恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

6/6(土)末廣亭昼席(主任:桂南喬)

2020年06月06日 | 噺とか
実に3か月ぶりの寄席になります。
3月に亀戸梅屋敷寄席に行って以来、生の演芸から離れておりました。
一之輔師匠や小ゑん師匠がオンラインで配信されたり、
テレビで放送される演芸番組を見てしのいでおりましたが、やっと。
6月1日から新宿と浅草で寄席が再開されましたが、
やはりコロナ対策でいずれも100人限定。
入り口では検温と消毒が行われるとともに、
座席も両隣を開けたり、最前列はあけたりするなどの対策が講じられるなど、
まだまだ通常営業からは程遠いと感じました。
さらに、末廣亭は1日のみ入れ替えなしでしたが、おそらく混乱が生じたのでしょう。
2日目以降は昼夜入れ替えとなりました。
本音を言えば喬太郎師匠にお会いもしたいのですが、
ここはいきなりフルスロットルにはせずに昼席のみで。

「子ほめ」  与いち
「宗論」   扇
「俗曲」   あずみ
「初音の鼓」 彦三
「浮世床」  白酒
「漫才」   ホームラン
「寄合酒」  文蔵
「お菊の皿」 正蔵
-仲入り-
「奇術」   夢葉
「宮戸川」  左橋
「ざるや」  鉄平
「紙切り」  正楽(ブルーインパルス・パンダ・ミッキーマウス・あじさい)
「棒鱈」   扇遊
-仲入り-
「夏泥」   一之輔
「漫才」   ロケット団
「紀州」   正朝
「漫談」   朝馬
「太神楽」  仙三郎社中
「風呂敷」  南喬

彦星改め彦三さんは5月下席より二つ目昇進。
とはいっても寄席の再開が6月ですから、実質は今席から。
穏やかな語り口ではありますが、今後の活躍に期待。

ホームラン先生も本当に久しぶり。
昨年来勘太郎先生が体調を崩されていたようですが、
高座が始まるといつも通りの漫才が始まって安心。いいですね。

白酒師匠の「浮世床」は本の部分ですが、聞いたのは初めてです。
それまで比較的おとなしかった客席はこのあたりから盛り上がっていきました。

正楽師匠は鋏試しで「相合傘」と「線香花火」の二枚。
寄席ではどちらか一枚が定番ですが、注文を取る際の飛沫を避ける工夫かな?とも思ったのですが、
その後出た注文はすべて切り抜かれました。正楽師匠のサービス精神に脱帽。

扇遊師匠の「棒鱈」も絶品でした。
ここでこの噺に出会えたのも何とも得した気分。

仲入り後の一之輔師匠からロケット団の流れも贅沢ですね。
しっかりと客席の心をつかんで後半戦の流れを作っていきます。

トリの南喬師匠、おそらくトリの芝居では初めてになります。
かけた演目は「風呂敷」で、これもあまり聞きなじみのない話ですが、
さすがベテランの技ともいうべきか、トリにふさわしいしっかりと聞かせて笑わせる噺。
最初は昼席だけで帰るのがなんとも残念な思いでいたのですが、
この南喬師匠の噺を聞き終えて今日はこれで満足、という気持ちになれました。

久しぶりの寄席、客席は満席の活気こそなかったものの、
程よい周囲との距離感がこれはこれで快適なのでありました。
なんというか、平日の夜にふらっと入った寄席というか、
なんとなく落ち着けるそんな空間でした。

6月下席の天どん師匠の芝居にもぜひとも足を運びたいものです。
久しぶりの末廣亭、大いに満足させていただきました。

恐懼謹言。
コメント
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