はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

ターシャ・テューダー

2008-12-30 23:15:29 | アカショウビンのつぶやき








 絵本作家・園芸家として活動しながら2008年6月92歳の生涯を終えるまで、スローライフのライフスタイルを貫き通したターシャ。自給自足の生活を楽しみ、「楽しみは自分で作り出すものよ…」と言う彼女の言葉には学ぶことも多かった。

 我が家には、彼女の本が数冊あるはずなのに、最近見当たらない。
「返すのはいつでもいいから、ゆっくり楽しんでね」と
言ってるうちにみんな消えてしまったみたい。

 そしたら嬉しいクリスマスプレゼントが…。
「ターシャ・テューダーのカレンダー」が届いたのです。一年間ターシャの庭を眺めて楽しみましょう。

トシドン

2008-12-30 20:26:37 | はがき随筆
 大みそかの夜「トシドン」は私の故郷、薩摩川内市・下甑島の小さな子供のいる家に、鬼の面をつけ蓑をまとってやってくる。子供をしかったり諭したりしながら、最後にはよい子になる約束を取り付けて、褒美に歳餅(としもち)を背中に乗せてやる。1年の反省と来年の誓いを立てさせる、ちょっぴり怖くてユーモアに満ちた伝統行事である。
 「良い子にしてるか!!」「はい、してます」「ウソじゃろが。ウソをついてもトシドンは知ってるぞ。良い子になるか!!」「良い子になります」。除夜の鐘が鳴る前にトシドンは、皆を良い子にするために奔走する。
   鹿児島市 川端清一郎(61) 2008/12/30 毎日新聞鹿児島版掲載
【写真提供】薩摩川内市下甑教育生涯学習課

新しい心

2008-12-30 14:26:53 | はがき随筆
 夫の急死、自分の心臓手術から1年たった。不安と恐怖、孤独感から早く立ち直りたい。
 朝の目覚めから1人でリハビリを始める。5時の起床から予定通りの家事の合間に全身の痛みを少しずつほぐす。右半身のラジオ体操、ひざと腰のマッサージ、歩行練習、指の屈伸……など全身の緩和に気を配る。
 少し無理をすると翌日はダウン。気ばかり焦る。「昼は気丈でも、夜は思いっきり号泣してね」と友の慰めの便り。
 やがて新しい年だ。新しい心で生きなければと思う。
 枯れ果てた庭に、夫の植えた寒菊が美しい。
   薩摩川内市 上野昭子(80) 2008/12/29 毎日新聞鹿児島版掲載