共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

オフィス街の聖域

2015年01月12日 23時59分50秒 | 日記
今日は用事があって都内へ出たこともあって、ちょっと思い立って江戸綜鎮守の神田明神にお参りに行くことにしました。

あまり早く行くとAKB48のメンバーの成人式を境内でやっていて相当ごった返しているはずなので、今日はちょっと順路を変えてみました。神田明神は平安時代にまで遡るという名刹ですが、現在鎮座している場所は江戸時代以降に遷座させられたところですので、それ以前に御社のあったところへ向かうことにしました。

やって来たのは大手町。そう、昨今はパワースポット的に有名になってしまった《将門塚》です。

平安時代中頃に平将門が起こした《天慶の乱》で、将門は自らを『親皇』と名乗って坂東八か国を平定するも朝廷から遣わされた藤原秀郷の奇襲によって討ち取られ、その御首は京都で獄門に曝されました。しかし、その首はさながら生きているかのように目を見開き、夜毎身体を求めて咆哮したといい、三日目の夜に白く光り輝きながら遥か東を目指して飛んでいったといいます。

恐らく挙兵した下総国を目指したのかも知れませんが、それが力尽きて墜ちたのがこの辺りと云われています。やがてその当時の住人の手に寄って塚が築かれ手厚く祀られたのが神田明神で、久しくこの地に鎮座坐していたのですが、江戸時代になって神社社殿は現在の湯島聖堂の近くに遷され、将門塚だけが残されました。

高層ビルが林立する大手町のど真ん中に、ここだけ樹木が生い茂って光を遮っていて、塚の前に供えられた香炉から線香の香りが漂ってくると、やはり不思議な気分にさせられます。ただ、ここ最近TVで取り上げられることが多くなったせいか、今日は家族連れやらカップルやらで無駄に賑わっていました。

それはそれで結構なのですが、ともすると塚の周りでキャアキャア子供を騒がせっぱなしにしたり、どこそこ構わず写メを撮りまくったりしている図を見ると「違うだろ…」と思ってしまいます。

ここはあくまでも、平将門という『日本三大怨霊』の御一方の御霊を鎮めるために、遊行寺二世真教上人が築いた霊場なのです。ですから、こちらもそういったことを弁えたうえで静かに手を合わせるべきところですから、あたやおろそかにはしゃぎ回ったりなさいませんよう御注意願いたいものです。
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避けて来たけど

2015年01月12日 23時59分23秒 | 日記
そんなわけで、大手町の将門塚からバスで御茶ノ水駅まで移動して、そこから徒歩で江戸綜鎮守・神田明神に向かいました。

AKB48の成人式をわざわざ避けて来たのですが、それでも境内には正月並の人出でごった返していました。中には振袖姿もちらほらいたのですが、今日は大黒様の御縁の日ということもあったようです。

「え?神田明神って平将門を祀った神社じゃなかったっけ?」と思われる方もおいででしょうが、実は神田明神には三つのお宮があるのです。それぞれの御祭神は一之宮から順に

一之宮…大己貴命(おおなむぢのみこと)=大黒様
二之宮…少彦名命(すくなびこなのみこと)=恵比寿様
三之宮…平将門命(たいらのまさかどのみこと)

となるわけです。

今日は拝殿の前の大きなお賽銭箱の両脇に大黒様と恵比寿様の格好をした神職の方がいて、何分かおきに手にした鈴と打出小槌を参拝客に向けてシャラシャラと振って下さっていました。少しずつ歩みを進めて私がお賽銭箱に辿り着いた…瞬間、恵比寿様と大黒様がこちら側に向けて鈴と小槌をシャラシャラ~ンと振って下さいました。何かそれだけでもいいことがありそうな気がします?!
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主祭神の舞

2015年01月12日 23時57分51秒 | 日記
境内の一角にある神楽殿では数分おきに神田囃子の生演奏が披露されていて、祭の雰囲気をもり立てていました。

その内、何だかちょっと感じの違うお囃子が始まったので何だろうと思って見てみたら、神楽舞の奉納が始まるところでした。

先ず舞台に現れたのが、写真に写っている大黒天です。打出小槌を振りながらの優雅な舞を披露しました。その後には一人使いの獅子舞が奉納され、何人かの子供達が元日のように頭を噛んでもらっていました。
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割り込みはダメよ~

2015年01月12日 23時56分15秒 | 日記
15時から境内にある巨大な大黒天像の前で祈願祭が始まりました。雅楽の先導で神職と巫女、神楽の大黒様と恵比寿様が茅の輪をくぐって入場し、祭が始まりました。

私は大黒天像の横に避けて見ようと思っていたら、何とそこに宮司さんが!実は避けたつもりが一番の上座にいたらしく、慌てて何処かへ移動しようと思ったのですが、既に周囲はギッチリと人で埋まってしまっていたため、開き直ってその場にいることにしました。

祝詞奏上の後で巫女による舞が奉納されたのですが、上座なので当然のようによ~く見えます。で、邪魔にならないように神職の唱歌のタイミングで写真を撮っていたら、その最中にやたらと私の後ろにいる奴がグイグイと押してくるのです。何だろう(-"-)と思ったのですが、どうやら巫女萌えヲタだったようなので、そのまま捨て置いてやりました。趣味なのは分かりますが、ちゃんとした神事の最中なのですから、そこは慎んで頂かないといけませんよネ。

やがて一連の神事が終わると、また元のごった返し状態が戻ってきました。神楽殿から再び鳴り響き始めた神田囃子の軽快なリズムを背中にして御社を後にしました。
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