スクラップ・アンド・ビルド
芥川賞受賞作
介護がテーマの小説。
主に主人公と祖父の会話で、
成り立っています。
祖父は生きているのが辛く
早う死にたかと繰り返し言います。
主人公の孫の健斗は
祖父の願いを手助けするため、
計画を立て行動をおこします。
介護状態の老人気持ち。
医療の進歩による長寿社会。
介護される者と、
介護するもの双方の気持ちは
理解できても答えの出ない現実。
この小説、表面上は重くはなくても
尊厳死や延命治療などを
描いていて結構深いです。
誰にでも必ず老いはやって来て
死からは逃れられない。
可笑しさの底に言いしれぬ
悲しみの存在が横たわっていて
何とも言えない
やりきれなさが漂っていました。
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