はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

孫、夏空に舞う

2008-08-13 15:12:22 | はがき随筆
 夏本番。あちこちで猛暑をふっしょくする威勢のよい祭りの掛け声が涼風に乗って心地よい。
 伝統ある、市の夏のイベント「ばか踊り」に2人の孫娘が通う保育園が初参加した。祭りの好きな私は、スタート地点から解散地点までの市街地を、可愛い踊り連にエールを送りながら密着。年長組の長女は脇目もふらず、きちんと、しっかり踊り、3歳半に満たない次女は、見物の人の波に戸惑いながらも、アスファルトの長いコースを踊りきった。
 そろいのハッピ姿がりんとして愛らしく、街灯に照らされて真っ赤な笑顔が輝いて見えた。
   鹿屋市 神田橋弘子(71) 2008/8/13 毎日新聞鹿児島版掲載

いい人生

2008-08-13 15:05:31 | はがき随筆
 お仕事は?と聞かれて散歩屋と答えたことがある。もちろん冗談だが、日常から散歩は欠かせない。歩く楽しみの他に季節の移ろいを感じたり人との出会いがある。Aさんもそんな一人で、水平線に目をやりながらゆっくり話す。「いい人生だと思います。若いころは野心や夢があっていろいろありましたが結局、平凡なサラリーマンで終わってみると、大過なくというか平穏な人生が実に有り難い。仕舞い良ければすべて良しの心境です。この自然の中なら問題ないでしょう」願望かしら。達観かしら。
   志布志市 若宮庸成(68) 2008/8/12 毎日新聞鹿児島版掲載

地球の温暖化

2008-08-13 14:55:20 | はがき随筆
 先日本州のある小都市で39度という猛暑を記録したという。確かに今年の夏は例年にない異常な暑さが続いている。北海道でさえ真夏日が幾日もあったというから驚くほかない。日本列島がすっほり熱帯域に突入したような錯覚さえ起こさせる。
 真夏日や猛暑とかいう用語で報道されても動じなくなった。最近よく耳にする「地球の温暖化」が案外、原因なのかもしれない。だとすれば今後徐々に、動植物界の生態にも、計り知れない多大な悪影響を及ぼすことになるのは必至であろう。
 ああ、今夜もまた寝苦しい夜が私を待っている。
   霧島市 有尾茂美(79) 2008/8/10 毎日新聞鹿児島版掲載

永久の平和を

2008-08-13 12:23:30 | アカショウビンのつぶやき
平和祈念像

平和祈念像は被爆10周年にあたる1955年8月に完成しました。
垂直に伸ばした右手は原爆の脅威を、
水平に伸ばした左手は平和を、軽く閉じた目は原爆犠牲者の冥福を祈っています。
「8月9日」は『長崎被爆63周年』です。
お持ち帰りいただき、被爆地・長崎からの思いを汲んで頂ければ幸いです。
(2008年7月27日:おたくさ)




おたくささんのホームページはこちらから

 上記の写真と文章は、長崎市にお住まいの、「おたくさ様」のホームページからお借りしました。おたくささまは、核廃絶と人類の平和を願い、ホームページやブログで長崎の人々の思いを代弁し、平和への願いを発信しておられます。

 間もなく終戦記念日が巡って参ります。あのとき、11歳だった私は、あの日のB29の爆音が聞こえない平和で真っ青な空を覚えています。戦時中の辛い体験を語り継ぐ人が少なくなりました。

 被爆地長崎では「若い世代は『微力だけれど無力じゃない』」を合い言葉に、核兵器廃絶のため「高校生1万人署名活動」を続けています。若い世代に平和の願いを託していける希望が見えました。
 北京オリンピックのエネルギーが、世界の融和と協調に向けられたら…と願わずにはいられません。小さな希望の灯を守り続けたいきたいものです。