恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

11/30(土)第13回・落語ぬう 「円丈の『きく麿って面白いんだってよ』落語会」

2019年12月01日 | 噺とか
お江戸日本橋亭で行われた落語会に行ってまいりました。
会の名前を正式に書こうとすると長いもんですね。
同じ日に黒門亭の二部で白鳥師匠の出番があったので、
そっちもと思ったのですが、そちらは断念してこちらのみ。
円丈師匠・きく麿をはじめ、めぐろさんの名前が出てくるあたり、
完全に新作の会というのは間違いなし。
ここのところ忙しく、寄席にも足を運べていない中で、いざ。

ごはんつぶ「?」(サラリーマンと女子高生)
めぐろ「?」(演芸好き少年東京かわら版)
きく麿「殴ったあと」
円 丈「名古屋版金明竹」
-仲入り-
(対談)
きく麿「陳宝軒」
円 丈「寄席沈没」

前座のごはんつぶさんは、新作派の弟子なので、
こういう会の時には新作をやらせていただきます、と噺へ。
夜のオフィスで仕事をする会社員二人、
片方が「俺、実は女子高生なんだ」というところから始まります。
なんとなくぶっ飛んだキャラクターが出てきて、
そんなわけのわからなさも何のそので進んでいくあたり、
なんとなく天どん師匠の匂いが感じられなくもないのですが、
序盤の笑いの少なさでダレてしまうような。
演題は不明です。

続くめぐろさんも新作で。「色々な色」という噺なんですかね?
やたらと演芸好きな少年が母親とあれこれやりとりする話。
マニアな人物が出てきて、突っ走る展開は小ゑん師匠の噺のようですが、
そこはやはりめぐろさん、いい具合に力が抜けていていい感じ。
ちょうどこの会場に行く前に「かわら版」を購入していたので、
妙にニヤリとしてしまいました。

続いて今回のメイン、きく麿師匠。
自らを「令和の爆笑王」と称する由縁についてもあれこれと。
令和になってから1年もたってないんですがねぇ。
そもそも平成のころから「次の元号の爆笑王」と言っていたとか。
こんなに早く次の元号が来るなんて、などとぼやきつつ本題へ。
1席目は「殴ったあと」でした。
演題は見たことがありましたが、聞くのは初めて。
芸達者なきく麿師匠ですが、ここでは浪花節を披露。
うまいとかどうということではなく、なんとも癖になります。

円丈師匠は「名古屋版金明竹」でした。
今回の趣旨が金明竹対決ということもあって、まずは円丈師匠。
古典の改作ではありますが、これの発案は圓生師匠だったそうな。ふーむ。
相変わらず手元の台本を見ながらの円丈師匠でしたが、
噺が飛んだり、元に戻ったり、仕込みがなかったり、
うーむ、これをぜひとも全盛期に聞いておきたかった。

仲入りをはさんで対談はお客さんからの質問に答えるというもの。
来春真打になるたん丈さんも入って対談。
きく麿師匠の弟子入りエピソードなんかもなかなかレアでしょうか。

その後、金明竹対決に戻って、きく麿師匠の「陳宝軒」を。
これを聞くのは3回目になるかと思いますが、やはりさすがというところ。
きく麿師匠の新作も数ありますが、これもお気に入りの一つです。
まくしたてる関西弁と、それを聞いた与太郎やおかみさんも絶妙。
対決でいったらきく麿師匠に軍配が上がりますねぇ。

トリは円丈師匠。「寄席沈没」をやります、というと、
会場からは少ないながらも嘆声が。なかなかレアな噺なんでしょう。
これもやはり台本を見ながらの進行になるのですが、
先ほどの金明竹と違って、身を乗り出して聞いてしまいました。
日本全国の寄席が沈没してしまうという、「日本沈没」のパロディですが、
その背景にあるさまざまな落語会の人物描写がこれまた面白い。
笑点の歌丸師匠が出てくるあたりはちょっと時代を感じますが、
それもまた味というものなのかもしれません。
途中、談志師匠や先代の圓楽師匠が登場するあたり、
彼らとの因縁めいたものを感じたりもするのですがね。

円丈師匠の会ということながらもきく麿師匠の芸が際立った一日でした。
そして、圓丈師匠の噺も知っているようでまだまだ奥が深いな、と。
久しぶりに新作を満喫した一日でした。

恐懼謹言。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 11/9(土)鈴本演芸場夜席(... | トップ | 12/7(土)池袋演芸場昼席(... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿