はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

活字の魅力

2008-12-22 10:37:28 | はがき随筆
 最初に掲載された時「ヤッター活字になった!」と大感激。私の泥臭い我流の文がすっかりあか抜けて目の前に鎮座ましまし一人、悦に入る。活字のとりこになった1年だった。文字への思いは過去にさかのぼる。父は毎朝新聞を欠かさず、母は筆まめな人だった。多感な年ごろには、逆らう私に言葉より手紙が机の中にそっとあった。淡い思い出のペンフレンド。交換日記では青春がはじけた。さらに幼いころ、定期購読でとってくれた月刊誌の楽しみ。セピア色の思いがよみがえり、文字を読み、書くことへの興味は尽きず、もうどうにも止まらない。
   出水市 井尻清子(59) 2008/12/22 毎日新聞鹿児島版掲載

ギフト

2008-12-22 09:48:59 | はがき随筆
 「学生は、もうすぐ冬休みかあ」
 休みのニュースを見るたび、中学校3年生の時に二つの通知表をいただいたのを思い出す。
 当時、私は特殊学級で一日を過ごす毎日。教室に行くのは苦痛で、気が向いた時に授業を受けていた。
 明らかに違いを見せる二つの通知表。空欄ばかりの通知表にコメントを書く担任の先生。教科ごとにぎっしりコメントを載せる特殊学級の先生。いつも笑顔で通知表を渡す先生方の手は、私の心を包んでくれた。
 日本中の先生方も、生徒の心をそっと包んで、助けて。
   いちき串木野市 森みゆき(23) 2008/12/21 毎日新聞鹿児島版掲載