共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

原点に立ち返りましょう!

2013年08月19日 15時30分45秒 | 日記
お盆が明けて、今日から教室再開です。

ということで小田原に向かっている小田急線の車内で、なかなかケバケバしい娘2人が声高に話をしていました。どうやら、一時期問題になったアルバイト店員による食べ物をつかった悪ふざけのことを話しているようです。


A:えぇ~?でもさぁ~別によくない?

B:えぇ~?ダメでしょ~。食べモンだよ~?

A:でもさぁ~、廃棄にするヤツだったら、ど~せ棄てるんだしさぁ。だったら棄てられる前に写メに残して一花咲かしてやってもよくない?

B:えぇ~?でもさぁ~、それでバレてクビになって賠償請求までされたらキツいべ?

A:別にいいんぢゃん?払うの親だし。

B:えぇ~?でもさぁ~、うちの親に借金はしたくねぇわ。

A:言えてる~!結婚式とかしてもらえねぇし!

B:やだ~ウケる~!(Aと共に大爆笑)


嘆かわしきかな、かくて日本人の倫理観ここまで堕ちたるを知れり。

今日も高井戸のピザハットで、アルバイトの男が廃棄のピザ生地を顔に貼り付けた写真を投稿していたことが発覚して問題になったばかりだというのに、それでもなおこの体たらくとは…呆れてものも言えません。ただ、とりあえず話の内容に品位のないことだけは伝えておこうと思って

「あなたたち、ここには小さなお子さんもいるんですから、彼等にとっての人生の先輩として、道義的に相応しくない言動はお慎みなさいまし。」

とだけ言っておきました(言われた方はキョトンとしていましたが、その分車内が一気に静かになりました)。

私が子供の時分には食べ物を粗末に扱うことに対して、大人たちが物凄く厳しかったのを覚えています。特に明治うまれの現在104歳の祖母は、普段は菩薩のように優しい人なのですが、いつぞや私が台所で横着して米びつを跨いで歩いた時には、板の間に正座させられて諄々と叱られました。食事をしている時にも、茶碗にご飯粒が残っていると「目が潰れる」と叱られたものでした。大きな戦争とその後の混乱期の中で4人の息子を育て上げてきた人の言葉は、子供心にもとても重く響いたものです。

一時期《8時だヨ!全員集合!》や《オレたちひょうきん族!》等のテレビバラエティで食べ物を使ったコントなどをしていると、視聴者から抗議の電話が殺到したのだといいますが、それでも私たち時分の子供は家庭で『食べ物を粗末にしたらいけません』ということが厳しく躾けられていましたから、親が心配しなくてもそんなことをマネしてふざけたりはしませんでした。でも、今時の子供たち…いや、もはや青年に成長した世代でもそういう考え方が希薄になってしまっているということに、憂慮の念を禁じ得ません。

それと、日本の外食産業の発展は、一にも二にも『清潔』を旨としてきたことが信頼の目安になってきたことと無関係ではありません。マクドナルドの手洗いマニュアルが厳しいことは特に有名で、専用の洗剤で肘まで洗うように徹底されているくらいですし、コンビニの従業員でさえ、食品を扱う際には手指のアルコール消毒が義務付けられているような世の中です。そんな中での今回の一連の不祥事の『食の安全』という大前提に与えたダメージは計り知れないものです。それを「ちょっと目立ちたかった」というだけで、SNSに顔写真まで堂々と載せるとは…もはや浅はかとか、そんな言葉で括れるものではありません。

新聞の論調では、やれスマホが悪いの、やれSNSの手軽さがいけないのと、『責任者探し』に躍起になっていますが、こうしてしまったのも、我々世代の大人がきちんと子供たちを躾けてこなかったのがいけないんです。これ以上だらけた国に成り下がってしまわぬように、大人たちがもう一度『人としての道』の原点に立ち返って、真剣に子供たちと向き合いましょう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする