今日もうだるような暑さが続けております(;´д`)ゞ!。こう暑いと、もう何にもする気が起きません。
しかし、ただボーっとしていてもつまらないので、ネットニュースをつらつら見ていたら、昨日に引き続いてまたしても『ムムッ?!』というトピックを発見してしまいました。島根県松江市の教育委員会が、昨年12月に他界された漫画家中沢啓治さんの代表作《はだしのゲン》について「描写が過激で、判断のつかない小中学生が自由に持ち出して閲覧するのは不適切」という判断を下し、所蔵している学校に対して閉架措置をとらせ、出来るだけ子供たちに貸し出さないように口頭で求め、市内の小中学校49校のうち保有している39校全てが閉架措置に応じているというのです。
何でも昨年8月、一部の市民から「間違った歴史認識を植え付ける」として学校図書室から撤去を求める陳情が市議会に出され、同12月に不採択とされた後で市教育委員会が内容を改めて確認し、「旧日本軍がアジアの人々の首をはねたり、女性に性的暴行を加えたりするシーンが、小中学生には過激」と判断し、その月の校長会で《はだしのゲン》を閉架措置としたのだそうです。
またしても『頭のいい人達による下々への先回り』が敢行されたようです。今までにも教育委員会に巣食う輩は、もう何百回このテの愚行を繰り返してきたのでしょう。
これははっきり言って「教育的見地からの配慮」という名の下に行われた『検閲』に他なりません。戦争描写がグロ過ぎるったって、実際の戦争というのはファイナルファンタジーの戦闘シーンのように、やられた敵キャラがキラキラした光に包まれて跡形もなく消えてしまうのではなく、銃撃されれば身体に穴の開いた死体が転がるわけだし、原爆でなくても手榴弾や地雷に当たれば手足のもげた凄惨なバラバラ死体が降ってくるわけです。それを「はい、エグいからよい子は見ちゃダメですよ~」と後ろからそっと子供たちの目を覆い隠すことを本気で『教育的配慮』だなんて思っているのだとしたら、ちゃんちゃらおかしくて聞いていられません。
先の大戦末期、私の祖母は雨あられの如く降り注ぐ弾丸の中を、当時4歳だった私の父を抱えて防空壕へ駆け込んで難を逃れました。しかし、祖母が必死の思いで辿り着いたその数十秒後、壕の付近に投下された砲弾が炸裂し、壕の入り口が崩れて何十人という人が生き埋めになってしまいました。もっとも、それが幸いして戦闘終了後に助け出された時には、壕の中に閉じ込められていた人達全員が助かったのだそうですが、そのすぐそばに、ほんのタッチの差で壕に間に合わなかった人達がバラバラになって飛び散っていたのだそうです。恐らく炸裂した爆弾の直撃を受けてしまったのでしょう。その中にはご近所にいらした仲良しのおばさんの頭もころがっていたそうです。
私はこの話を小学校低学年の時に祖母から聞きました。淡々と話す祖母の壮絶な体験に耳を傾けながら、いつまで経っても涙が止まりませんでした。国と国との諍いの中で、何の関わりもない一般市民が犠牲になっていく…そんな理不尽さが幼心に許せなかったのと、もし祖母の足がもう少し遅くて壕に間に合っていなければ、祖母も、抱えられていた幼少期の父もこの世にいなかった…つまり私という人間もこの世に存在し得なかったのだという、言いようのない恐怖感とで…。話し終えて優しく抱きしめてくれた祖母の腕の中で、ただ一言「生きててくれて有り難う…」というのが精一杯だったのを覚えています。
通常の銃撃戦でもこのような凄惨さだったわけです。ましてやそれが、人類がそれまで経験したこともない原子爆弾というものが投下された現場では…雨あられの如く降り注ぐ幾千万の砲弾ではなく、たった一発の原子爆弾によって10万人からの命が一瞬に失われたことを子供たちに教えない理由がどこにあるというのでしょう。
それに《はだしのゲン》は海外でも高い評価を得ていて、現在様々な言語に翻訳されて出版されているのです。その出版元の国の教育に関わる機関が、まるで『発禁本』のような扱いを強行する…何と無様で、悪辣で、姑息で、ナンセンスなことでしょう。
第一、こんな中途半端なことをすれば、かえって「《はだしのゲン》ってどんな内容なんだろう?」と子供たちの好奇心を掻き立てて、こんな措置を取る前よりも逆に閲覧の度合いが高まるかも知れません。何なら図書館に無くたって、アマゾンやブックオフで買えばいいだけの話ですから(まさか松江市教委によって《はだしのゲン》を購入したと思われる家のサイトの調査まではしないと思いますが…)。
何でも『臭いものには蓋』をするのではなく、あえて臭いものも『臭いもの』として子供のうちに嗅がさなければいけないこともあるのです。そうしないと、今の子供たちが大人になってから『臭いもの』を嗅いだって、それが『臭いもの』かどうかの判断力も養われていませんから、エラい先生方があれこれと気を使った結果『我々には想像もつかないような腹痛』を引き起こしてしまうかも知れません。
しかし、ただボーっとしていてもつまらないので、ネットニュースをつらつら見ていたら、昨日に引き続いてまたしても『ムムッ?!』というトピックを発見してしまいました。島根県松江市の教育委員会が、昨年12月に他界された漫画家中沢啓治さんの代表作《はだしのゲン》について「描写が過激で、判断のつかない小中学生が自由に持ち出して閲覧するのは不適切」という判断を下し、所蔵している学校に対して閉架措置をとらせ、出来るだけ子供たちに貸し出さないように口頭で求め、市内の小中学校49校のうち保有している39校全てが閉架措置に応じているというのです。
何でも昨年8月、一部の市民から「間違った歴史認識を植え付ける」として学校図書室から撤去を求める陳情が市議会に出され、同12月に不採択とされた後で市教育委員会が内容を改めて確認し、「旧日本軍がアジアの人々の首をはねたり、女性に性的暴行を加えたりするシーンが、小中学生には過激」と判断し、その月の校長会で《はだしのゲン》を閉架措置としたのだそうです。
またしても『頭のいい人達による下々への先回り』が敢行されたようです。今までにも教育委員会に巣食う輩は、もう何百回このテの愚行を繰り返してきたのでしょう。
これははっきり言って「教育的見地からの配慮」という名の下に行われた『検閲』に他なりません。戦争描写がグロ過ぎるったって、実際の戦争というのはファイナルファンタジーの戦闘シーンのように、やられた敵キャラがキラキラした光に包まれて跡形もなく消えてしまうのではなく、銃撃されれば身体に穴の開いた死体が転がるわけだし、原爆でなくても手榴弾や地雷に当たれば手足のもげた凄惨なバラバラ死体が降ってくるわけです。それを「はい、エグいからよい子は見ちゃダメですよ~」と後ろからそっと子供たちの目を覆い隠すことを本気で『教育的配慮』だなんて思っているのだとしたら、ちゃんちゃらおかしくて聞いていられません。
先の大戦末期、私の祖母は雨あられの如く降り注ぐ弾丸の中を、当時4歳だった私の父を抱えて防空壕へ駆け込んで難を逃れました。しかし、祖母が必死の思いで辿り着いたその数十秒後、壕の付近に投下された砲弾が炸裂し、壕の入り口が崩れて何十人という人が生き埋めになってしまいました。もっとも、それが幸いして戦闘終了後に助け出された時には、壕の中に閉じ込められていた人達全員が助かったのだそうですが、そのすぐそばに、ほんのタッチの差で壕に間に合わなかった人達がバラバラになって飛び散っていたのだそうです。恐らく炸裂した爆弾の直撃を受けてしまったのでしょう。その中にはご近所にいらした仲良しのおばさんの頭もころがっていたそうです。
私はこの話を小学校低学年の時に祖母から聞きました。淡々と話す祖母の壮絶な体験に耳を傾けながら、いつまで経っても涙が止まりませんでした。国と国との諍いの中で、何の関わりもない一般市民が犠牲になっていく…そんな理不尽さが幼心に許せなかったのと、もし祖母の足がもう少し遅くて壕に間に合っていなければ、祖母も、抱えられていた幼少期の父もこの世にいなかった…つまり私という人間もこの世に存在し得なかったのだという、言いようのない恐怖感とで…。話し終えて優しく抱きしめてくれた祖母の腕の中で、ただ一言「生きててくれて有り難う…」というのが精一杯だったのを覚えています。
通常の銃撃戦でもこのような凄惨さだったわけです。ましてやそれが、人類がそれまで経験したこともない原子爆弾というものが投下された現場では…雨あられの如く降り注ぐ幾千万の砲弾ではなく、たった一発の原子爆弾によって10万人からの命が一瞬に失われたことを子供たちに教えない理由がどこにあるというのでしょう。
それに《はだしのゲン》は海外でも高い評価を得ていて、現在様々な言語に翻訳されて出版されているのです。その出版元の国の教育に関わる機関が、まるで『発禁本』のような扱いを強行する…何と無様で、悪辣で、姑息で、ナンセンスなことでしょう。
第一、こんな中途半端なことをすれば、かえって「《はだしのゲン》ってどんな内容なんだろう?」と子供たちの好奇心を掻き立てて、こんな措置を取る前よりも逆に閲覧の度合いが高まるかも知れません。何なら図書館に無くたって、アマゾンやブックオフで買えばいいだけの話ですから(まさか松江市教委によって《はだしのゲン》を購入したと思われる家のサイトの調査まではしないと思いますが…)。
何でも『臭いものには蓋』をするのではなく、あえて臭いものも『臭いもの』として子供のうちに嗅がさなければいけないこともあるのです。そうしないと、今の子供たちが大人になってから『臭いもの』を嗅いだって、それが『臭いもの』かどうかの判断力も養われていませんから、エラい先生方があれこれと気を使った結果『我々には想像もつかないような腹痛』を引き起こしてしまうかも知れません。