奥山和由が制作。
小嵐九八郎原作の同名小説の映画化。
森山直太朗が音楽を担当しています。
主人公南木野 淳を久保田将至。
彼を愛し愛される女性、
川原薫、(本では榊原茜)を
尾野真千子が演じます。
尾野真千子はNHKドラマ 外事警察で
意志の強そうな横顔が印象に残っています。
その彼女が演じる川原薫を見たくて
映画館に足を運びました。

原作も読んでいます。
本を読んでいる時は、
あまり感じなかったことですが、
婚約者に裏切られた本人が
また夫を裏切ったことになります。
恋のベクトルは自分では制御不能、
思いもよらない方向に行ってしまいます。
人を愛する理由なんてないといいますが、
彼女の心理は不可解、
好きになってしまったのは
どうしようも仕方ないですが…
それにしても、
彼女の夫が可愛そうです。
本よりも、見た目もいい人なので
余計にそう思いました。
一応ハンカチの用意はしていましたが
泣くには至りませんでした。
隣の人は泣いていましたが…。
薫の女心についていけない、
といった感じです。

暗い映画です。
薫のその後は映画では描かれては
いませんがそれはそれでよかったと思います。
余計に暗くなってしまいます。
控訴を取り下げ自ら望んだ死、
絵を描く喜び、、
生きる喜びを得ることができ、
愛されてあの世に…。
でも初めてともいえる愛を得た淳には
命の期限が酷なように思えました。