共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

助けてもらったんだよ

2013年08月21日 16時38分58秒 | 日記
いらしたことのある方は御存知かと思いますが、私がいつも利用している小田急線の本厚木駅は線路がカーブしているところに駅舎があるため、当然のことながらプラットホームも線路に沿っていて真っ直ぐではありません。このことを前提にして以下を御覧下さい。

電車を待っていると、乳幼児と思われる小さな子供のグズグズ泣く声が近づいてきました。何気なく声のする方向を見ると、ベビーカーに赤ちゃんを乗せた若い母親が、右手でスマホを操作しながらこちらへ向かって歩いてきていました。恐らく、エレベーターのある東側の端から中央方面に向かってきたものと思われます。

ベビーカーの中でぐずり続ける幼子をよそに、母親のスマホ操作は終わりません。そうこうしているうちに母親は私の前を通り過ぎ、割とホームが真っ直ぐなところを過ぎてかなり湾曲している辺りに差し掛かりました。ところが、この若い母親はそれを知ってか知らずか、ホームに沿うことなくひたすら直進し続けていました。

『あれ~大丈夫かぁ?』と思っていたら、寸でのところでその近くにいたオバサンが母親の袖を引っ張りました。そこで母親はやっと歩みを止めたのですが、そこでなんとその若い母親は、止めてくれたオバサンにキレ始めたのです。しかも怒鳴り散らしている話の内容からすると、オバサンが袖を引っ張ったことによって、彼女がその時プレイしていたゲームの邪魔をされたことに対してキレていたようでした。

周囲の人たちは半ば呆れて見ていました。その時、そのオバサンが彼女にこう言いました。

「私があなたのささやかなお楽しみを邪魔してしまったことについてはお詫びします。普段頑張って子育てしているあなただって、たまには遊びたくなるものね。ただ、今はその時じゃあないと思うの。何故なら、あなたが連れているこの子は、自分が危ない目に遭いそうになっても自分では危険も回避できないし、『危ない』ということをお母さんに言葉で伝えられもしないのよ。ただ泣くことしかできないの。そして何より、この子の命も運命も将来の夢も、全てを今のあなたが握っているの。そのことの重みをしっかり感じて、今は全力であなたを信頼して泣いているこの子に、全力で向き合ってちょうだい。」

正確に書けたか分かりませんが、ほぼ合っていると思います。

こう言われた若い母親は、それでもしばらくそのオバサンを睨みつけていましたが、周囲から自分に向けられた目線と、泣き続けている我が子と、そして何よりオバサンに袖を引っ張ってもらわなければ、あわや線路へ転落していたかも知れない事実とにやっと気づいたらしく、不承不承スマホをバッグにしまうと、下を向いたままそそくさとその場を立ち去って行きました。

以前から『歩きスマホ』に関しては、様々な見地からその危険性が指摘されていますが、こういう実例に遭遇する度に、改めて使用上のモラルということが問われるべきなのだろうな…と思わされます。特に幼子を連れたお母さん方には、格段の注意をしてほしいものです。

少なくともあの若い母親が、単に『公衆の面前で恥をかかされた』と母子の命の恩人を逆恨みするようなことだけはないように願うばかりですが…。
コメント
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