花ごよみ

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麒麟の翼  (東野圭吾)

2011-12-01 | 本 な、は行(作家)
麒麟の翼 (特別書き下ろし)

日本橋の上にある“翼のある麒麟像”
その前で事件が起こる。

被害者は青柳という名の、
中年のサラリーマン。
瀕死のまま日本橋まで歩きつづけ
麒麟像の下で息絶える。

容疑者は労災隠しによって、
後遺症が残った派遣社員の青年。

彼は香織という一緒に上京した女性を
大切に思うが故の間違いを
起こしてしまう。

青年の上司である青柳が亡くなった後は
労災隠しの責任を亡き青柳に転嫁。
そして周囲の冷ややかなまなざしによって
青柳の家族も壊されていく。

人としての小ささ、弱さが起こす過ち、
そしてその過ちが、過ちを引き起こし
もう今更後戻りできないことになってしまう。


悲劇的な状況にあっても、
かすかに見える光。
愛という優しい明かりを感じる物語。
ラストは涙、涙…です。
親子の絆に泣かされました。

新参者でおなじみの、
魅力的な人物、加賀恭一郎が、
事件解決へと導いていきます。

読みやすい文章がいいです。
ミステリーというよりも
人としての心に重きを感じる
小説でした。

「麒麟の翼 劇場版・新参者」として
映画化されました。
テレビドラマと同じく
加賀恭一郎を阿部寛が演じます。
2012年1月28日公開予定です。



コメント (4)
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