はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

メッセージ

2008-12-19 13:37:07 | はがき随筆
 11月24日正午、雨に清められながら188殉教者の列福式は始まった。式次第冊子のページがぬれていく。3万人の祈りと聖歌が響き合い心がふるえる。
 イエスの言葉は「神の国はあなたたちの間にある」のだから「信仰を捨てよ」と迫る者たちに殉教者たちは力で向かわず、憎まず、ただ己の信仰を貫いて命を落としたのである。真の平和、神の国はこうして築いていくものではないのか?
 列福式は4時間に及んだ。命をかけた平和へのメッセージを携えて殉教者がわたしの中によみがえるころ、長崎の式場に厚い雲間から光が差しはじめた。
   鹿屋市 伊地知咲子(72) 2008/12/19 毎日新聞鹿児島版掲載
   写真は桜香さん