山麓の集落からに山の上の圃場へ向かう道は除雪が終わったばかりだ。
その道に沿って流れる水路には冷たい雪解け水がきらきらと流れていた。
谷を吹き下ろす風も冷たく法面の カタクリ はまだ蕾だった。
残雪の向こうに咲く花には明け方まで降っていた雨の粒がまだ残っていた。
二十歳になった頃 初めて アズマシャクナゲ の花を見た。
その美しさに魅かれて すっかりフアンになってしまった。
挿し木 取り木 播種 といろいろやってみて50年も過ぎたがいずれも未完のままだ。
ひところは 石楠花 の咲く庭を持つことが夢だと思ったこともある。
今 消雪用の池のまわりに植えた アズマシャクナゲ が開花期を迎えた。
ふくらむ蕾から赤い色が見えてくると今も心がときめく。
花に開くと色は淡くなる。
まだ いい色を保っているこの株もまもなく色が薄れてしまう。
花芯に小さな蜘蛛が潜んでいたが これでは隠れたことにはならない。