今日は夏至で一年の中で昼が(太陽が出て居る時間帯が)一番長い日である。今日は天気が良かったので私は夕方に堤防に上がり、沈み行く太陽と其の後に刻々と変化して行く西空を漠然と眺めていた。
今日の夕焼けは最高の状態とは言えなかったが其れでも時間と共に変化して行く西空の様は見事であった。私が50歳の頃、偶に実家に立ち寄ると親父が畑の中にある箱に腰掛け、沈み行く夕日を静かに眺めて居た姿を見た時、其の時の親父は私の知って居た様な精気を余り感ぜず只、其の自然界の中に見事に溶け込んで一体化し其の姿は正に風景と同化して居た。
其の時に加齢を重ねた年寄りの境地を垣間見た感じがしたが私も最近は、若い頃には余り見向きもしなかった朝焼けや夕焼けの景色に何時しか見入って仕舞って居る。其の頃の親爺の年齢には未だ10年近くあるが如何やら最近私も段々と其の境地に近付きつつある自分を自覚する様に成って来た。