はりさんの旅日記

気分は芭蕉か司馬遼太郎。時々、宮本常一。まあぼちぼちいこか。
     

分水嶺の旅(信州編)

2020-05-09 18:37:07 | 分水嶺の旅
私の愛読書の一冊に『日本の分水嶺』(堀 公俊 ヤマケイ文庫)という本があります。
ここでいう分水嶺とは、太平洋と日本海に、水が分かれていく嶺のことで、「大分水嶺」ともいいます。
太平洋側の大阪に住む私が、日本海側の町に行くときには必ずこの大分水嶺を通っているのです。
それを意識して旅をすると、旅がもっと楽しく(?)なると思います。
分水嶺に立てば、そこから水が太平洋と日本海に分かれて流れて行くことにロマンさえ感じてしまいます(笑)

さて、今回の旅は渋峠からはじめることにします。国道292号線では渋峠と山田峠の間は、ほぼ大分水嶺の上を走ることになります。



国道292号線は、志賀高原と草津温泉を結ぶ国道で、渋峠は全国の国道で一番高い所です。長野県と群馬県の県境にはこんな建物もあります。



浅間山を越えた大分水嶺は、碓氷峠にやってきました。分水嶺を越えればなんと軽井沢でした。軽井沢は中山道六十九次の宿場町でした。



野辺山峠です。ここは鉄道ファンならご存知のJR鉄道最高標高地点のある所です。ここも大分水嶺なんです。
写真が暗いのですが、後ろに見える八ヶ岳に向かって分水嶺は登って行きます。



蓼科山を通過した大分水嶺は、ニッコウキスゲが美しい霧ヶ峰にやってきます。左の富士山のように見えるのが蓼科山で、右のドームがあるのが車山です。



車山から八島ヶ原湿原をめざす大分水嶺です。この草原の道が大分水界とは思えない景色です。



この先、中山道の通る和田峠を通り、鉢伏山から高ボッチ山に向かいます。高ボッチ高原からの諏訪湖ごしの富士山は3度目の挑戦でやっと撮れました。



大分水嶺は、高ボッチ高原を下りてきたら、再び中山道の通る塩尻峠にやってきます。中山道は何度も大分水嶺を越えて行く街道なのです。
ところで、この塩尻峠は私が信州方面に向かうときに一番通っている分水嶺です。もっとも長野自動車道の塩嶺トンネルで抜けているのですが。



その後、大分水嶺は変な動きをします。いったん中央アルプスの木曽駒ケ岳の手前までなんかしたかと思うと、そこから北上をし鳥居峠に至ります。
奈良井宿はやはり中山道宿場町です。この奈良井宿の先に大分水嶺の鳥居峠があります。



時々この境峠を越えて上高地に向かうことがあります。



境峠、そしてあの「ああ野麦峠」を越えた大分水嶺はついに乗鞍岳にやって来ました。



日本一高い所にあるバス停のところに、長野県と岐阜県の県境があります。ここを大分水嶺が通っています。



今回の最後は、西ウレ峠です。高山と郡上八幡を結ぶ「せせらぎ街道」の途中にある峠です。この街道沿いの紅葉は見事というしかありません。



この先も大分水嶺は続くのですが、今回はここまでです。
分水嶺の旅は本当に楽しいです。