はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

クリスマスその2

2008-12-27 20:17:57 | アカショウビンのつぶやき


















クリスマスのアップが遅れて<(_ _)>…。

 12月21日はクリスマス礼拝でした。
 暗いニュースに暗澹たる思いの毎日ですが、全世界の救いのために来られたイエス様のお誕生をお祝いする日・クリスマス。暗闇の中にも一筋の希望が与えられますようにと切なる祈りを捧げました。
 そして毎年恒例の、信愛コーラスの賛美は、モーツアルトのグローリア。
「神様には栄光がありますように、地には平和をお授け下さい」と祈りつつの賛美でした。

 12月24日はクリスマス祝会です。多くの方々をお招きして、クリスマスをお祝いします。地元・唯一のゴスペルグループ「鹿屋プレイズ・シンガーズ」の皆さんも参加してくださり、美しいハーモニーを聴かせてくださり感謝でした。
 そして、高校生のヴァイオリン演奏や、小学生と高校生のバンド演奏。更におばあちゃんたちが加わったハンドベルも登場しました。演奏者も聴衆もドキドキの瞬間でしたが「たった5回の練習であれだけできたのは大したものだ…」と褒められ(?)、「来年も振りたいねえ」と意欲満々でした。幼稚園の先生方は今年はハンドベルを高齢者に譲り、園長先生のギターと美しい歌声を披露してくださいました。

 12月25日はハンセン病療養所・恵生教会のクリスマス祝会です。お二人の尊いお証しがあり、どのような時にも神様が支えて下さり、すべてを益にして下さった体験をお話くださり、感動しました。この教会には三味線同好会があり、琉球の言葉で賛美します。三味線の伴奏で歌う賛美は素晴らしいものでした。

 未曾有の経済危機で世界中の人々が困難な状況にあり、多くの人々が住む家さえない、という大変な年の瀬を迎えています。
 神様の愛と平安が、お一人お一人のもとに届きますよう切に祈ります。

クリスマスその1

2008-12-27 20:17:31 | アカショウビンのつぶやき



















クリスマスのアップが遅くなりましたが…<(_ _)>

 鹿屋教会では、毎年ビックリするようなアイデアを形にして、全国の信仰の友に「クリスマスプレゼント」お贈りします。今年は140枚の手作りカードにお手紙を添え、教会員全員の写真を同封して贈りました。

 11月からスタートしたプレゼント作りですが、カードに張るために、ラッパを吹く可愛い天使を一人で140セットも切ったHさん、エンジェルのパーツは一体で8枚、それを左右揃えて切るという、気が遠くなりそうな作業でした。またM・Hさんは隣県のM市のワンコインショップまで、小物を探しに…。こうした尊い奉仕でできあがったカードなのです。神様の愛が皆様に届きますようにと祈りつつ作りました。

11月最後の日曜は、総員奉仕日でした。いつもは教会の女性部(マリア会といいます)の有志でお掃除をしますが、クリスマス準備は全員ですることになり、礼拝後、美味しい豚汁とおにぎりを頂いてから、教会内外の清掃と、飾り付けをしました。それぞれが得意の分野を担い、楽しいクリスマス準備でした。

 更に今年初の試みとして、クリスマス祝会のプログラムを手作りにしました。
絵のお上手なSさんに書いて頂き、スキャナで取り込み印刷しました。これまでYさんがパソコンで素晴らしいデザインのものを作ってくださいましたが、結婚して上京「これからどうすりゃいいの…」と悩みましたが、神様は尊い働き人を備えていて下さいました。手書きのイラストや文字には優しさと暖かさが感じられ、とても好評でした。 

我が家の流行語大賞

2008-12-27 20:03:03 | 女の気持ち/男の気持ち
 今年の流行語大賞が決まり話題になったが、実は夫婦だけの我が家にも今年、流行語が生まれた。
 その言葉をもたらしたのは、夏に帰省してきた4歳の孫息子。都会っ子の彼には見る物聞く物すべてが物珍しいようで、いたく田舎が気に入ったらしい。いろいろな物に興味を持ち、欣喜雀躍しながら逐一私たちにリポートしてくれた。
 「おじいちゃん、セミがとまっているよ」
 「わあすごい、おばあちゃん、長いアリの行列。こんなの見たことないよ」
 そしてリポートの最後を、彼はいつもこう言って締めくくるのだった。
 「たまんねえぜ」
 やがて彼は都会に戻っていったが、彼が残した名セリフは私たちの常とう句となった。
 例えばガソリンの安値の看板を見て、満タンにした時。就寝時に勝手口の鍵をかけ忘れ、危機管理意識が欠けているとひどくしかられた時にも「たまんねえぜ」のひと言でその場の空気が和らぐから不思議だ。
 先日、新潟から有名な地酒が届いた。毎年この時期になると必ず送ってくださる方がいる。
 上戸の夫は、究極の笑顔で「今年もこいつが来たが。たまんねえぜ!」。 
 よだれを垂らさんばかりのその態度を見ているこっちの方が、ああ、たまんねえ、たまんねえ。
   山口県下関市 先本和恵(65) 2008/12/25
   の気持ち掲載

大往生

2008-12-27 19:49:51 | はがき随筆
 姉夫婦の家族として20年間、可愛がるだけの私にも癒しをくれたテツが死んだ。
 義兄の魚釣りの帰りを喜ぶ刺身好きな変な犬。交通事故でひん死の重傷を負ったことも。また数回の危機を乗り越えたその回復力には目を見張ったものだった。晩年は認知症で雨降りに外を出歩いたりしたらしい。
 いつかは訪れる旅立ちの日。せめてもの救いは、最後まで好物の牛乳を飲んで静かに召されたこと。人間で言えば90歳。大往生と言えるかもしれない。
 「ボールが命」のころもあったテツ。庭隅の墓には大好きな最後のボールが供えてあった。
   霧島市 口町円子(68) 2008/12/27 毎日新聞鹿児島版掲載

バナナの話

2008-12-27 19:41:04 | はがき随筆
 徳之島在任の元同僚からバナナが届いた。まだ青い一枝に七房ついたままの地元産だ。
 バナナには幼少のころの思い出がある。当時バナナは高価だった。病気でも口に入らなかった。そのバナナを父がもらってきたことがある。それも1本だけ。私には姉と2人の弟がいるが、4人のぎらぎらした視線は、未知なる味の1本に注がれた。と、場の空気を鋭く察した母は、包丁と物差しとを取り出して、ものの見事に4等分した。
 この逸話を学級の子どもたちに話したら、給食にバナナが出た際、我先にと私へ差し出し、たちまち教卓に山ができた。
   伊佐市 山室恒人(62) 2008/12/25 毎日新聞鹿児島版掲載

これはいったい

2008-12-27 19:23:55 | はがき随筆
 教室にシクラメンの鉢を飾った。赤いシクラメンの花、葉をいっぱい茂らせ丈夫な茎に支えられて、きれいに咲いている。
 笑ったり泣いたり怒ったり、助け合ったり、励まし合ったり──。そんな毎日の出ごとをそっと眺めているシクラメン。明るい笑い声に包まれて、次から次へとつぼみも膨らんでいく。
 可愛いつぼみを眺めながら、あれ、これはいったい──。葉に白い粉のようなぷつぶつがいっぱい付いている。ああ、チョークだ。こんな所にまでチョークの粉が飛んできて付いている。粉をそっと落としながら、空気の威力を思った。
   出水市 山岡淳子(50) 2008/12/25 毎日新聞鹿児島版掲載

(アカショウビンのシクラメンも白い粉…、これは??)

笑いが一番

2008-12-27 19:17:06 | はがき随筆
 師走。メモいっぱいの用事。車を走らせておいもしたら、お巡りさんが止まれと指示。こんせわし時、何もわりこつしちゃおらんとに一瞬、肝が冷えもした。免許証提示に、つい出た言葉。「べっぴんじゃけん、たまげやんな」。山口県では、かごっま弁は通じもはん。じっと私の写真を見つめ、お巡りさんは何も言わんで免許証を戻せっくやした。かごっま弁で育った私は、いっきかごっま弁がひっと出いもんさ。お陰ですーっとしもした。かごっまん「はがき随筆」の皆さん、年の暮れは笑うて過ごっしゃんせ。よか正月が来いごっ祈っおいもんで。
   山口県光市 中田テル子(62) 2008/12/25 毎日新聞鹿児島版掲載

母の面影

2008-12-27 19:10:11 | はがき随筆
 母は、平成10年に満95歳でこの世を去った。もう10年も過ぎているのになぜか母の面影をふと思い出す。母の生地は豊前国・中津市の郊外であるが、縁あって志布志の一角にある寺に嫁いできた。お嬢育ちだったようだが、戦後の貧しさを乗り切るために農業もして子育てをした。母は女学校で学んだのか、漢字やことわざをよく知っていた。少々の英語も理解していた。百人一首は老いてからもほとんど暗唱しており、我々子供は及ばなかった。元気で一緒にくらしていたころは口げんかもよくしたのに、なぜか母のまぶしい面影ばかりが思い出される。
   志布志市 一木法明(73) 2008/12/23 毎日新聞鹿児島版掲載