恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

9/14(土)西新宿ぶら〜り寄席 春風亭百栄独演会

2019年09月14日 | 噺とか
春風亭百栄師匠の独演会に初めて参加してきました。
寄席では何度も、そしてトリの興行にも足を運んだことがありますが、
独演会は初めての参加になります。
ちょうど池袋の夜席が天どん師匠で、こちらにもと思いつつも、
あえて今日はこちらに予約して参加してみます。
会場のミュージックテイト西新宿はこじんまりとした会場ながらも、
妙な一体感があっていい感じなんです。
これが3回目になりますが。
新作・古典ともに手掛ける百栄師匠の演目は、

「やかん泥」
「バイオレンス・スコ」
「鮑のし」
「露出さん」


の4席でした。

見事に古典と新作が半々という構成でした。
いずれもトリネタサイズというほどでもないので、
4席やって1時間45分(休憩込み)でしたが、いい会でした。

1席目の「やかん泥」は、寄席でもよくかかる泥棒の噺の中でも、
あまりかかることのないもので、その背景には8代目桂文楽の影響があると。
8代目文楽があまりにもうまくやるもんだから、他の噺家が比べられるのを嫌って、
寄席などではかけられなくなったといいますが、
自分は比較されることはないと開き直る百栄師匠。
過去に聞いたことのある噺ではありますが、
百栄師匠の古典をほとんど聞いたことがなかったので、新鮮な感覚でした。

そのまま2席目は「バイオレンス・スコ」。
おそらく百栄師匠の代表的な作品だと思いますが、
今迄に聞いたことがなかったので、これはこれで得した気分。
個人的に猫についてそこまで詳しくないのですが、
猫好きな人からすると笑いどころたくさんでしょうね。
小ゑん師匠のマニアックなネタと少し重なる要素もあるかしら。

仲入りをはさんで3席目は再び古典で「鮑のし」でした。
他の噺家さんがよくかける噺ではありますが、百栄師匠ではもちろん初めて。
マクラでは池袋演芸場との因縁にまつわる話もあれこれとありましたが、
これもこれで難しいものがあるんだなぁと。
意外や意外、池袋ではトリをとったことないんだそうな。
交互出演の出番に関するジレンマについても内部事情をあれこれと。
本題の「鮑のし」も百栄師匠がやるとまた違った味わいがあり。

最後の1席は「露出さん」で、これは一度鈴本で聞いています。
とはいえ、この噺も破壊力抜群ですね。
おそらくほかの噺家さんがやってもここまで可笑しくならないだろうな、と。
定席の高座と違って距離も近いので、また迫力もあり。
盛況の会場内も大いに沸いておりました。

コンパクトながら破壊力あり、そして印象に残る4席を堪能しました。
さてさて、百栄師匠の池袋の初トリはいつになりますやら。

恐懼謹言。

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