折にふれて

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天気晴朗ナレドモ波高シ

2017-06-26 | 風の風景 光の風景

快晴の休日。

絶好の海日和とばかりに

日本海の絶景が広がる撮影スポットへと出かけた。

雲ひとつない青空...だったが、

踏ん張ってもなお体が揺れるほど、風が異様に強い。

さらに強風に煽られてか、海岸へ押し寄せる波は荒く、白く幾層にも泡立っていた。

その光景、まさに「天気晴朗ナレドモ波高シ」...。

 

ところで、この一節のこと。

よく耳にする言葉だが、実は前文があって、

「敵艦見ユトノ警報ニ接シ、聯合艦隊ハ直チニ出動、之ヲ撃滅セントス」

そして、「本日天気晴朗ナレドモ波高シ」と続く。

日露戦争の勝利を決定づけた日本海海戦でのこと。。

日本の連合艦隊がロシアバルチック艦隊との決戦に臨む際、大本営に打電された文章である。

「本日天気晴朗ナレドモ波高シ」の一節。

もともとの草案にはなく、電文を受け取った大本営でもこの文学的表現は如何なものかとの意見もあったらしい。

これをつけ加えたのは、日本海海戦を圧倒的な勝利に導く作戦を立てた名参謀、秋山真之(さねゆき)。

この人は伊予松山の出身で正岡子規とは幼馴染にして昵懇の仲、彼自身にも非凡な文学才能があったそうだ。

その秋山の意図は、

「天気晴朗」とは、遠くの敵艦を見通すことができること、

また「波高シ」は、うねる波の上では

猛訓練を重ね艦砲射撃の命中精度を向上させた連合艦隊に分があること含んだもので、

すなわちは、勝利への確信を文学的表現ともとれる一節に込めたのだという。。。

 

さて、余談が長くなったが...あらためてこの日の日本海。

雲ひとつない空は夕暮れまで続き、

残念ながら真っ赤に染まる夕焼けには出会うことはなかったが、

まぶしく光る夏の海をかき乱すように波が押し寄せる光景、

初めてにして印象深いものだった。


折にふれての選曲...というかまったく関連はないが

アデルの2枚目のアルバム「21」のオープニングを飾るスリリングな曲。

 

Adele - Rolling in the Deep

タイトルの数字が示す通り、このときのアデルは21歳。

その年齢にしてこの歌唱力。

再生回数11億回が示す通り、その才能に驚嘆するばかりである。

 

 

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