先住民族関連ニュース

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18 伝承されてきたアイヌ語

2020-11-27 | アイヌ民族関連
北海道新聞 11/26 11:00
 「最新の施設で伝統文化に触れることができそうだ」。期待を胸に、胆振管内白老町にあるアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」を訪ねました。
 中核施設の国立アイヌ民族博物館では、展示の主な解説文はアイヌ語が一番上に表記され、次に日本語、英・中・韓の各外国語の順でした。明治期以降の政府が同化政策を採った負の歴史があるだけに、アイヌ語を第1言語としていることに感銘を受けました。
 アイヌ民族の子どもたちに同化を強いた「旧土人学校」は「アイヌ民族からアイヌ語を奪い、日本語が押しつけられ、彼らの文化と伝統を否定する場」でした。高校の日本史を基にした「いま学ぶ アイヌ民族の歴史(山川出版社)」には、そう書かれています。
 北海道博物館によると、アイヌ語が日常であまり使われなくなる中でも、大正時代にはアイヌ民族自身によって、固有の言語を伝える取り組みがありました。知里幸恵さんやその伯母金成マツさんらの功績を忘れてはなりません。「アイヌ語復興の活動がなかったら、目の前の文章も『ウポポイ』という愛称も存在しなかったかもしれない」と、伝承の大切さをあらためて胸に刻みました。
 ウポポイは「(おおぜいで)歌うこと」の意味。「ウエカリ チセ」(体験交流ホール)で、伝統衣装を身にまとった人が演じる「シノッ」(アイヌの歌・踊り・語り)を鑑賞すると、「このホールでは『ウポポイ』が体現されている」と感じました。
 同時に「ここから将来に向かって言語や文化が発信されていくんだ」と確信したのです。(小林駿太)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/484626

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グランピング、内覧会を開催 釧路湿原の遺跡

2020-11-27 | アイヌ民族関連
北海道新聞 11/26 05:00
 【釧路】釧路湿原国立公園内にある国指定史跡の北斗遺跡(釧路市)で28、29の両日、屋外の豪華キャンプ「グランピング」の実証実験が行われるのに先立ち、25日、観光関係者向けの内覧会=写真=が開かれた。
 釧路観光コンベンション協会と商社の三ツ輪商会(ともに釧路市)がアウトドア用品製造大手のスノーピーク(新潟)の協力を得て企画。環境省の補助金を活用した。
 当日は東京と道内から3組6人が参加し、湿原内のトレッキングツアーやアイヌ伝統楽器演奏、地元食材を使ったディナーなどを楽しむ。価格は1組2人で計7万7千円。文化庁などによると、国立公園内の国指定史跡でグランピングが行われるのは国内初という。
 同協会は「地域に埋もれた観光資源にアウトドアという価値を盛り込むことで観光客を呼び込みたい」と話す。三ツ輪商会は実証実験を踏まえ、来年度から事業化する方針。(今井潤)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/485249

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「ゴールデンカムイ」アイヌ語監修者が語る、アイヌの謡(うた)の圧倒的な魅力

2020-11-27 | アイヌ民族関連
山と渓谷 2020年11月27日
アイヌと神々の物語、アイヌと神々の謡
アイヌ語研究の第一人者、故・萱野茂氏が、祖母や村のフチから聞き集めたアイヌと神々の13の謡(うた)を収録した『アイヌと神々の謡』。ヤマケイ文庫『アイヌと神々の物語』の対となる名著です。北海道の白老町に「ウポポイ(民族共生象徴空間)」もオープンし、アイヌについて関心が高まる今、本書からおすすめの話をご紹介していきます。第9回は、「ゴールデンカムイ」アイヌ語監修者・千葉大学文学部教授の中川裕氏の序文を特別公開します。

アイヌ民族はさまざまな口承文芸を豊かに発展させた人たちであり、その中で物語的な内容を持ったものとしては、散文説話、神謡(しんよう)、英雄叙事詩という大きな三つのジャンルがある。このうち、散文説話については、本書の姉妹編である萱野茂『アイヌと神々の物語〜炉端で聞いたウウェペケレ〜』(ヤマケイ文庫)で紹介されているが、本書は萱野氏の収録・訳出した神謡と呼ばれるジャンルの口承文芸を中心に、一冊の本にまとめたものである。
神謡というのは、地方によってアイヌ語でカムイユカラとかオイナなどと呼ばれるものである。そのカムイユカラのカムイとユカラに、それぞれ「神」と「謡」という言葉を当てたのが神謡という訳語だが、日本にも周辺民族の口承文芸にも見られない、このユニークな物語の性格をよく言い表した名称であるので、それからまず説明していこう。
鳥や虫、火も水もカムイ
カムイというのは、この世界の中で魂を持って活動している人間以外のものすべてを指す言葉で、本書でも「神」と訳されているが、日本語の「神様」という言葉よりはずっと広い意味を持っている。
たとえば、そこいらを歩いている犬や猫などの動物、スズメやカラスなどの鳥、あるいはバッタやクモなどの虫たちもみんなカムイである。草や木もすべてカムイだし、本書にも火のカムイと水のカムイが争う話が出てくるが、私たちが生き物とはみなしていない火や水、雷などの自然現象も、それ自体がみんなカムイなのである。
そして、人間の手によってつくられた家や舟、臼(うす)や杵(きね)といった道具類にいたるまで、みんな魂を持っていて、人間と同じように笑ったり泣いたり、結婚したり嫉妬したりして暮らしていると考えられている。
カムイユカラというのは、そのカムイの目を通して語られる物語である。
たとえば本書の「マムシが人助け」という話はこう始まっている。
「わたしの家は、太い太い風倒木(ふうとうぼく)。倒木の上端へ下端へ、私の細い尾で、ぴょんぴょんと立ち、暮らしていた」
「わたし」というのは、主人公のマムシのカムイである。つまりこの話はマムシが自分の体験したことを、物語として語っているのだ。
そこに、山の上からふたりの人間の若者が走ってくる。見ると、その後を化け物グマが追いかけてくる。そこでわたしは黄金の銛(もり)を抜いて、化け物グマめがけて投げつけた。するとクマは肉が溶けて骨だけになって崩れ落ちた。
ふたりの若者は村に戻ると、わたしに感謝の祈りやお酒などの贈り物を捧げてくれた。わたしはその贈り物で宴を開き、カムイたちを招待すると、彼らはわたしをたいそうほめたたえてくれ、わたしは豊かに暮らすことができたという物語である。黄金の銛というのは、もちろんマムシの毒牙(どくが)のことであり、その毒で悪いクマが退治されたのである。
この話は最後に「今いるマムシよ、人間をも、助けるものだ。してはならないことは、人間をからかうことや、かみつくことです」という言葉で締めくくられている。
マムシというと、多くの人は恐ろしい動物、怖い生き物というイメージしかないだろう。事実、昔のアイヌの人たちでもマムシなどのヘビを恐れる人は大勢いた。しかし、だからといってヘビを見かけたらすぐ殺したりしてはいけない。そんなことをするとカムイからひどい罰を与えられるという話もよく聞かれる。
この話は、人間とマムシ双方に対して、お互いに害を与えるようなことなく、敬い合って共存しなさいということを伝えているのである。
そしてそれを人間の視点からではなく、マムシの視点で物語として語っているところが、神謡というものの非常にユニークな点である。いわば人間をとりまく自然や環境の側からこの世界や人間を見ているわけで、このようなお話を物語として毎日聞いているうちに、子供たちはそういった動物や火や水などが人間と同じ心を持った存在であるという意識を強く持つようになり、それぞれのカムイにどう接したらよいかといった知恵を身につけていったのだろう。
メロディに乗せて伝えられた物語
もうひとつのユカラという言葉は、英雄の活躍する叙事詩の呼び名としてよく知られているが、もともとは「真似る」という意味の動詞であり、またサハリン(樺太)では、「歌」という意味を表わしている。
カムイユカラというのは上で述べたように、カムイの真似をして、カムイになり代わって節(ふし)をつけて歌う物語である。そういう意味でユカラという言葉が使われているのであり、それに「謡」という訳が与えられてきた。
「謡」は「歌」とは違う。アイヌの口承文芸の中で、「歌」に相当するものは数多くあるが、それは基本的に節回しーー歌声を聞かせるためのものであって、歌詞はその場で即興的に自分の思いを歌い上げるものであったり、歌い継がれているうちに意味不明になって、よくわからないものであったりする。つまり歌詞の内容を伝えることが重要なのではなく、声を出して歌うこと自体を楽しむためのものだと言ってよい。
それに対してカムイユカラは物語としての内容を伝えることが一番の目的であり、だから能の詞章(ししょう)を意味する謡曲の「謡」の字が当てられているのである。
しかしカムイユカラもまたメロディに乗せて歌われるものであり、ただ聞いているだけでは歌と区別はつかないだろう。節のないウエペケレ「散文説話・昔話」と違って、言葉がよくわからなくても聞いているだけでも楽しいし、真似をして自分で口にしてみるとなお楽しいものである。
本書を見ると、どの話でもほぼ一行おきに「ハラカッコッ」とか「トゥカナカナ」とか、謎の言葉が繰り返されている。その部分の日本語訳を見ても何も書いていない。実はこれはサケヘと呼ばれるもので、「折り返し」と訳されることが多いが、このサケヘを繰り返してその間に本文を挟んでいくというスタイルをとるのが、他のジャンルとは違うカムイユカラの独自の演じ方なのである。
たとえて言えば、ロシア民謡の「一週間」という歌では、「日曜日に市場へ行って紡錘(つむ)と麻を買ってきた」という、それぞれの曜日ごとの仕事を歌う歌詞の後に、毎回「テュリャテュリャテュリャテュリャテュリャテュリャリャ〜」という言葉が繰り返される。サケヘというのはこの「テュリャテュリャ〜」のようなものだと思えばよい。
サケヘはその神謡の主人公であるカムイが何者であるかを示すのが、もともとの大きな役割のひとつだったと思われる。たとえば、本書の「カケスとカラス」という話のサケヘは「ハンチキキ」というものだが、この「チキキ」というのは、主人公のスズメの「チュンチュン」という鳴き声を表しているのであり、このサケヘを聞いただけで、昔の人たちは「ああこの話はスズメのカムイの話だな」とすぐにわかっただろう。
あるいは「火の女神と水の女神のけんか」と題された物語のサケヘは、「アペメルコヤンコヤンマッ アテヤテンナ」という長いものだが、この「アペメルメルコヤンコヤンマッ」というのは「火の輝きがそこに上がり上がりする女神」という意味であり、火のカムイの本名だとも言われている。「アテヤテンナ」のほうは意味がわからないが、こちらもたいてい火のカムイを主人公とする神謡についているサケヘであり、これを聞けば火のカムイの話だと思ってよい。
つまり、いわば落語家が高座に上がる時の出囃子(でばやし)のようなもので、それが鳴ると、「次に出るのは円生か」「お、いよいよ文楽の出番か」などといったことがわかるのと同じように、サケヘを聞けば、語り手が今何のカムイとして語っているのかがわかるというものであったのだろう。
ただし、本来はそうだったと思われるが、萱野茂氏の解説にあるとおり、多くの話のサケヘはもはやそれがどういう意味だったのかわからなくなっている。形が崩れて意味がわからなくなったり、かつては意味が明白だったものでも、もうその言葉を知っている人がいなくなってしまったりというようなことで、語り手自身にも何を指しているのかわからないまま、歌い継がれてきたものがたくさんあるのだと思われる。
このように説明したところで、文字からだけでは神謡がどんなふうに演じられるものかを理解するのは難しいが、現代はインターネットの発達によって、誰にでも音楽としての神謡に触れる場がある。
そのひとつが、公益財団法人アイヌ民族文化財団のホームページで公開されている、
オルシペ スウォプというコーナーである(https://www.ff-ainu.or.jp/web/learn/language/animation/index.html)。
これは、一言でいえばアイヌの口承文芸をアニメ化したもので、神謡だけでなく、散文説話や英雄叙事詩などいろいろなものがそこに上げられているが、アイヌ語でも日本語でも見たり聞いたりすることができる。アニメとしても非常にバラエティにとんだ良質の作品が並んでおり、本書と合わせて見ると、神謡というものがどんなものか良く理解できる。その中には、主人公は違うが本書収録の「カケスとカラス」と同じ話も収録されている。
世界はどんな仕組みで成り立っているのか
カムイユカラはこのように、自然の側、人間を取り巻く環境の側からこの世界を描いた物語であり、かつてのアイヌ民族の世界観に立って描かれている話である。だから、カムイユカラをじっくりと読み込んでいけば、昔のアイヌの人たちのものの考え方を理解することができる。
本書の「ムジナとクマ」という話を例にとろう。主人公はムジナ(タヌキ)で、おじいさんと一緒に暮らしているが、そのおじいさんがすっかり年をとってしまったので、アイヌのところへ客として行きたくなった、というところから話が始まる。
このおじいさんというのはクマのことだが、クマの冬眠する穴の中にムジナが一緒に入りこんでいることがあるそうで、萱野氏の解説にあるように、ムジナは「クマ神の飯炊きなので、顔に炭がついて顔が黒いものだ」と考えられているので、こういう話ができあがったのだと思われる。
アイヌのところへ客として行きたくなったというのは、「アイヌの所へ客として行くことによって若返ることができるために」と解説されているが、これは人間とその獲物となる動物との関係を示す重要な考え方である。つまり、クマがカムイ「神」であるのなら、なぜそれを人間は殺して食べてよいのかという疑問に対する答えがここにある。
アイヌの伝統的な考え方で言えば、それは動物のほうから人間のもとへ客としてやってくる行為なのである。そして、動物たちはその肉と毛皮を土産として人間に与え、人間はそのお礼にお酒や米の団子などの御馳走(ごちそう)や、ヤナギなどの木を削って作ったイナウという御幣(ごへい)などを動物たちに捧げ、その魂をカムイの世界に送り返すのである。
そのようにしてもとの世界に戻った動物たちは、人間界から贈られたもので良い暮らしをし、再び若い肉体を身にまとって、人間世界を訪れる。狩というものは、そのような人間と動物の相互利益をもたらす行為だと考えられていた。
だから、クマのおじいさんは、わざわざ古い土を内側に入れて、新しい土を外へ出すようにムジナに言いつける。ふたりの住んでいるのは山の中のクマの巣穴であり、その穴の外に新しい土が出ていたら、人間たちはそこに今年クマが冬眠していることを知って、狩にやってくる、つまり客として迎えにくるからである。
外に出たクマとムジナは人間に矢を射られて死んでしまうのだが、話はそのまま途切れずに続いていく。死んだのは肉体だけであり、魂のほうは不滅であるので、ムジナはそのまま自分の目でみたことを語り続けていくからである。
このように、このひとつの話からでも、かつてのアイヌの人たちの考え方を読み取ることができる。本書の物語の数々はお話として面白いだけでなく、今私たちが見ているのとは違うこの世界の見方をそこから教えてくれるのである。
カムイユカラというのは、かつてのアイヌの人たちにとって歌のように歌われる楽しい物語であり、同時にこの世界の仕組みを教えてくれる大切な教科書だったのである。
千葉大学文学部教授、「ゴールデンカムイ」アイヌ語監修者
中川 裕
※本記事は『アイヌと神々の謡~カムイユカラと子守歌~』(山と溪谷社)からの抜粋です
『アイヌと神々の謡~カムイユカラと子守歌~』
著者が聞き集めた13のカムイユカラと子守歌を日本語とアイヌ語の併記でわかりやすく紹介。好評発売中のヤマケイ文庫『アイヌと神々の物語』の続編であり、完結編!
池澤夏樹氏、推薦!
著者:萱野 茂
発売日:2020年8月14日
価格:本体価格1100円(税別)
仕様:文庫488ページ
ISBNコード:978-4635048903
詳細URL:http://www.yamakei.co.jp/products/2820048900​.html
https://www.yamakei-online.com/yama-ya/detail.php?id=1267

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TEAM NACSがアイヌ文化を体験しながら謎解きに挑戦!『ハナタレナックス』SP

2020-11-27 | アイヌ民族関連
マイナビニュース 2020/11/26 16:00

北海道を拠点に活躍する個性豊かな5人組演劇ユニット「TEAM NACS」(森崎博之、安田顕、戸次重幸、大泉洋、音尾琢真)が出演するHTB(北海道テレビ)制作の深夜バラエティー『ハナタレナックス』のスペシャル番組『ハナタレナックスSP ウポポイに隠された美しき宝を探せ!』が、12月9日(水曜 19:00~ 北海道地区のみ)に放送される。
タイトルは『ハナタレナックスSP ウポポイに隠された美しき宝を探せ!』。今年7月、北海道白老町ポロト湖畔に誕生した新スポット・民族共生象徴空間「ウポポイ」を舞台に、そのオフィシャルサポーターを務めるTEAM NACSの5人が広大な敷地を駆け回り、基本的なアイヌ語から伝統舞踊に楽器、工芸、風習、そして絶品料理まで魅力あふれるアイヌ文化を体験。謎解きゲームに挑みながら施設の魅力に迫っていく。
「TEAM NACS」のメンバーは、「いつもありがとうございます。この度、2回目のゴールデン放送ということで夜の見やすい時間帯に移動しての放送になります。私たちがオフィシャルサポーターを務めておりますので、ウポポイの魅力を余すところなくお伝えさせて頂きます。絶対みて下さい!」(森崎)、「ぜひ、ご覧ください!」(安田)、「アイヌ文化の再発見、楽しいです。ぜひご覧ください」(戸次)、「我々チームナックスがオフィシャルサポーターを務めますウポポイを、余すところなくご紹介しております。これからもどうぞ、大泉洋をご覧ください!」(大泉)、「ウポポイ、この冬、一番いいスポットです。お待ちしています」(音尾)とメッセージを寄せている。
https://news.mynavi.jp/article/20201126-1530941/

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豪テルストラ、先住民族に不適切販売 罰金3700万ドル支払いへ

2020-11-27 | 先住民族関連
ロイター 2020年11月26日2:25
[26日 ロイター] - オーストラリアの通信最大手テルストラは26日、支払い能力のない先住民族100人以上に適切な説明をせずに、後払いの携帯電話端末を販売したとして、5000万豪ドル(3680万ドル)の罰金支払いに同意したことを明らかにした。
2016年1月から2018年8月にかけて契約販売店5店が先住民族108人と契約を締結した際に「不道徳な行為」があったとしている。
同社のアンドルー・ペン最高経営責任者(CEO)は「不適切な契約を結んだのは、ごく一部の契約販売店だが、顧客に多大な迷惑をかけた」と表明。被害を受けた顧客に全額を返金するなど、是正措置を講じていることを明らかにした。
競争・消費者委員会(ACCC)によると、被害に遭った先住民族の多くは、英語が第一言語ではなく、契約書の内容を理解するのが難しかった。失業者や年金生活者も多く、ある顧客は同社の不適切な販売で1万9000豪ドル以上の借金を抱えたという。
https://jp.reuters.com/article/australia-regulator-telstra-corp-idJPKBN2860C3

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WWFの人権侵害疑惑、独立調査報告書を発表

2020-11-27 | 先住民族関連
BBC 2020年11月26日
世界自然保護基金(WWF)は24日、活動に人権侵害が含まれていたという報道を受けた調査報告書を発表し、「改善に向け努力する」と述べた。
米バズフィード・ニュースは昨年、WWFで行われた人権侵害について報道。WWFが資金を提供し協力していた密猟警備員が、アジアやアフリカの国立公園で拷問や殺人を行ったという疑惑を指摘していた。
WWFは160ページにわたる報告書の中で「被害を受けた人に対して深く果てしない悲しみを感じている」と述べるとともに、「透明性を高めるべきだった」、「人権を守るよう、各国政府にもっと働きかけるべきだった」と分析した。
一方で、報告書では「後悔の念が見られない」として、謝罪や運営体制の変革を求める声も上がっている。
WWFの人権侵害疑惑とは
バズフィード・ニュースは昨年3月、一連の記事を発表し、WWFが「密猟と戦うために非合法で残酷な武装組織」に資金を提供していると批判した。
それによると、ネパールやカメルーンなどの自然保護区で、武装した警備員が先住民族や住民に対し、銃で撃つ、意識がなくなるまで殴る、性的暴行や鞭打ちを加えるといった加害行動を行っていた。
また、WWFはこれらの警備員に資金や武器を与え、協力しており、一連の人権侵害に目をつむっていたWWF職員もいたと批判した。
バズフィードは6カ国で1年間にわたり、100人以上からの聞き取りや何千ページにおよぶ文書をもとに、調査を行ったという。これには極秘文書や内部予算、武器購入に関する電子メールなどが含まれている。
バズフィードの報道後、WWFは独立調査委員会を立ち上げ、迅速な調査を約束。調査は過去に連人権高等弁務官を務めたナヴァネセム・ピレイ氏が主導した。
「政府との摩擦を避けるため」
調査委員会によると、疑惑の加害行動をWWFの職員が指揮したり、参加したりしたという証拠はなかった。
また、加害行動を行ったとされる人物を雇っていたのは、WWFではなく各国政府だったという。
一方で、疑惑に対するWWFの対応には問題があったと指摘。特に地元政府との協力体制や、訴えをどう取り扱ったかなどを批判している。
報告書では、コンゴ民主共和国(旧ザイール)のサロンガ自然公園での活動を例示した。
ここではWWF職員が「自然保護員による人権侵害の可能性に気付いていた」ものの、「加害行為を阻止し対応するための効果的な施策を策定しなかった」としている。
A gorilla in a national park in DR Congo
画像提供,GETTY IMAGES
画像説明,
コンゴ民主共和国のサロンガ自然公園には、ゴリラなどの絶滅危惧種が生息している
2016年には職員がコンゴでの人権侵害疑惑を上層部に報告。WWFの同国幹部が調査を決定したものの、地元の自然保護団体からの反発を「考慮した結果」、調査は行われたかったという。
調査委員会は、「たとえWWFが現地政府との摩擦回避を望んだとしても、人権尊重の責任が回避できるわけではない」と指摘した。
さらに、WWFは近年まで「コンゴ盆地やネパール、インドの保護員による人権侵害疑惑をめぐる訴えに(中略)一貫性があって統一的な解決策を示そうとしてこなかった」としている。
また、WWFの名の下で活動している各国・地域の団体が数多くあることから、WWFの「多様で複雑な構造」が、こうした訴えの扱いを「さらに複雑化」させていると述べた。
委員会はWWFに対し、人権擁護をめぐる方針を厳格に導入し、透明性を確保するよう推奨している。
WWFはこれとは別に、調査委員会の助言の導入方法についてまとめた対応報告書を発表し、ライン円から「定期的かつ高い透明性のもとに、進ちょくを評価していく」と約束した。
他の自然保護団体はさらに批判
他の自然保護団体からは、WWFの対応を批判し、変革を求める声があがっている。
イギリスの「熱帯雨林基金」は、WWFは独立調査の結果に対する「後悔の念が欠けている」と批判した。
同基金は、調査委員会が「ひどい発見」をしたにも関わらず、WWFは「欠点に対する責任を取ったり、WWFの名の下に行われた人権侵害の被害者に真摯な謝罪をしたりしていない」と述べた。
その上でWWF幹部に対し、「事業の中で行われた加害行動を一貫して阻止、追跡、修正できなかった」責任を取るべきだと訴えた。
同基金を含む複数の自然保護団体が発表した共同声明では特に、コンゴのサロンガ自然公園での「最も深刻な出来事」について言及している。
「報告書で推奨された内容をすべて導入し、事業に関するあらゆる人権侵害について調査を依頼し、WWFの名の下に行われた人権侵害の被害者に真摯に謝罪し、被害者に適切な支援を提供するよう、WWFに求める」と述べた。
(英語記事 WWF vows to 'do more' after rights abuse reports)
https://www.bbc.com/japanese/55082331

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E2327 - カナダの冊子体資料共同管理に関するプロジェクト最終報告書

2020-11-27 | 先住民族関連
カレントアウェアネス 2020.11.26
カナダの冊子体資料共同管理に関するプロジェクト最終報告書
名古屋大学附属図書館・村西明日香(むらにしあすか)
2020年9月,カナダ研究図書館協会(CARL),カナダ国立図書館・文書館(LAC),およびシェアードプリントを実施している国内のコンソーシアムからのメンバーで構成されるCanadian Collective Print Strategy Working Group(CCPSWG)は,同国の冊子体資料の共同管理に関するプロジェクトの最終報告書“Final Report of the Canadian Collective Print Strategy Working Group”を公表した。本稿では,この報告書の内容について概説する。
電子資料の普及やキャンパス・施設のスペース圧迫により,同国のみならず世界中の図書館で大規模な資料の除籍が行われる中,冊子体資料を複数機関で共同管理するシェアードプリントの取組(CA1819参照)は,学術的・文化的記録を確実に保存するために不可欠なものである。CCPSWGは,国内外のシェアードプリントプログラムの動向調査,冊子体の連邦政府刊行物を対象とした試験的な重複調査等を実施し,最終報告書にて,同国における全国的なシェアードプリントネットワークの確立を成功させるため13の提言を行っている。以下,提言を5つに分類して紹介する。
●全国的なシェアードプリントネットワークの形成
既存のシェアードプリントプログラムの活動を調整し,同取組に関心のある図書館が地域コンソーシアムを通じて参加可能となる,全国的なシェアードプリントネットワークを形成する。
同国には,共同保存書庫を用いた集中保存を行う集中型(例.Tri-Universities Group),参加機関内で保存責任を配分し分散保存する分散型(例.太平洋・プレーリー大学図書館協議会(COPPUL))の両モデルを含むシェアードプリントプログラムのほか,法定納本制度により網羅的な保存を行う機関(例.LAC)がある。全国的なネットワーク形成にあたっては,これらを組み合わせた保存と利用の枠組を構築することを目指し,3段階から成るアプローチを行う。
第1段階では,既存のシェアードプリント協定を分析し,合理化するとともに,既に保存が行われている資料の範囲を明らかにして,今後保存対象を拡大する際の優先順位を検討する。第2段階では,カナダの先住民族のコンテンツの保存に関する内容を含む2015年の真実と和解委員会(TRC)の勧告に同ネットワークの枠組が対応しているかどうかを確認するとともに,他の遺産コンテンツデジタル化プログラムと協調する。第3段階では,保存書庫を持たない館や非参加館が参加できるようにし,枠組を強化する。また,連邦政府刊行物に限定せず,国内外で刊行されたカナダに関する刊行物全体(Canadiana)へと保存対象資料を拡大する。
●同ネットワークの運営
学術図書館コンソーシアム,既存のシェアードプリントプログラム,LAC,カナダ都市図書館協議会(CULC)等の館長や専務理事といった代表者で構成される全国規模の運営委員会によって運営する。この運営委員会は,2021年初頭に設置する。また,コレクション管理,メタデータ,所蔵資料の公開,利用に関する最新の専門知識を持った全国の参加館からの代表者8人から10人で構成される,運営ワーキンググループも組織する。
加えて,運営委員会に助言を行う非常勤のネットワークコーディネーターを,2021年4月から雇用する。業務内容は,ネットワークの協定や予算案の作成,上述の重複調査のフォローアップ,参加館との定期的なコミュニケーション,国内外のシェアードプリントプログラムや大規模デジタル化の取組との連携等である。
ネットワークの管理はシェアードプリントの経験が最もあるCOPPULが担当し,そのための費用は同ネットワークが支払う。COPPULは運営委員会と協議の上,ネットワークコーディネーターやインターンの雇用管理,ネットワークの財務やウェブサイトの管理を行う。
●財政的な持続可能性
ネットワークの立ち上げと安定的な運営,さらなる資金確保の努力を行うため,最初の3年間は継続して参加してもらう。最初の3年間の運営費は参加機関による費用分担モデルを取る。
1年目(2021年4月開始)の予算は11万5,000カナダドルで,2年目(2022年4月開始)と3年目(2023年4月開始)は3%ずつ増加する。この予算はネットワークコーディネーターの給与,旅費,事務費等に充てられる。
●保存責任の公開
共同保存する資料の保存責任を各館のOPAC等で公開する。保存責任には,どのプログラムにおいて,どの機関が,どこで,いつまで保存しているかといった情報のほか,現物確認の実施有無,実施した場合のレベル(巻・号・頁),実施した結果判明した問題(欠号,破損等)といった情報が含まれる。
また,必要に応じて,WorldCatの所蔵データや,研究図書館センター(CRL)のシェアードプリントイニシアティブによる総合目録「PAPRレジストリ」にも保存責任を登録する。将来に向けては,より完全で標準化されたメタデータセットを開発する。このメタデータは同国の図書館が運用する英仏両言語の図書館管理環境に対応していることが必要で,これは他の国際的な取組や多言語対応につながっていく可能性がある。
さらにこれらの動きについて,参加館が最新の情報を入手したり,新たな開発を支援したりできるよう,OCLC,CRL,図書を対象としたシェアードプリントプログラムの支援組織であるPartnership for Shared Book Collections等と密に連携する。
●プログラムの評価とレビュー
プログラムの評価とレビューを3年目に実施するために,ネットワーク構築当初からその計画を立てる。具体的には,プログラムの目標や目的が参加機関のそれに沿っているか,実施した作業とそれが参加機関にもたらした影響,次の段階への提言等について評価・検討する。
カナダのこの取組は,多様なモデルを組み合わせ,生かしながら,全国的なシェアードプリントネットワークを形成しようとするところに特徴があり,今後の検討と報告が待たれる。
Ref:
“New CARL-LAC Report Proposes National Shared Print Network for Canada”. CARL. 2020-09-15.
https://www.carl-abrc.ca/news/new-carl-lac-report-proposes-national-shared-print-network-for-canada/
CCPSWG. Final Report of the Canadian Collective Print Strategy Working Group. 2020, 21p.
https://www.carl-abrc.ca/wp-content/uploads/2020/09/CCPSWG_final_report_EN.pdf
“Shared print collections in Canada”. LAC.
https://www.bac-lac.gc.ca/eng/services/shared-print-collections/Pages/shared-print-collections.aspx
“Detailed metadata guidelines”. OCLC. 2020-09-15.
https://help.oclc.org/Metadata_Services/Shared_Print/Detailed_metadata_guidelines
村西明日香. 北米における冊子体資料の共同管理の動向. カレントアウェアネス. 2014, (319), CA1819, p. 26-31.
https://doi.org/10.11501/8484055
カレントアウェアネス-E 共同保存 カナダ 国立図書館 公共図書館 大学図書館 研究図書館 LAC(カナダ国立図書館・文書館) CARL(カナダ研究図書館協会)
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https://current.ndl.go.jp/e2327

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世界の先住民の宝、約740点を展示中 国立民族博物館

2020-11-27 | 先住民族関連
City Life NEWS 2020/11/26 16:00

新型コロナウィルス感染症の影響で、延期となってた特別展「先住民の宝」が、10月1日より、国立民族博物館(大阪府吹田市)で行われている。12月15日まで。
国立民族博物HPより
博物館によると、世界には、現在70ヵ国以上の国々に、約3億7,000万人の先住民と呼ばれる人々が暮らしており、その数は少なくとも5,000と言われている。
特別展で紹介される民族は、オーストラリアのアボリジニ、台湾のタオ、北欧のサーミ、日本のアイヌなど計9つの国や地域に暮らす人たち。
ナイフや衣服、仮面など約740点におよぶ展示品とともに彼らの世界を紹介する。
アニメ「ゴールデンカムイ」(原作:野田サトル)のデジタル原画と作品に登場するアイヌの民具の展示も。
詳細は国立民族博物館HPで確認を。
https://news.goo.ne.jp/article/citylife/region/citylife-10409.html

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山のバイブル「日本百名山」、著者・深田久弥のおいが独訳

2020-11-27 | アイヌ民族関連
毎日新聞 11/26(木) 11:36
 作家、深田久弥(1903~71年)のおいで群馬県榛東村在住の深田勝弥さん(83)が、「山のバイブル」として今も登山者に愛されるの伯父の代表作「日本百名山」(1964年初版発行)をドイツ語に翻訳した。5年を費やした訳文はA5判で500枚以上。名作を残した生前の伯父と対話するように一語ずつ丁寧に訳文を完成させた。
 翻訳を思い立ったのは、5年前に英国人らによる英訳を報道で知ったことがきっかけだった。年間20~30座の山について翻訳し、会員となっている「ぐんま日独協会」の会報誌に1座ずつ訳文を発表してきた。
 ドイツ語を学び始めたのは大学時代。化学メーカーに就職後も時折、ドイツ語の理系雑誌などを業務で訳していたが、退職後に東京都内の語学教室に通うなどして学び直した。深田さんは「『百名山』の翻訳も勉強の一環だった」と語る。
 苦労したのは、引用される「奥の細道」などの古典や俳句だ。17文字の言葉を原著の味わいを残しながら、どのような言葉の順番で表現するかを模索した。
 深田さんは大学受験に備えるため1年間、東京都内の久弥方で一緒に暮らしたこともある。「雨の日に最寄り駅から傘を差して家に戻ったら伯父から軟弱だと怒られた。当時の伯父は合理性、利便性といったものに人間の強さが失われていくのが我慢ならなかった」
 身近な存在だった伯父の性格をよく理解しているだけに、原著を書く上でどの点に苦労したかが分かった。「例えば北海道の山の紹介。アイヌ語由来の山の名前が多く、表現に苦労の跡が読み取れた」。伯父はかつて、「一文が長いと文章がだらけてしまう」と話していた。だから、訳文も伯父の文の味わいを生かすように一文を短くコンパクトにすることを心掛けた。
 完成した訳本は、深田さんと久弥の古里の石川県加賀市にある「深田久弥 山の文化館」に寄贈した。深田さんは「これからも良い表現が思いつけば、手直ししていきたい。翻訳を完成させ、少しは伯父に恩返しできたかもしれない」と話している。【庄司哲也】
https://news.yahoo.co.jp/articles/094e877e1751afd3a601741923eaf061de422c8d

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アイヌ文化紹介 29日まで南風原 衣装など300点展示 

2020-11-27 | アイヌ民族関連
沖縄タイムス 2020年11月27日 05:00
【南風原】アイヌ伝統工芸作品展が26日、南風原文化センターで始まった。アイヌ文様の刺しゅうを施した民族衣装やタペストリーなど約300点が展示されている。刺しゅうの実演も行われている。29日まで。入場無料。 アイヌ文様は、渦巻きなどを組み合わせた幾何学的な模様が特徴。
この記事は有料会員限定です
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/669757

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