情けなさが漂っている先輩。
お酒を求めて先斗町、
絵本を求めて古本市。
学園祭には緋鯉を背負った姿、
読者にさわやかな魅力を、
感じさせる黒髪の乙女。
何てほほえましくて愛しい人達なんだろう。
本を読み終えての第一の感想です。
また、本を閉じて表紙の絵を見ると
そこに描かれている二人も可愛い。
ほんとに心がほんのりする物語でした。
恋の道は波瀾万丈なプロセス。
途中の経過もそれはそれは面白くて…。
古典的な文章に笑いを誘う楽しい擬音。
格調ある文体で
描かれてはいながらも、
くすっと笑える場面満載。
初期の小説から変わらない過剰な表現、
この物語もその路線を踏襲しています。
〔太陽の塔〕でファンタジー・ノベル大賞を
獲得している森見 登美彦の
これも妄想をバネとして
現実とファンタジーワールドを
駆けめぐる物語です。
この小説で大ブレークとのこと、
うれしいです。