタイプではないかと思いますが。
そして鯉登は強引に、泥棒猫は撃ち殺せと勝手な教訓をメコオヤシの話から見出している。強引に話をまとめているぞ。こういうことをやらかす奴は会話が結構めんどくさいんだな。
メコオヤシがタバコ入れを食べたのかと、チカパシもアシリパも気にしている。これも重要です。アイヌに贈って喜ばれるもの、男性向け定番がタバコ。女性向け定番が針とされてきました。どちらも珍しいのです。タバコ入れや煙管はステータスシンボルでもあり、大事なものということです。キロランケもヘンケも、煙管やタバコ入れを大事に持っていますね。
このあと、一転してアシリパ一行へ。アシリパたちもオオヤマネコと出くわしています。毛皮は高く売れるものの、肉はまずかったと語るキロランケ。アチャの話を思い出すアシリパに、もっと彼のことを知っている人物がいると語ります。
革命をめざすソフィア
その人物は、アレクサンドロフスクサハリンスキー、亜港監獄にいる――。女囚ソフィアについて語られます。
彼女は複数名の実在人物がモデルと推察できます。
◆アレクサンドル2世暗殺犯の一人、ソフィア・ペロフスカヤ:Sophia Perovskaya(1853−1881)、貴族出身。暗殺後、絞首刑。
◆ソーニャ・ゴールデンハンド: Sofia Ivanovna Blyuvshtein (スペルはBluvstein, Bluvsztejnも、1846−1904)、経歴は不明点が多い。美貌と大胆な宝石窃盗等で名を馳せた、ロシア版ロビン・フッド、鼠小僧のような義賊。サハリン州(樺太)に収監。
経歴とファーストネームを前者、義賊要素は後者ということでしょう。外見は後者が近い。
野暮と知りつつ突っ込むと、“ゴールデンハンド”という英語の愛称を牢屋でつけられたというのは、どうなのよ。おもしろければいいんです。
そんなソフィアは教養があり、勇気ある指導者でした。貴族でありながら、共産主義にめざめた。赤い女です。啓蒙、すなわち知識を得ることへの二律背反する感情が、ロシアには渦巻いていました。フランス語を話し、教養を身につけたい。けれども、そうしたら革命が起こったあの国のように、ツァーリにも危害が及びかねない――。
知識はブガチョフ(反乱指導者)を生み出してしまう。ソフィアもまさしく、そんな一人。キロランケが真っ先に彼女の教養を持ち出したのは、そんな歴史的背景があります。
共産主義云々はさておき、当時の革命家の気持ちはわかる。圧政のこともある。のみならず、ロシアはずっと、ヨーロッパとアジアの中間にある、キリスト教文明圏内でも一番下の扱いをさてきた。
鶏口となるも牛後となるなかれない――と言いますよね。西洋国家として一流になれないで見下され続けるくらいなら、共産主義国家としててっぺんとったる! ってなってもおかしくはありませんか? その共産主義は負けた、冷戦終了で終わったということにはなっている。それもどうでしょうね。ソ連を懐かしむ声もないわけじゃないし、ソ連時代に積み上げた何かだってまだまだ残存しているはずですから。
帝政ロシア・ロマノフ朝が滅亡しロシア革命が起きるまで https://bushoojapan.com/world/russian/2020/02/01/113730 #武将ジャパン @bushoojapanより
ロシア革命の微妙な百周年 プーチン大統領も発言を避けたくなるその背景 https://bushoojapan.com/world/russian/2019/11/17/108319 #武将ジャパン @bushoojapanより
そのソフィアが監獄では実にたくましくなっている……ロシア女あるあるだよな! 若い頃は妖精みたいに綺麗でも、歳をとると太ってたくましく……そういう典型例のようで、ソフィアはもっと奥深いものがあるとは感じています。大胆な目元は変わらない。同房には、なんと灯台守の娘であるスヴェトラーナもおりました。
ロシア人は美少女でも中年以降は……というネタ。これは一歩間違ったら、人種と女性差別だと思う。日本だけでなく、他の国でもある偏見のようですが。
ソフィアはそういうことでなく、中身がとてつもなくかっこいいと思う。見た目が妖精さんだろうと、ロシア人の女性はビシッと言うことを言い切ると思う。フィギュアスケート選手なんかそう。
私がサハリン州で見たロシア女性も強かった。空港の職員、フライトアテンダント、銀行員、ウェイトレス、ホテルの従業員。みなテキパキとしていて、堂々としていて、愛想笑いと無縁。そこにはダイヤモンドのような硬さと魅力があった!
銀行が終わるギリギリに向かい、もう時間がないから両替はできないと断言された時は、ちょっとがっかりしたけれど。日本ならば銀行員のお姉さんは、苦笑するだろうな。そう思った途端、敬愛みたいなものがわーっと湧き上がってきました。
そんなもん、気にしなくてよいのでは? この銀行員さんみたいにみな振る舞えば、社会にストレスがたまらないのでは? 強いというのはよいことで、魅力的なことなんだ。そういうロシア人女性のことを思い出すから、私はソフィアが好きです。動いて、声がついて、ますますいい女になったな!
囚人を救え
月島が、この島はロシア人脱獄囚がうろついているから気を付けろと警告していましたっけ。さぞや悪い奴だらけなんだろうな……とは思いますが、ここも注意が必要かもしれない。
網走監獄もそうなのですが、政治犯も含まれています。当時は今よりも政治犯の範囲が広いから、自由民権運動で捕まった人たちも収監されているわけです。北海道開拓初期は、屯田兵なり囚人を「懲罰ついでにコキ使っちゃえ」とやらかしてきました。そういう人権無茶振りチャレンジをずっとされてきたのが、“試される大地”こと北海道なのです。そういうところは、イギリスの流刑地だったオーストラリアやニュージーランドと重なるものがある。
囚人は労働力だー!
北海道開拓はとにかく過酷! 明治維新の敗者、屯田兵、新選組、囚人、ヒグマ https://bushoojapan.com/jphistory/kingendai/2020/06/22/112373 #武将ジャパン @bushoojapanより
網走監獄(網走刑務所)の歴史~本当に「凶悪犯の吹きだまり」だった? https://bushoojapan.com/jphistory/kingendai/2020/11/13/116086 #武将ジャパン @bushoojapanより
監獄、囚人。そうした要素は北海道の歴史に暗い影を落としているんですね……ソビエト連邦のシベリア抑留もある。
満州、そして南樺太、千島列島。第二次世界大戦末期、ソ連はそこから大勢の日本人を連れ去り、冤罪や微罪の名目でシベリアに送り込み、強制労働をさせたのです。
全くもって非人道的であり、許されざる話ではある。けれども、ソ連側にも言い分はあるのでしょう……。
・日本の同盟国であるドイツとの戦闘で、ソ連は膨大な犠牲を出した。人的被害も大きい。ここは補わねばならない!
・勝利で、領土を獲得できない。ならばせめて労働力が欲しい!
しかも、日本とソ連政府の合意も未解決の部分が多い。未だに遺骨が戻らない。しかも、戻ってきたと思って鑑定したら、アジア人以外の骨であったりする。
話がそれまくって申し訳ない。とはいえ、北海道の歴史には何度も何度も、ひどい目にあう虜囚が出てくる。屯田兵から始まり、シベリア抑留。囚人というモチーフがこんなに何度も出てくる漫画もそうそうないと思う。それも北海道を含めた北の大地にある歴史を思えば、納得できるところではあります。
そんなこんなで、この漫画のファンには山田風太郎『地の果ての獄』をおすすめします。北海道の監獄で看守が主人公です。
https://note.com/54seikobi85/n/nd1b432d650c9