大みそかの夜「トシドン」は私の故郷、薩摩川内市・下甑島の小さな子供のいる家に、鬼の面をつけ蓑をまとってやってくる。子供をしかったり諭したりしながら、最後にはよい子になる約束を取り付けて、褒美に歳餅(としもち)を背中に乗せてやる。1年の反省と来年の誓いを立てさせる、ちょっぴり怖くてユーモアに満ちた伝統行事である。
「良い子にしてるか!!」「はい、してます」「ウソじゃろが。ウソをついてもトシドンは知ってるぞ。良い子になるか!!」「良い子になります」。除夜の鐘が鳴る前にトシドンは、皆を良い子にするために奔走する。
鹿児島市 川端清一郎(61) 2008/12/30 毎日新聞鹿児島版掲載
【写真提供】薩摩川内市下甑教育生涯学習課
「良い子にしてるか!!」「はい、してます」「ウソじゃろが。ウソをついてもトシドンは知ってるぞ。良い子になるか!!」「良い子になります」。除夜の鐘が鳴る前にトシドンは、皆を良い子にするために奔走する。
鹿児島市 川端清一郎(61) 2008/12/30 毎日新聞鹿児島版掲載
【写真提供】薩摩川内市下甑教育生涯学習課
夫の急死、自分の心臓手術から1年たった。不安と恐怖、孤独感から早く立ち直りたい。
朝の目覚めから1人でリハビリを始める。5時の起床から予定通りの家事の合間に全身の痛みを少しずつほぐす。右半身のラジオ体操、ひざと腰のマッサージ、歩行練習、指の屈伸……など全身の緩和に気を配る。
少し無理をすると翌日はダウン。気ばかり焦る。「昼は気丈でも、夜は思いっきり号泣してね」と友の慰めの便り。
やがて新しい年だ。新しい心で生きなければと思う。
枯れ果てた庭に、夫の植えた寒菊が美しい。
薩摩川内市 上野昭子(80) 2008/12/29 毎日新聞鹿児島版掲載
朝の目覚めから1人でリハビリを始める。5時の起床から予定通りの家事の合間に全身の痛みを少しずつほぐす。右半身のラジオ体操、ひざと腰のマッサージ、歩行練習、指の屈伸……など全身の緩和に気を配る。
少し無理をすると翌日はダウン。気ばかり焦る。「昼は気丈でも、夜は思いっきり号泣してね」と友の慰めの便り。
やがて新しい年だ。新しい心で生きなければと思う。
枯れ果てた庭に、夫の植えた寒菊が美しい。
薩摩川内市 上野昭子(80) 2008/12/29 毎日新聞鹿児島版掲載