北海道新聞 2025年2月14日 22:09
自身の研究成果をまとめた「ノート」を手に、島松沢の歴史について語る永山さん
【恵庭】市内で郷土史研究を続ける永山伸治さん(70)が、恵庭、北広島の両市にまたがる島松沢地区の歴史や逸話をまとめた冊子「島松沢研究ノート」の作成に取り組んでいる。2年前に末期がんの余命宣告を受け、「拾い上げた歴史の断片を未来につなぐのが自分の命に与えられた役割」と執筆を開始。50回の「連載」とする計画で、第1号のノートは1月から市内公共施設で配布している。
ノートはA4サイズの用紙10枚前後をまとめて冊子にした。第1号では島松沢の北広島側の林にある「明治四年 山神」と彫られた石碑を紹介。現地で撮影した写真、この周辺でかつて石が切り出されていたことを記した文献の記述などを紹介し、「明治期に開拓使が道内各地で石材探しを行った名残かもしれない」とした。
永山さんは、1887年(明治20年)に恵庭へ入植した旧萩(はぎ)藩(山口県)士族の末裔(まつえい)で、自身も恵庭生まれ。ただ、父親の仕事の関係で物心つく前から恵庭を離れ、道内各地で暮らした。
恵庭に戻ったのは32歳。自身のルーツで、アイヌ語由来の地名が多く残る恵庭の歴史に興味を持ち、郷土史研究を始めた。2000年ごろには市民団体「21世紀恵庭新ふるさと創りの会」を結成し、仲間とともに資料の編さんなどを続けてきた。
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