女のいない男たち
それぞれが繋がりをもたない
6編の短編からなっています。
女性に対しなんらかの、
喪失感を得てしまった男。
すべて男性が主人公
「ドライブ・マイ・カー」
主人公は舞台俳優、
妻を亡くした舞台俳優である男と、
女性ドライバーの話。
「イエスタデイ」
田園調布出身なのに関西弁を話す男、
彼の友人で芦屋出身なのに標準語を話す僕。
「独立器官」
主人公は女を愛してしまった整形外科医。
女性には生まれつき具わった、
嘘をつくための独立した器官がある。
「シェエラザード」
男に十代の頃の物語
(空き巣狙いの時代)を語る女。
「木野」
妻の不貞から離婚、
バーを営む男の話。
「女のいない男たち」
かつての恋人の夫からの電話。
うわべは読みやすいのに、
深さがあって
どこか現実感がない物語。
独特の空気感が漂う
いつもの村上春樹らしい諦観と
不安感が漂う短編集でした。