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先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

「3密回避」で冬キャンプ 東胆振で利用増 年末年始も好調 テントでテレワークも

2020-11-28 | アイヌ民族関連
北海道新聞11/28 05:00
新型コロナウイルスの感染リスクとなる「3密」を回避できるとして、冬のキャンプへの関心が高まっている。胆振管内のキャンプ場ではオフシーズンとなる11月以降も利用者が減らない。白老町のキャンプ場の運営会社は今月、冬のニーズに着目したキャンプ用品の専門店を札幌市内で開店した。ただ、野外でも感染リスクがゼロと言うわけではない。各キャンプ場はキャンパーそれぞれで予防策を講じるよう呼びかける。
 「今年は寒くなってもお客さんが全然減らない。野外なら安心できるんだろうね」。胆振管内安平町のオートキャンプ場「ファミリーパーク追分」の和泉貢オーナーはこう語った。今年は11月だけで昨年の倍近い2千組以上が利用。1週間程度連泊する人も多く、中にはパソコンを持ち込み、テント内で「テレワーク」をする愛好者もいるという。
 苫小牧市のキャンプ場「オートリゾート苫小牧アルテン」も年末年始の予約が順調で12月は昨年より2割程度多い。
 一方、今年7月に白老町森野に「白老キャンプフィールドASOBUBA」をオープンさせたASOBU合同会社(本店・白老町)は21日、札幌市白石区東札幌の商業施設ラソラ札幌に専門店「ASOBUGU」をオープンした。最近のキャンプ人気を受け、冬も需要が見込めると判断。江越慈高代表は「コロナでストレスがたまりやすい状況なので楽しく遊ぶ機会を提供したい」と語る。
 広さ260平方メートルほどの店内にスタッフが選んだ商品千点が並び、アイヌ文様を透かし彫りしたたき火台などのオリジナル商品も。年明けにはキャンプ用品を貸し出し、自社の白老のキャンプ場で、冬の体験企画も計画している。
 ただ、スーパーコンピューター「富岳」を活用したコロナ対策の研究では「野外でも密集すれば感染リスクは高い」とのシミュレーション結果が出た。多くのキャンプ場では共有スペースの消毒などの対策を実施しているが、運営側だけでは限界がある。オートリゾート苫小牧アルテンの運営会社の宮田哲也社長は「安心してアウトドアを楽しんでもらうためにもキャンパーそれぞれも密にならない、換気などの対策をとってほしい」と話している。(尾崎良、柳沢郷介)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/486059

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おにぎりアイデア 静内農業高が大賞 アイヌ民族の伝統料理アレンジ

2020-11-28 | アイヌ民族関連
北海道新聞 11/27 19:45
大賞に選ばれた静内農業高の「食彩の秋!チェプオハウ風おにぎり」
 道産食材を使ったおにぎりのアイデアを競う審査会が27日、札幌市内で開かれ、大賞に日高管内新ひだか町の静内農業高の生徒が考えた「食彩の秋!チェプオハウ風おにぎり」が選ばれた。
 道経連と日本能率協会(東京)が道内の高校生や大学生、専門学校生に商品開発などを学んでもらうために毎年テーマを変えて開催した。3回目の今年は、新型コロナウイルス対策で会場と学生をインターネットでつないで実施。過去最多278作品の応募から書類審査を通過した4校5組が料理を説明した。審査員はレシピを元に作ったおにぎりを試食した。
 大賞は、アイヌ民族の伝統料理「チェプオハウ(サケの汁物)」でイナキビを炊き込んだ一品。サケトバやキノコが入り、「食物繊維が豊富で栄養価が高く、何よりおいしい。北海道の名物になり得る」と高く評価された。福原康太さん(17)と応募した佐藤涼さん(17)=共に食品科学科2年=は「おにぎりを通じてアイヌ文化に興味を持ってほしい」と受賞を喜んだ。
 受賞作品は酒類・食品卸の国分北海道(札幌)を通じて来年2月末までに商品化される予定。(榎本雅也)
※「チェプオハウ」の「プ」は小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/486019

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みがけ、好奇心 アイヌ文化を知ろう!

2020-11-28 | アイヌ民族関連
NHK 2020年11月27日 14時38分
2020年7月、北海道白老町にアイヌ文化を伝える国立施設「ウポポイ」がオープンしました。ウポポイの意味はアイヌ語で「大勢で歌うこと」。施設には「国立アイヌ民族博物館」やアイヌの古式舞踊を披露するホール、伝統的な家屋を再現したエリアなどがあり、貴重な文化を知ることができます。アイヌについての入試問題を見ていきます。
問題
アイヌに関連してのべたアからオまでの文の中から正しくないものをひとつ選び、その記号を書きなさい。
ア 江戸時代、アイヌが日本人(和人)にたいして反乱を起こしたことがある。
イ 江戸時代、アイヌと日本人との交易が松前藩を中心として行われていた。
ウ 明治時代になると、屯田兵が北海道に送り込まれ、アイヌの暮らす土地がうばわれていった。
エ 明治政府がアイヌにたいして日本語の教育を進め、今では、アイヌ語はほとんど使われていない。
オ アイヌの人口はしだいに減少して、今ではアイヌは北海道でしか生活していない。
(筑波大学附属駒場中学校 2012年)
内容は江戸時代や明治時代のアイヌと日本人の関係についてで「明治政府がアイヌに日本語の教育を進める」などとあります。アイヌの人たちには独自の文化を否定され、差別や貧困に苦しんできた歴史があります。
どんな文化を持って生活してきた人たちなのか、国立アイヌ民族博物館の学芸員、八幡巴絵さんに聞きました。
アイヌ民族とは
まず、アイヌ民族とはどういう人たちなのでしょうか。

八幡さん
「アイヌ民族は日本列島の北側、北海道や青森県の北部、あと樺太や千島列島の先住民族で、日本の大多数者である和人(日本人)とは異なることばや文化歴史を持っています。私も父方も母方も実はアイヌで、自己紹介するときアイヌ語だと、『八幡巴絵セコロ クレヘ アン(八幡巴絵という名前を私は持っています)』というふうに全然違うことばになります」
※アイヌ語での名前の「ロ」は小文字になる。
八幡さんによると、アイヌの人たちは東北から北海道、樺太、千島列島にかけての地域で生活してきた先住民族です。
山や川、海で狩りを行い、雑穀などを作って暮らしていました。いまの中国やロシアなどの人たちと昆布やサケなどの交易を行っていたといいます。
人々は自然の中に神を見いだし「火の神様」や「熊の神様」などをあがめてきました。儀式では歌や踊りでもてなしました。
アイヌ民族と日本人の歴史
そんなアイヌ民族の苦難の始まりは、江戸時代だったといいます。
八幡さん
「(江戸時代以降は)歴史の部分についてはかなり黒歴史と言ってもおかしくないです。現状の明治以降の差別やアイヌに対する偏見のベースになっていることなので」
江戸時代、松前藩がアイヌ民族との交易を独占します。アイヌは漁場を管理され、品物の交換の比率も不利な条件を強いられました。その後、松前藩と争い対立していきます。
そして明治時代に始まったのが、日本の文化を強制する、いわゆる同化政策です。サケやマスを川でとることなどが禁止され、代わりに農業が勧められましたが定着しませんでした。
また成人女性の証しとされた入れ墨も禁じられました。学校では日本語を学ぶよう求められ、アイヌ語や伝統的な風習は急速に失われていきました。

江戸時代、松前藩がアイヌ民族との交易を独占します。アイヌは漁場を管理され、品物の交換の比率も不利な条件を強いられました。その後、松前藩と争い対立していきます。
そして明治時代に始まったのが、日本の文化を強制する、いわゆる同化政策です。サケやマスを川でとることなどが禁止され、代わりに農業が勧められましたが定着しませんでした。
また成人女性の証しとされた入れ墨も禁じられました。学校では日本語を学ぶよう求められ、アイヌ語や伝統的な風習は急速に失われていきました。
八幡さん
「明治の同化政策の中ではアイヌとして生きるか、日本人として生きるか、という選択がほぼない状態で、日本人としてしか生活できませんでした。その変化を受け入れなければ暮らしが苦しかったから、その当時はしかたがなかった、やらなきゃ暮らしていけなかったということだと思います」
アイヌ文化を守ろう!
文化を否定され、差別や偏見に苦しんできたアイヌの人たち。世界で先住民族への関心が高まる中、権利の回復を訴え続けました。転機となったのは平成9年に施行された「アイヌ文化振興法」です。
そして令和元年5月に施行された「アイヌ施策推進法」でアイヌの人たちは初めて「先住民族」と明記されました。
オープンした国立施設、ウポポイには、失われつつあったアイヌ文化を復興するという大切な役割があります。博物館の展示は800点以上あります。
飾りがつけられたヒグマのはく製。「イヨマンテ」という儀式を伝えるものです。ヒグマの魂を感謝を込めて神の世界に送り届ける、アイヌの精神文化を代表する儀式です。
八幡さん
「アイヌ文化の、明治以前のことを親などの世代から聞いて知っている人たちが、年々どんどん減ってきてしまっているので、今のうちに少しでも情報を残すことがお仕事の一つかなというふうに考えています」
多文化社会へ
八幡さん
「日本の中の多様性を知ってもらいたい、というのがまずありますね。アイヌだけではなく、日本の国の中でどういう人たちがいて、どういう歴史の中で暮らしてきて今に至るのか、というものを一緒に勉強してこれから私たちがどういうふうにしていったらいいのか、お互いの目線で考えていただきたいなというのがあります」
問題の答えは、選択肢オです。この記述が正しくありません。
北海道庁によりますと、アイヌの人たちは把握しているだけでも道内でおよそ1万3000人。ほかにも日本各地で生活しているとみられます。
近年、各地に外国人のコミュニティーが増え、さまざまなルーツの人たちとふれあう機会が増えていますね。
アイヌの豊かな文化を知るとともに、さまざまな地域の文化の多様性を尊重する社会につなげていくことが大事です。
「週刊まるわかりニュース」(土曜日午前9時放送)の「ミガケ、好奇心!」では、毎週、入学試験で出された時事問題などを題材にニュースを掘り下げます。
「なぜ?」、実は知りたい「そもそも」を、鎌倉キャスターと考えていきましょう!
コーナーのホームページでは、これまでのおさらいもできます。下のリンクからぜひご覧ください!
https://www3.nhk.or.jp/news/special/maruwaka-migake/
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201127/k10012733731000.html

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アイヌ文様入りボールペン、販売好調

2020-11-28 | アイヌ民族関連
日本経済新聞 2020/11/27 15:00
エムブイピークリエイティブジャパン(札幌市)が発売したアイヌ文様入りボールペンの販売が好調だ。アイヌ文化を学べる「民族共生象徴空間(ウポポイ)」(北海道白老町)のミュージアムショップで21日に発売したところ、2日間で在庫10本が完売。12月には30本を追加販売する予定だ。

土産物として人気を集めている
三菱鉛筆製のボールペンのデザインに、アイヌ民族の女性が狩りに向かう男性に贈る鉢巻き「マタンプシ」に刺しゅうした文様を採用した。価格は2200円。土産物として人気を集めている。
製作では白老アイヌ協会や障害者の就労支援施設が協力。エムブイピーの大海恵聖社長は「差別の歴史と関わりの深い立場の人に参加してもらい、平等なものづくりができた」と話す。異なる文様のボールペンも開発する予定だ。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66714960X21C20A1L41000/

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トルコのウクライナ支援警戒 ナゴルノ紛争受けロシア

2020-11-28 | 先住民族関連
時事通信 2020年11月28日07時14分
 【モスクワ時事】トルコを後ろ盾とするアゼルバイジャンが係争地ナゴルノカラバフをめぐる紛争でアルメニアに事実上勝利したことを受け、トルコが今度はロシアと対立するウクライナを支援する可能性があるとの見方を、ロシアのメディアが盛んに報じている。旧ソ連圏で影響力を拡大するトルコに警戒感が高まっていることを示していると言えそうだ。
 25日付のロシア紙・独立新聞は、親ロシア派武装勢力と政府軍が争うウクライナ東部の紛争地で「トルコとウクライナの攻撃が準備されている」との見出しを付けて報道。真偽は不明ながら、親ロ派筋の話として、ナゴルノカラバフ紛争後にトルコがウクライナに軍事顧問を派遣し、ロシアが2014年に併合したウクライナ南部クリミア半島や、親ロ派支配地域の奪還作戦を研究しているとみられると伝えた。
 トルコのエルドアン大統領は、民族的に近いクリミアの先住民族タタール人を擁護する立場からロシアのクリミア併合に反対してきた。10月16日にエルドアン氏とウクライナのゼレンスキー大統領はイスタンブールで会談。「クリミアの非占領地化やウクライナ東部の政府の支配回復に向けた取り組みの継続」などで一致したことも、ロシアを刺激している。
 今月10日に完全停戦となったナゴルノカラバフ紛争では、アゼルバイジャンがトルコ製の無人攻撃機「TB2」などを駆使してロシアの同盟国アルメニアを圧倒した。TB2はウクライナも購入しており、ロシアの複数のメディアは今月、インターネット交流サイト(SNS)の情報を基に、ウクライナが東部の紛争地にTB2の運搬を開始したと報じた。ウクライナとトルコが無人機を共同生産する計画も伝えられており、ウクライナを舞台にロシアとトルコのせめぎ合いが激化する可能性も出ている。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020112700600&g=int

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離れた場所なのに同じ文化が…歴史の謎から見えたのは「多様性社会」を実現していた古代日本だった

2020-11-28 | 先住民族関連
アエラ 2020/11/28 08:02
 古い航空写真や地形図を見ると、日本中に天然の良港があったことがわかる。津々浦々、河口に形成されたラグーンがそれだ。ラグーンに形成された遺跡や古墳時代の洞窟遺跡の発見が相次ぎ、人々が船を操り、活発に往来していたようすが明らかになってきた。

五松山洞窟遺跡から見つかった金銅装大刀の柄頭と鍔(石巻市教育委員会蔵、写真・朝日新聞出版)(AERA dot.)
 海沿いの遺跡や内陸の遺跡との関係性、文字史料、水中遺跡を合わせての歴史研究が進められているという。『海から読み解く日本古代史』の著者、近江俊秀氏が、その一例を紹介する。
*  *  *
■離れた場所なのに同じ文化…の謎
 方言や食文化など日本列島には多様な地域文化が認められるが、地域の枠を飛び越え共通の文化が認められることがある。たとえば「海女漁」と呼ばれる素潜り潜水漁がそれである。石川県輪島市や三重県の鳥羽や志摩が有名であるが、このほかにも太平洋側、日本海側の漁村に点在する。民俗学者の大林太良によると、海女漁の分布に重なるようにして、頭上運搬など漁業とは直接関係のない独特な地域文化があるそうで、大林はこれらの文化の背景に「互いに海を行き来して結びついていた海民集団」が海沿いに存在したことを指摘した。
■遺跡や遺物からわかる海民の足取り
 こうした海民集団の足取りは、記録に乏しい古代にも探ることができる。遺跡や遺物の中には彼らの活動痕跡を留めるものがあるのだ。
 宮城県石巻市の五松山洞窟遺跡は北上川の河口付近の断崖に穿かれた、わずか5平方メートルほどの海食洞窟だが、その狭い洞窟から19体分もの人骨が発見された。関東の古墳時代人と北海道アイヌと形質的によく似た人骨で、区別されることなくごちゃ混ぜに洞窟に放り込まれていた。
 また金銅装の大刀や鉄製の冑、貝製の腕輪など豊富な遺物が出土した。大刀や冑は近畿製、貝輪は伊豆諸島産のオオツタノハ製と、いずれも遠隔地からもたらされたものだ。
 その墓の形状も海民集団の活動を示す。海食洞窟を墓とする例は、房総半島や三浦半島、伊豆半島で多く認められる。いずれも半島の先端付近で、石巻は半島の先端ではないが、三陸海岸の付け根に位置する天然の良港で、これらの地域と船を介したつながりが想定される。
■大規模な移住の痕跡からわかること
 また、石巻市の西隣の東松島市赤井遺跡等の発掘調査の成果からは、7世紀中ごろ以降、関東の人々がこの地に移住してきた可能性が指摘されている。赤井遺跡では関東で作られた土器とよく似た土器が出土する。赤井遺跡に住んだ人を葬った墓も見つかっており(矢本横穴)、墓の総数は100基を超え、その中には横穴の形状が東上総(千葉県南東部)のものと類似するものや、関東の古墳時代人骨と北海道アイヌと形質的によく似た人骨を並べて葬ったものなどが確認されている。
 これらから、古墳時代には房総半島と石巻との間に人々の交流があり、ふたつの地域の交流は海の道を利用したものであったと推定される。
■古代に確かにあった多様性を受け入れる社会
 五松山洞窟遺跡、矢本横穴はともに、地元人、関東古墳時代人、北海道アイヌの形質的特徴をもつ人骨が同じ墓に、同じように葬られていた。また、4世紀ごろの集落遺跡である石巻市新金沼遺跡では、北海道のものとよく似た土器が出土する竪穴住居と、関東のものとよく似た土器が出土する竪穴住居がある。
 おそらく前者は北海道からの移住者の家、後者は関東からの移住者のもので、それぞれの出身地の土器文化を守って、その他の生活文化も出身地域の伝統によっていたと考えられる。ただし、両者の住居の大きさには違いなく、場所も近接している。
 これらは、出身地を異にする人々が、分け隔てなくともに暮らしていた形跡だ。地域の枠を越え、海を行き交う海人たちにとっては、出身地の違いなどは大した問題ではなかったのかもしれない。しかし、そこに多様性を受け入れる社会の痕跡を見いだすことができるのである。(文/文化庁文化財第二課主任文化財調査官・近江俊秀)
https://news.goo.ne.jp/article/dot/nation/dot-2020112600050.html

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<エール最終回>吉原光夫“岩城さん”の歌声に大反響!!贅沢すぎた15分に視聴者感激「一瞬だった」

2020-11-28 | アイヌ民族関連
ザテレビジョン 2020/11/27 11:32
昭和を代表する作曲家・古関裕而氏とその妻で歌手・金子氏をモデルに“歌の力”を描いてきた連続テレビ小説「エール」(NHK総合ほか)の最終回が11月27日に放送された。最終回は“特別編”。カーテンコールとして、出演陣がNHKホールから古関メロディーを届けた。中でも馬具職人・岩城役の吉原光夫の歌う「イヨマンテの夜」は圧巻。視聴者からも驚きと感嘆の声が上がり、本放送のオンエア中からTwitterでは「岩城さん」「いわきさん」がともにトレンドトップ5を占めるほどの反響を呼んだ。
■井上希美&小南満佑子は双子コーデで登場
主演の古山裕一役・窪田正孝の挨拶でスタートした“特別編”。一曲目は“ミュージックティ”の愛称で親しまれた御手洗清太郎役・古川雄大と「船頭可愛いや」を最初に歌唱した藤丸役・井上希美、音(二階堂ふみ)の音楽学校での同級生 夏目千鶴子役・小南満佑子。そして幼少期を演じた子役たちによる「鐘の鳴る丘」。
井上と小南がそのまま舞台に残り、2曲目の「モスラの歌」を歌唱。劇中ではほとんど共演シーンのなかった2人だが、ともにミュージカルで活躍するだけにハーモニーの息はぴったり。ピンク調の衣装の井上とブルー調の小南の“双子コーデ”も愛らしい。
続いて古川が再登場し、「福島行進曲」を歌唱。劇中では、村野鉄男(中村蒼)の詞に裕一が曲をつけ、裕一にとって初めてのレコードになった思い出深い曲だ。その後、福島三羽烏(がらす)の佐藤久志役・山崎育三郎が登場し、中村のギターに合わせて「船頭可愛いや」を艶やかに歌った。
■「岩城さんの声量がすご過ぎる!!」
裕一の川俣時代からの知人・昌子を演じた堀内敬子、音の実家で働く馬具職人・岩城を演じた吉原光夫はともに劇団四季出身で抜群の歌唱力を持つが、本編では歌うシーンがなかった。“特別編”では、堀内が大人の恋愛を描いた「フランチェスカの鐘」を、岩城がアイヌをイメージした「イヨマンテの夜」を歌い上げた。
吉原は、2021年に予定されているミュージカル「レ・ミゼラブル」でも主人公のジャン・バルジャンを演じるなどミュージカル界のスターで、現在も舞台を中心に活躍している。「エール」本編では光子(薬師丸ひろ子)の「岩城さん、歌うまいのよ〜」のセリフはあったものの歌唱するシーンはなく、“特別編”で歌声を初めて聴いたという視聴者も多かったよう。
圧倒的声量で「イヨマンテの夜」を歌い上げる姿に「岩城さんの声量がとにかくすご過ぎる!!」「岩城さん、めっちゃ歌うまい」といった驚きの声が殺到し、Twitterでは本放送のオンエア中に「岩城さん」「いわきさん」が同時にトレンドトップ5圏内にランクインする大反響となった。
続けて薬師丸がステージへ。第18週「戦場の歌」で終戦の知らせを受け、賛美歌「うるわしの白百合」を独唱する姿が視聴者の涙を誘った薬師丸だが、この日は軽快なメロディーに乗せ「高原列車は行く」を軽やかに歌唱した。
同じく第18週、戦場での壮絶な絶命シーンで視聴者に強烈なメッセージを残した藤堂役・森山直太朗は、山崎とともに「栄冠は君に輝く」をアコースティックバージョンで披露。森山のギターに合わせ、美しいハーモニーを響かせた。
■視聴者感動「15分が一瞬だった」
贅沢なカーテンコールの締めくくりは、裕一役・窪田が指揮し、音役・二階堂が歌う「長崎の鐘」。平和への祈りが込められたこの曲を、時おり視線を合わせながら演奏する窪田と二階堂。本編では実現しなかった“夫婦で大きな舞台に立つ”という2人の夢が、カーテンコールで実現した。
「古関裕而さん、たくさんの素敵な曲を、本当にありがとうございました。『エール』はこれで幕を閉じます。苦難の日々が続きますが、皆さん、どうか一緒に頑張りましょう」。最後に窪田が視聴者に向けたメッセージを口にし、全員で「さようなら!」と手を振りながら、「エール」は終幕を迎えた。
“歌の力”を描き続けてきた「エール」の贅沢すぎるカーテンコールに、視聴者からは感激の声が続々。「音ちゃんがステージに立てた…これが見たかった」「音楽の力を感じた!」といった熱い感想や、「15分が一瞬だった」「15分じゃ足りない!」「2時間はやれる内容だったよ!!」といった名残惜しむ声が飛び交い、Twitterでは「#エール」が世界トレンドトップ5圏内まで浮上するなど大きな注目を集めた。
連続テレビ小説「エール」最終回はNHKプラスで配信中。また、NHKオンデマンドでは全エピソードが視聴可能。11月30日(月)からは、杉咲花がヒロインを演じる連続テレビ小説第103作「おちょやん」がスタートする。
https://news.goo.ne.jp/article/thetv/entertainment/thetv-1012224.html

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『「犠牲区域」のアメリカ』書評 「移民の国」の収奪と虐殺の実態

2020-11-28 | 先住民族関連
好日好書 2020/11/28 07:00

「犠牲区域」のアメリカ 核開発と先住民族 [著]石山徳子
 先の米大統領選挙戦ではあろうことか現職大統領が「アメリカが白人国家でなくなる恐怖」を有権者にあおるという前代未聞の光景が見られた。
 これに抗してリベラル派は「アメリカは移民の国」と改めて強調するキャンペーンを張り、白人至上主義を鋭く批判した。
 しかし実はこの両者とも「セトラー・コロニアリズム」からは逃れていないと指摘するのが本書だ。アメリカ先住民の居留地を長年かけて訪ね、植民地時代に始まる収奪と虐殺の歴史が、いま現在もなお続くことを明らかにした気鋭の人文地理学者の力作である。
 「アメリカ・インディアン」とも通称される先住民の社会が、西洋の入植者とその子孫、さらに新しい移民たちによって幾度となく武力攻撃され、「ジェノサイド」(大殺戮=だいさつりく)にさらされたことは知られよう。
 しかしこの結果、先住民は人々の脳裏で「滅びた民族」にされてしまう。そのイメージは文学や映画で「消えゆくアメリカ人」を表すシンボルとして観光資源化され、アメリカの大地が彼らのものだった過去が事実上忘却される一方、アメリカを「移民の国」とする新たな教説がアメリカの自己像を上書きした。
 著者はブラック・ライブズ・マター運動を支援する人々の間にさえ無意識に横たわるこの自己像を「先住民族からすれば抑圧的」だという。後から来て支配者の座についた入植者(セトラー)が社会制度から人々の発想までを植民地化すること。これが「セトラー・コロニアリズム」なのだ。
 本書はこうした植民地主義の陰で先住民居留地が核開発の実験地や汚染物質廃棄の「犠牲区域」にされる実態を丹念に描き出す。
 理論や解釈だけを先行させず、学生時代から各地を訪ね歩いてきたフィールドノートをまじえた記述は率直簡明で、しなやかな勁さをたたえる。日本にも通ずる視点と問題意識に触れたあとがきも胸にしみる。
    ◇
いしやま・のりこ 1971年生まれ。明治大教授(地理学、地域研究)。著書に『米国先住民族と核廃棄物』。
https://news.goo.ne.jp/article/book_asahi/trend/book_asahi-13968743.html

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トルコのウクライナ支援警戒=ナゴルノ紛争受けロシア

2020-11-28 | 先住民族関連
JIJI.COM 2020/11/27 14:18時事通信
 【モスクワ時事】トルコを後ろ盾とするアゼルバイジャンが係争地ナゴルノカラバフをめぐる紛争でアルメニアに事実上勝利したことを受け、トルコが今度はロシアと対立するウクライナを支援する可能性があるとの見方を、ロシアのメディアが盛んに報じている。旧ソ連圏で影響力を拡大するトルコに警戒感が高まっていることを示していると言えそうだ。
 25日付のロシア紙・独立新聞は、親ロシア派武装勢力と政府軍が争うウクライナ東部の紛争地で「トルコとウクライナの攻撃が準備されている」との見出しを付けて報道。真偽は不明ながら、親ロ派筋の話として、ナゴルノカラバフ紛争後にトルコがウクライナに軍事顧問を派遣し、ロシアが2014年に併合したウクライナ南部クリミア半島や、親ロ派支配地域の奪還作戦を研究しているとみられると伝えた。
 トルコのエルドアン大統領は、民族的に近いクリミアの先住民族タタール人を擁護する立場からロシアのクリミア併合に反対してきた。10月16日にエルドアン氏とウクライナのゼレンスキー大統領はイスタンブールで会談。「クリミアの非占領地化やウクライナ東部の政府の支配回復に向けた取り組みの継続」などで一致したことも、ロシアを刺激している。
 今月10日に完全停戦となったナゴルノカラバフ紛争では、アゼルバイジャンがトルコ製の無人攻撃機「TB2」などを駆使してロシアの同盟国アルメニアを圧倒した。TB2はウクライナも購入しており、ロシアの複数のメディアは今月、インターネット交流サイト(SNS)の情報を基に、ウクライナが東部の紛争地にTB2の運搬を開始したと報じた。ウクライナとトルコが無人機を共同生産する計画も伝えられており、ウクライナを舞台にロシアとトルコのせめぎ合いが激化する可能性も出ている。 
https://news.goo.ne.jp/article/jiji/world/jiji-201127X005.html

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最先端「北欧」の被害者支援と犯罪者更生、齋藤実弁護士が指摘する「日本との違い」

2020-11-28 | 先住民族関連
弁護士ドットコム 2020/11/26 19:03
男女平等の実現や手厚い社会福祉、高い水準の教育。北欧と聞けば、さまざまなイメージが浮かぶが、実は、刑事政策をはじめとする刑事法の先進国であることはあまり知られていない。そんな北欧諸国の刑法や被害者支援について、研究しているのが齋藤実弁護士だ。
たとえば、日本国内でも犯罪被害者が刑事裁判に参加できるよう、2008年から制度がスタートしているが、齋藤弁護士によると、フィンランドでは、被害者も事件の当事者であるという考え方にもとづき、数百年前から被害者が裁判に参加してきたという。
ほかにも、ノルウェーやスウェーデンでは、犯罪被害者の支援を専門に担う「犯罪被害者庁」が支援の中で、大きな役割を果たしている。また、再犯率を低く抑えるための性犯罪者に対するプログラムなど、その先進的な取り組みは枚挙にいとまがない。
「日本も学べることがあります」という齋藤弁護士。北欧の刑事法は、どのような考え方に支えられ、実施されているのだろうか。(弁護士ドットコムニュース・猪谷千香)
●犯罪被害者が当事者として裁判に参加
もともと大学院で刑事法を学んでいた齋藤弁護士だが、北欧の制度に興味をもったのは、偶然だった。
「15、6年くらい前、北欧の国々を視察で訪れたことがありました。北欧の中でも、フィンランドは日本人と文化的に親しみやすい国ですが、その犯罪被害者支援制度についてうかがって、『こんな制度が世界にあるんだ』と驚きました。
非常に進んでいますし、これをぜひ日本に伝えることができたら…と思ったのが研究を始めたきっかけです」
どのような犯罪被害者支援だったのだろうか。
「刑事裁判に犯罪被害者が参加する制度です。日本では2008年から被害者参加制度が始まりましたが、私がフィンランドを訪問した当時、そうした制度はありませんでした。
一方、フィンランドでは、犯罪被害者が刑事裁判において、独立した当事者として扱われています。事件の当事者は検察官、被告人だけではなく、犯罪被害者も同じように大きな役割を果たすという考え方です」
この制度の歴史は古く、フィンランドが建国された1917年以前のスウェーデン・ロシア統治時代にすでにあったという。また、犯罪被害者に対する補償金制度も齋藤弁護士を驚かせた。
「国が補償するのは当たり前、という考え方でした。これも、日本とはまったく違います」
フィンランドでは、有罪となった犯罪者から犯罪被害者が損害賠償を取り立てることの難しさや、犯罪被害者は病気や事故と同じようにきちん保障を受けるべきだという考え方から、1974年から補償金制度が始まったという。
●国が被害者に代わり、賠償金取り立て
先進的な犯罪被害者支援は、フィンランドに限った話ではない。たとえば、ノルウェーやスウェーデンでは、犯罪被害者支援に特化した官庁が大きな役割を果たしている。「そもそもの制度設計が日本とはまったく違います」と齋藤弁護士は指摘する。
たとえば、ノルウェーの犯罪被害者庁(正式には『暴力犯罪補償庁』)では、犯罪被害者に対する国からの補償金額を決定したり、犯罪被害者に代わり加害者に対して賠償金を請求してくれる。
「日本にも犯罪被害者のための給付金制度があり、2019年度には約10億円が支払われています。しかし、日本の人口の20分の1であるノルウェーでは、犯罪被害者を手厚い社会福祉制度により支援をするとともに、それに加えて、日本の3、4倍にのぼる補償金が国から支払われています。
また、日本では、犯罪被害者が加害者に損害賠償請求をしたとしても、支払われないことが多いのですが、犯罪被害者庁が損害賠償金を肩代わりし補償金を支給したあと、『回収庁』という官庁が肩代わりした補償金を加害者から取り立てます。
犯罪被害者は、何か落ち度があるわけではなく、誰でもなる可能性があります。社会の中で苦しんでいる人たちをどうやって救い上げるのかということを、北欧ではとても考えています。
みんなが平等なのだから、誰か困っている人がいたら、みんなで助けるのが当然だろうという意識が背景にあります」
また、スウェーデンにも『犯罪被害者庁』が設置されている。ノルウェーと同様に、犯罪被害者に対して補償金の支払い手続きをおこなったり、加害者に対して補償金の取立てをしたりしている。
一方の日本では、「一元的かつ総合的に、犯罪被害者支援をおこなう官庁は存在しません」という齋藤弁護士。
「国内では、これはこの官庁の役割、これはあの官庁の役割となってしまい、犯罪被害者支援をおこなう官庁はいくつにもまたがっています。
犯罪被害者白書では、内閣府、警察庁、金融庁、総務省、文科省、厚労省、国交省、海上保安庁が関係する省庁として挙げられています。行政の縦割りによる弊害が生じていることは否めません」
●守られる加害者の人権
支援されるのが犯罪被害者だけではないところも、北欧の大きな特徴だ。
「加害者もいつかは社会に戻ってきますから、改善更生させるにはどうしたらよいのか、という観点から考えられています。
彼らにも平等に人権はあります。また、国にとって社会にとって、彼らが早く更生して働くことにより、税収増につながるというメリットもあります。厳しい刑罰ばかり科して苦しめても意味がないと考えられています。日本とは違って、犯罪被害者に対する補償がしっかりしていることも背景にあるのかもしれません」
たとえばフィンランドでは、そうした考えのもと、受刑者の社会復帰を円滑にするため、刑務所ではさまざまなプログラムや教育が充実しているという。
「その一つが、性犯罪者に対するプログラムです。たとえばフィンランドでは、性犯罪受刑者に対して『STOP』と呼ばれる独自のプログラムがあります。このプログラムを受講した受刑者の再犯率は極めて低いです」
齋藤弁護士によると、フィンランド法務省が性犯罪の再犯率を約20%と発表している中、このプログラム修了者の再犯率はわずか3%(1999年〜2007年の調査から)。世界的にみてもかなり低い。
●低い性犯罪の再犯率はどう実現?
現地の刑務所でSTOPを視察した齋藤弁護士によると、プログラムは厳しい座学ではなく、談話室でコーヒーを飲みながら、受刑者同士が自由に話せるグループワークとしておこなわれているという。
グループワークでは、受刑者たちの『性に対する認知の歪み』と、その認知の歪みを実際に行為として移すきっかけとなる『トリガー』を自覚することに力が注がれる。
「みんな、自分の悩みを打ち明けたり、自分が犯した罪について話したりしていました。だいたいの性犯罪受刑者が、自分の性犯罪の経験について他人に話す経験はありません。そこで話してみて初めて、他の受講者から『お前、それまずいよ』などと指摘されることで自分の認知のゆがみやトリガーに気が付きます。
その気づきが、彼らにとってはとても大きくて、『これはやってはいけないことだ』と認識して、刑期を終えたのちの再犯防止につながります」
このグループワークでは、刑務官やソーシャルワーカーを男女1人ずつ、リーダーに採用。男性だけでなく、女性もいることによって、その進行に客観性を持たせることにつながっている。ただし、女性リーダーへの心理的負担が大きいため、カウンセラーが常駐し、カウンセリングが必須とされている。
重要なのは、リーダーと受刑者たちとの信頼関係だという。「そのグループワークが成功するかどうかは、リーダーたちの手腕や人間性に委ねられています」と齋藤弁護士は話す。
●受刑者を社会にソフトランディング
齋藤弁護士の話からは、日本人がイメージする刑罰と北欧の刑罰とでは、かなり異なっていることに気づく。
「教育の充実した刑務所で、(一見すると)快適な様子に過ごす受刑者を日本人が見たら、『なんだこれは?』と思うかもしれません。しかし、彼らからすると自由を拘束されているし、それを苦痛と感じているので、それだけ十分な刑罰と考えています。
そして、受刑者の自由を奪っており、彼らを更生させるのが大事だとも考えています。
ですから、たとえばフィンランドの刑務所では、受刑者を閉鎖的な刑務所から開放的な刑務所へ段階的に移し、必ず仮釈放させることで、徐々に社会に近い環境に慣れさせ、社会にソフトランディングさせることを目指しています。そのほうが目的にかなっていますし、実際に再犯率も低く抑える効果があります
現在、日本の法務省も再犯率を下げるために、さまざまな取り組みをしています。たとえば、出所者の『居場所』と『出番』を作るなどの取り組みもその一つです。また、福祉との連携もおこなっています。今後の成果が期待されています。
このような中、フィンランドの出所後も必ず保護観察をおこない、もし経済的に苦しいようなら、福祉と連携してサポートしていく、という取り組みは、日本の制度を考える上で、参考になるのではないでしょうか」
北欧の刑事法について研究する齋藤実弁護士(2020年10月/弁護士ドットコム撮影)
●テロ事件の被害者「復讐は望まない」
なぜ、北欧の国々は犯罪者の更生を重視しているのだろうか。
「犯罪者の更生を手厚くすることで、結果的に社会が良くなると考えられているからです。
それがよく伝わるのが、アメリカのマイケル・ムーア監督の作品『世界侵略のススメ』という映画です。
これは、アメリカの課題を解決するために、世界各国の良いところを導入していこうというテーマで、たとえばアイスランドでは男女平等、フィンランドでは教育が取り上げられています。そこで登場するのが、ノルウェーの刑務所です」
カメラに映る受刑者たちの暮らしは、まるで楽しい合宿所のようだった。ある刑務所では、殺人犯であっても個室を持ち、包丁を使って料理をして、音楽やゲームを楽しんでいた。
およそ刑罰というイメージからは程遠いが、驚くべきことにノルウェーの再犯率は世界で最も低く、20%程度。一方、刑務所で差別や暴力が横行しているアメリカでは、再犯率は80%だという。
「印象的だったのは、2011年にノルウェーで起きた連続テロ事件で亡くなった少年の父親の言葉です。ムーア監督に『犯人を殺したいだろ?』と聞かれ、父親は否定します。『相手がどんなクズだろうと、復讐は望まない』と。
映画で、ノルウェーの刑務所は復讐のためではなく、社会復帰のための施設だと紹介されています。そう考えると、厳しい刑罰は本当に必要なのか、考えさせられます」
父親はムーア監督との対話をこう締めくくっていた。「お互いを大事にしよう。開かれた社会で民主主義を、言論の自由を高める。収監してもものごとは良くならない。憎しみが増すだけだ」
●背景にある国への信頼と政治の透明性
こうした北欧の刑事政策の背景にあるものとは?
「まず、被害者も加害者も平等に人権が守られていること。それから、国民の国への信頼性が厚いことです。
たとえば、北欧には国が犯罪被害者に賠償金を立て替えて支払い、加害者に請求して取り立ててくれる制度があると話しましたが、これがなぜ可能かといえば、社会保障番号制度が行き渡っているためです。
社会保障番号と給与やその他の財産が紐づけられているので、加害者がどれだけ支払いできるかがわかります。現地で、『日本には、マイナンバー制度があるけど、なかなか普及していませんというと、『なぜ?』と不思議がられました。『国は私たちの情報を把握していますが、国民は積極的に情報提供しています。私たちは、国を全面的に信頼しています』と言われました」
●負の歴史も見つめて未来につなぐ
北欧の刑事法の研究を続ける齋藤弁護士。数年前、ノルウェーを訪れたときのことを振り返る。
「ノルウェーの犯罪被害者庁は、ヴァルドという最北東の街にあります。飛行機を2回も乗り継いで行くような遠いところです。
そのヴァルドには暗い歴史があり、17世紀に激しい魔女狩りがおこなわれました。その主な対象となったのが、北欧の先住民族のサーミ人たちです。魔女狩りでは、疑われた人の手足を縛って海に落としました。沈んだら人間とされますが、溺死します。浮かんだら魔女とされて火あぶりです。どちらにしても死ぬしかありません」
過酷な環境から「地獄の門」とも呼ばれたヴァルドでおこなわれた魔女狩りは、サーミ人に対する差別であり虐殺だった。その被害者91人を忘れないため、ヴァルド市は2013年、記念館を設置した。スイスの建築家、ピーター・ズントーとアメリカの現代美術家、ルイーズ・ブルジョワ(故人)による共作だ。
「ヴァルドには、魔女狩りで亡くなった人たちの名前や生年月日などが記録として残っていましたから、それを一人一人、タペストリーに刻んで展示しています。また、椅子を設置してその上で常に火を燃やしています。
ノルウェーは、ノーベル平和賞を授与するような国です。その国が、自分たちの負の歴史をきちんと明らかにして、それを未来につなげていこうという姿勢を持っています。だからこそ、みんな国やお互いを信頼できるのだと思います」
【齋藤実弁護士略歴】 聖光学院高校卒業、慶應義塾大学法学部法律学科卒業、慶應義塾大学大学院法学研究科前期博士課程修了(法学修士)。2009年、弁護士登録(東京弁護士会)、渋谷パブリック法律事務所を経て、2018年から新虎通り法律事務所パートナー。このほか、法務省矯正研修所外部教官や、獨協大学法学部特任教授を務める。一般社団法人日本フィンランド協会理事。北欧の刑事法を中心に論文多数。
https://news.goo.ne.jp/article/bengoshi/life/bengoshi-topics-12037.html

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座右の漫画、百戦錬磨の猛者51人が心が震えた1冊とは?【課長 島耕作・ジパング・GIANT KILLING・ゴールデンカムイ】

2020-11-28 | アイヌ民族関連
ゲーテ 11/27(金) 8:31
漫画から得られる体験やワクワク感は、時に仕事のアイデアとなったり、ベンチャーマインドを刺激して起業家たちの背中を押してくれる。ビジネスの最前線で戦う“漫画好き”社長51人に、仕事や人生の指針となっているとっておきの座右の漫画を教えてもらった。
ANRI代表 佐俣アンリ/『課長 島耕作』
もはや教養ともいえる、サラリーマン必読の書
サラリーマン漫画の金字塔「島耕作」シリーズ。その始まりにして不朽の名作である『課長 島耕作』は1983年に連載がスタート。大企業内部の派閥争い、経済活動の末端で奮闘するサラリーマンの悲哀など、団塊の世代の群像をリアルに描写している。「社会人1年目に読んだ時はフィクションに見えましたが、社会人歴を重ねて経験を積むごとに、これはノンフィクションなんじゃないかと思えてくる、そんな趣深い漫画です」
Anri Samata
1984年生まれ。慶應義塾大学を卒業後リクルートを経て、2012年に独立系ベンチャーキャピタルANRIを設立。300億円のファンドを運用中。著書に『僕は君の「熱」に投資しよう』。
ベースフード代表取締役社長 橋本 舜/『ジパング』
経営者にとって必要なのは“想像力”
海上自衛隊の最新鋭イージス艦みらいは、ハワイ沖に向けて航行中、突如太平洋戦争真っ只中にタイムスリップ。副長の角松洋介が、自分が助けた将校に未来の情報を教えたことで、変化する歴史の流れに巻きこまれていく……。「経営はシミュレーションと判断が大事だと思っていますが、膨大なリサーチに基づく歴史のifを描き、その世界のなかで自分が判断するとしたらどうするのか? を問うてくる、とてもスケールの大きい漫画です」
Shun Hashimoto
1988年生まれ。東京大学を卒業後、DeNAに新卒入社。2016年にベースフードを設立。世界初の完全栄養の主食である「BASE PASTA」「BASE BREAD」を開発、販売する。
エブリー代表取締役社長兼CEO 吉田大成/『GIANT KILLING』
ベンチャー企業経営に活かせる格言の宝庫
2007年から『モーニング』で連載中の人気サッカー漫画。「『弱いチームが強い奴らをやっつける。勝負事においてこんな楽しいこと他にあるかよ』『何でも思いどおりにいって何が楽しいよ。俺が楽しいのは、俺の頭ん中よりスゲーことが起こった時だよ』など、達海監督の格言にはベンチャー企業経営においてもそのまま当てはまることがたくさんあります。私も会社の仲間とともに、頭の中よりスゲーことが起こる毎日を見続けたいです」
Taisei Yoshida
1980年生まれ。2006年にグリーに入社、取締役執行役員常務などを歴任し、’15年9 月エブリーを創業。「DELISH KITCHEN」や「MAMADAYS」など動画メディア事業を運営している。
L&Gグローバルビジネス代表取締役 龍崎翔子/『ゴールデンカムイ』
仕事に通じる歴史や文化への誠実な態度
「初めて手がけたホテルと同じ北海道が舞台ということで興味を持って読み始めたところ、精緻な取材に基づいたリアリティと大胆なストーリー進行に引きこまれて、夢中になって読みふけった1冊。作者のアイヌ文化へのリスペクトや歴史への誠実な態度を通じて、“仕事”そのものについて考えさせられました」。日露戦争終結後の明治時代末期。不死身と呼ばれた男・杉本佐一を中心に、北海道に眠るというアイヌの埋蔵金をめぐるサバイバル漫画。
hoko Ryuzaki
1996年生まれ。ホテルプロデューサー。「HOTEL SHE, KYOTO」をはじめ、全国で5つのホテルの運営を手がけている。2020年は、ホテル予約システム「CHILLNN」を本格始動。
TEXT=編集部
https://news.yahoo.co.jp/articles/2e458336b384dcec1bd702cb24e8fb8004df1ae2

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アイヌモシリ 「アイヌを見つめる研ぎ澄まされたインディペンデント・スピリッツ」和田隆さんの映画レビュー(感想・評価)3.8

2020-11-28 | アイヌ民族関連
映画.COM 2020年11月27日
これまで日本ではなかなか描かれることが少なかったアイヌ民族のリアルな姿に、はじめは好奇な目で見てしまうかもしれない。
しかし、アイヌの血を引く一人の少年のアイデンティティに揺れる様を目の当たりにすると、次第に同じ人間として共感し、自然とともに暮らすこと、生命とは、神とは何か、この世ではない世界との繋がり、そして古い慣習や伝統といったものについて考えさせられ、失ってしまったかもしれないものに気づかせてくれる作品だ。
演技初挑戦で主人公の少年を演じた下倉幹人の真っ直ぐな視線のように、「リベリアの白い血」が国内外で高く評価された福永壮志監督のテーマを見つめる視線に、研ぎ澄まされた印象を受けるに違いない。
アイヌの血や伝統的な儀式であるイオマンテに反発しつつも、それでも自らの血に抗えない少年の通過儀礼の話でもあるが、山に入ったまま帰らぬ人となった父親と一瞬だけ再会したようなシーンは、なんとも感動的だ。
https://eiga.com/movie/92799/review/02443477/

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