いつものことながら、1拍おいての花写真。
石川県加賀市にある狐山古墳の周囲に群生する彼岸花。
地元では名所ということになっていて、
この時期に訪れる人も多い。
狐山古墳は昭和の初めにその存在が確認され、
調査発掘の結果、安置された石棺からは壮年男子の骨が、
そして周辺からはたくさんの副葬品が出てきたとのことだ。
築かれたのは5世紀後半でその規模や副葬品からこの地区に君臨した王だった可能性があるらしい。
とはいえ全長にすると56m程度だから
彼岸花が周囲に群生するといってもそう広範囲と言えるものでもない。
けれども、古墳を取り囲むうっそうとして雑木の中で息づく姿は、
それも王墓を取り囲むように...とあれば
現世と黄泉の結界をつかさどっているようにも思え、その怪しげな様子に俄然写欲が増すのである。