毎日新聞の「健康と高齢社会世論調査」によると、一番怖い病気は相変わらず「がん」。
しかし「死に至る病」から、「生きられる病、治る病」に変化していることに希望が見える。がん対策の充実を期待する声は更に高まるだろう。
12年前、リタイア後、旅と登山に明け暮れていた夫が、いきなり「末期がん、余命半年」の絶望的な宣告を受けた時、それまで他人事と思っていた「がん」という病に対して無知な自分に気づかされ大きなショックを受けた。
あれからのがん治療は日進月歩、もう少し時間があれば、夫も治ったかも知れない…との思いを消すことはできないが、全体の4割近くの人が「治る病」と思えるようになったことは本当に嬉しい。
然し、緩和ケアに対しての意識がなかなか改められない面も見える。がんの怖さに「痛み」があるが、QOL向上のためにも痛みを取ることは大きな課題である。
夫の場合、在宅で看取ったために医療者側には多くの犠牲を払って頂き感謝したが、痛みに対する処置には不満が残った。
自宅で過ごした3カ月、訪問看護士として、昼夜の別なくケアしてくださったAさんが、夫の死後、話してくださった一言が今でも心に残る。
「同じようなケースで亡くなられた方に、ご主人の倍ぐらいのモルヒネを処方したところ痛みを和らげることができました。私たちの無知のため、ご主人には本当に申し訳なく思っています、これからは痛みを取る治療を積極的に行いたいと思います」と率直に話してくださった。
痛みの緩和治療について、医療者も家族も患者自身も、もっともっと理解してほしい。
そして患者の痛みは、ただ「肉体の痛み」だけではなく、「精神的な痛み」「魂の痛み」もあることを理解して頂きたいと切に思う。
写真は夫が眠るスイスのグリンジゼー
しかし「死に至る病」から、「生きられる病、治る病」に変化していることに希望が見える。がん対策の充実を期待する声は更に高まるだろう。
12年前、リタイア後、旅と登山に明け暮れていた夫が、いきなり「末期がん、余命半年」の絶望的な宣告を受けた時、それまで他人事と思っていた「がん」という病に対して無知な自分に気づかされ大きなショックを受けた。
あれからのがん治療は日進月歩、もう少し時間があれば、夫も治ったかも知れない…との思いを消すことはできないが、全体の4割近くの人が「治る病」と思えるようになったことは本当に嬉しい。
然し、緩和ケアに対しての意識がなかなか改められない面も見える。がんの怖さに「痛み」があるが、QOL向上のためにも痛みを取ることは大きな課題である。
夫の場合、在宅で看取ったために医療者側には多くの犠牲を払って頂き感謝したが、痛みに対する処置には不満が残った。
自宅で過ごした3カ月、訪問看護士として、昼夜の別なくケアしてくださったAさんが、夫の死後、話してくださった一言が今でも心に残る。
「同じようなケースで亡くなられた方に、ご主人の倍ぐらいのモルヒネを処方したところ痛みを和らげることができました。私たちの無知のため、ご主人には本当に申し訳なく思っています、これからは痛みを取る治療を積極的に行いたいと思います」と率直に話してくださった。
痛みの緩和治療について、医療者も家族も患者自身も、もっともっと理解してほしい。
そして患者の痛みは、ただ「肉体の痛み」だけではなく、「精神的な痛み」「魂の痛み」もあることを理解して頂きたいと切に思う。
写真は夫が眠るスイスのグリンジゼー