恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

7/11(土)連雀亭 ワンコインから昼席の続き

2020年07月12日 | 噺とか
ワンコイン寄席に引き続き、昼席へ。

【ワンコイン】
「なやみ」   笑二
「大工調べ」  金の助
「試し酒」   伸しん

【昼席】
「棒鱈」    伸しん
「元寇」    紅佳
「だくだく」   吉緑
「お札はがし」 こなぎ

昼席に続いて伸しんさんが今度は開口一番で出てきます。
ワンコインと同じお客さんがいますね、とちょっとやりづらそう。
まぁこういうことも往々にしてあるんでしょうけど、
演者が引き続きっていうのはあまり例がないのかな?
そんな感じで始まった伸しんさんはまたしても酒の話。
酔っぱらいの職人から始まったので、これは、と思いましたが。
最近の鈴本の配信で2度ほど聞いていますが、これも好きな噺。
「試し酒」の酒の飲み方ともまた違うし、
当たり前ながら田舎侍の演じ方もまた先ほどとは全く趣が違っていて、
伸しんさんらしい楽しい「棒鱈」でした。

続いて講談は紅佳さん。一度、広小路亭でお会いしていますかね。
全然知らなかったのですが、以前はNHKのアナウンサーをされていたんですね。
こういう異色の経歴をもたれている方というのも面白い限りで。
コロナの休業期間中、とにかく時間があったのでいろんなことに挑戦されたそう。
YouTubeチャンネルを開設されたのもその一環だそうで、
高座から客席の様子を撮影されていました。うーむ、どこかで見切れてしまうのか。
そんな中で稽古したという今日の演題は「元寇」という、
鎌倉時代の蒙古襲来にまつわるエピソードを。
歴史でもこの辺りは結構好きなところなので、面白く聞かせてもらいました。
フビライの中国訛りとか、しょうもない演出も好きですね
北条時宗、というべきところがたびたび北条時頼になっていたのはご愛敬。
ご本人も冷や汗でした。でも楽しい一席。

テンションの高い紅佳さんに続いて落語は吉緑さん。
この方の独演会にも何度か足を運んでいますが、今日は久しぶり。
ディズニーが再開したことに触れ、熱狂するファンを連雀亭に重ねる。
これは先日のスタジオフォーで文菊師匠が同じような話をされていましたが、
いずれにしても演者も客もどちらも熱を入れすぎないのが寄席のいいところだ、と。
そんなところから噺は「だくだく」へ。この噺も久しぶりでしょうかね。
これこそ落語らしいしょうもない話なんですが、客席は大いに受けていました。
吉緑さん、日に日に落ち着きが見られていくように思います。
いい感じでトリへ。

再び講談で、こなぎさん。こちらは初めてお目にかかります。
コロナの自粛中、体重増になってしまいつつもなかなかダイエットできないと。
着物は調整できる衣服とはいえ、それにも限度がある、とのこと。
世の中の多くの社会人はコロナ太りを気にしているわけですが、
それはどこも変わりませんね。
夏の定番はというと怪談、ということで牡丹灯籠の「お札はがし」へ。
落語では聞いていますが、講談では初めてになります。
やはりどうしても幽霊を描く描写があるので不気味な感じはするのですが、
それぞれの登場人物の葛藤が伝わってくるというか、
ついつい引き込まれてしまって、あっという間でございました。

落語もそうなのですが、特にこれと気負っていないといろんな発見があったり。
今回の場合は、初めて会う演者さんと、なかなか馴染みのない講談に触れるいい機会でした。
定席で聞き馴染んだ師匠方の話を聞く楽しみもあれば、今日みたいな楽しみもある、ということで。

恐懼謹言。

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