共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

追悼

2014年01月12日 16時15分30秒 | 日記
私は仕事で伺えませんでしたが、今日は未来あいこさんのお母様の告別式でした。6日早朝に発たれてからいろいろと大変だっただろうと思いますが、これでセレモニーに関しては一通りの区切りを迎えられることになります。

私も東日本大震災の10日後に父をスキルス性胃癌で亡くしましたが、亡くなってからこの日を迎えるまで、実は喪主が一番悲しんではいられません。事務手続きから葬儀の段取り、新聞の訃報欄を御覧になって弔問に来て下さった方々の対応等、次から次へとやることが押し寄せてきて、気が休まる閑もありませんでした。ようやく落ち着いたのは、父の骨壷を抱いて帰宅した告別式の夜になってからでしたから…。

でも、実は告別式の次の日からは、哀しいくらいに日常だけが戻ってきます。あんなに忙殺されていた1週間は何だったのかというくらいに…。まあ、そういつまでも悲嘆に暮れているよりは普段の生活が戻ってきてくれた方が気が紛れるということもありますから、そこは旨くしたものなのかも知れません。

今日は、私が父の告別式を済ませた日の夜に聴いていたブラームスの≪ドイツ・レクイエム≫を添付しました。演奏は私が個人的に最良の演奏だと思っているフィリップ・ヘレヴェッヘ指揮、シャペル・ロワイヤル演奏の録音です。

この曲は、通常レクイエムに使われるラテン語の通常文ではなく、ブラームスがマルティン・ルター編纂の聖書から採った文章が使われています。その第1曲目の冒頭の歌詞には、こう歌われています。

『悲しんでいる人たちは幸いである。彼等は慰められるだろう。』

そう、つまりこのレクイエムは故人を悼むレクイエムであるのと同時に、残された人たちへの慰めの音楽としてのレクイエムでもあるわけです。

あいこさんのお母様への追悼と、残されたあいこさんやお子さんたち、そして長年連れ添った奥様を亡くされたあいこさんのお父様への慰労の意味を込めて載せてみました。改めて故人の御冥福を心より御祈念申し上げます。

合掌。

Johannes Brahms - A German Requiem (Ein Deutsches Requiem)
コメント
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