テーマは「対人地雷」
石持浅海の原点の短編集。
◇地雷原突破
◇利口な地雷
◇顔のない敵
◇トラバサミ
◇銃声でなく、音楽を
◇未来へ踏み出す足
◇暗い箱の中で
【扉は閉ざされたまま】で注目された石持浅海。
デビュー契機となった【本格推理】からの短編集。
(対人地雷)6編+活字となった最初の作品。
トリック、またはエピソードとして、
あつかわれている対人地雷。
対人地雷が主題という興味深い内容で、
対人地雷がそれぞれの短編に
重複していてもあきさせません。
登場人物もそれぞれの物語に
リンクしていてページを、
元に戻してみることも
度々ありました。
事件が起こった年度が前後していて
分かりにくいところもありましたが
短編ごとの表題の下に、
事件発生年と書かれているのに
気づいてからは大丈夫でした。
そして次第に慣れてきました。
地雷がテーマの謎解き。
犯人は?動機は?
短編ゆえにストレートで
シンプルなミステリーとして
描かれています。
読んでいて人間の命が軽く
扱われているような印象も
ふと頭の中によぎることがありました。
『扉は閉ざされたまま』でも
そういった印象を持ったのを
思い出しました。
作品としては読みやすく
一遍一遍が短いので
短時間で読むのに適した作品でした。
「物語はすべてフィクションですが、
対人地雷の存在は
フィクションではありません」と
作者の言葉として語られています。