最初に掲載された時「ヤッター活字になった!」と大感激。私の泥臭い我流の文がすっかりあか抜けて目の前に鎮座ましまし一人、悦に入る。活字のとりこになった1年だった。文字への思いは過去にさかのぼる。父は毎朝新聞を欠かさず、母は筆まめな人だった。多感な年ごろには、逆らう私に言葉より手紙が机の中にそっとあった。淡い思い出のペンフレンド。交換日記では青春がはじけた。さらに幼いころ、定期購読でとってくれた月刊誌の楽しみ。セピア色の思いがよみがえり、文字を読み、書くことへの興味は尽きず、もうどうにも止まらない。
出水市 井尻清子(59) 2008/12/22 毎日新聞鹿児島版掲載
出水市 井尻清子(59) 2008/12/22 毎日新聞鹿児島版掲載