ヒガンバナが咲き始めたある日、母が部屋から外を眺めていた。
「由井ちゃーん、男が単車で来たよ」
母が大声で呼んだが、放っておいたら手すりにつかまって走ってきた。
「由井ちゃん、また来たよ。わっせか太か単車だよ」
母はおびえて私の腕をつかんだ。
「研一と昌仁だよ。お母さんの孫でしょう。よく見てごらんなさい」
「まあ、そうなの」
真っ赤と真っ白フルフェースのヘルメットを着け、1000㏄と1300㏄にまたがり、私たちに片手を上げて、霧島を目指して走っていった。
阿久根市 別枝由井(65) 2007/10/26 毎日新聞鹿児島版掲載
「由井ちゃーん、男が単車で来たよ」
母が大声で呼んだが、放っておいたら手すりにつかまって走ってきた。
「由井ちゃん、また来たよ。わっせか太か単車だよ」
母はおびえて私の腕をつかんだ。
「研一と昌仁だよ。お母さんの孫でしょう。よく見てごらんなさい」
「まあ、そうなの」
真っ赤と真っ白フルフェースのヘルメットを着け、1000㏄と1300㏄にまたがり、私たちに片手を上げて、霧島を目指して走っていった。
阿久根市 別枝由井(65) 2007/10/26 毎日新聞鹿児島版掲載